宿から出るのがもったいない。
宇賀なつみの由布院“名宿”探訪
古都の風情とトレンドが調和した、新しい温泉体験ができる由布院。
観光巡りもいいですが、宿ごもりでゆっくり贅沢な時間を過ごすのもまた一興。
美食家も唸る地産地消のオーベルジュ〈ENOWA YUFUIN〉、緑のなかで静けさを味わう宿〈わらび野〉、由布院名宿の御三家のひとつ〈山荘無量塔〉の3つの宿を、旅慣れた宇賀なつみさんが体験しました。
由布院の恵みが詰まった自家農園を持つ、
地産地消オーベルジュ〈ENOWA YUFUIN〉
まず訪れたのは、2023年春に開業した「FARM-DRIVEN(ファームドリブン)」をかかげるオーベルジュ〈ENOWA YUFUIN〉。
シェフ自らが育てた朝摘み野菜を味わえる美食体験と、由布岳を一望できる滞在型ステイを同時に体験する、贅沢なリトリートです。
ホテルエントランスからカートに乗って高台へ移動すると、ヴィラがお出迎え。
宇賀さんが訪れたのは、客室から由布岳とその麓に広がる由布院のまち並みを一望できるヴィラ。
シンプルで洗練された都会的な内装に、由布院の大自然のパノラマのコントラストが、訪れる人を非日常の世界へ誘います。
「とても贅沢な風景ですね。高台にあるから、由布院のまち並みが一望できます」と、宇賀さんもその景色にうっとり。
テラスには露天風呂に続きインフィニティ・プールがあり、ゆったり浸かりながら自然と溶け込むように過ごせます。
「私、温泉やサウナも好きなんですが、温冷交互浴をするのが大好きで。プールで遊んだ後すぐにそのまま温泉に入れるのが最高ですね」(宇賀さん)
〈ENOWA YUFUIN〉の自家農園へ
お部屋を堪能したところで、次に向かったのは、ENOWA YUFUINが手がける自社農園〈ENOWA FARM〉。
ニューヨークにあるミシュラン二ツ星レストラン〈Blue Hill at Stone Barns(ブルーヒル)〉で4年間副料理長を務めた経歴を持つ、ENOWA YUFUINのエグゼクティブシェフ、タシ・ジャムツォさんに、ファームを案内してもらいました。
毎朝シェフ自ら出向く広大な敷地には、有機野菜が35種、200品目以上栽培されています。
「開業2年前から畑づくりを始めました。天候の変化や供給バランスなどなかなか見極めが難しいですが、由布院の土壌で育った野菜は風味豊かで奥深い味わい。レストランでは、その日の採れたての野菜を使ってメニューを組みたてます」(シェフ・タシさん)
ENOWA YUFUINのレストラン
〈JIMGU〉で美食体験を
野菜が主役のメニューをレストラン〈JIMGU〉で、さっそくいただくことに。
朝、収穫したばかりのズッキーニに、きゅうりのジュースや冷製コーンスープ、野菜を練り込んだ自家製パンなどが並びます。
「ファームを見学してからいただくお野菜は、おいしさもひとしおですね。旨みが凝縮されていて力強い味わい。器ひとつとっても、料理ひとつとっても、何もかもが、美しくて、ここのごはんを食べに来るだけの価値があります」と、宇賀さんも至福の時間を過ごせたよう。
四季折々の彩り豊かな食材を使った渾身のひと皿は、訪れるたびに違った味わいを楽しめるのもうれしいポイントです。