
2025年は“昭和100年”。
宇賀なつみ、高度成長期のパワーを感じに豊後高田へ | Page 3
昭和レトロだけじゃない!
パワーをもらう豊後高田の宿
にぎやかな昭和レトロスポットを巡ったあとは、この日の宿へ。向かったのは、国宝・富貴寺大堂(ふきじおおどう)に隣接する、〈旅庵蕗薹(りょあんふきのとう)〉です。

静かな山あいに佇む宿は、宿坊の趣を感じさせます。


客室は、離れが2棟と宿泊棟の5部屋。宇賀さんが泊まったのは、内風呂つきの離れ「指月庵(しげつあん)」。中2階にベッドルームが続き、和と洋がつながった奥行きのあるつくりです。

離れで少しくつろいだら、お待ちかねの夕食の時間です。

夕食は、メインが選べるコース御膳。
最初に出てきたおばんざいは、まるで精進料理のような体にも心にもやさしい味わいで、体の奥から元気が出てくるものばかり。ひとつひとつに宿の心意気が表れています。


メインは3種類。〈ぶんご合鴨〉の鍋か陶板焼き、〈豊後牛〉の陶板焼きから選べます。

「全体的にお野菜がたっぷりで、体が喜ぶお料理ばかり。素材の味もしっかりしていておいしいです」(宇賀さん)

〈安心院(あじむ)葡萄酒工房〉で選んだワインと、豊後高田の料理とのマリアージュも存分に楽しみました。
しめは〈豊後高田そば〉。
豊後高田市はそばの産地で、新そばが春・秋の年に2回食べられるのが特徴です。豊後高田産のそば粉を使い、「挽きたて・打ちたて・ゆでたて」の「3たて」で手打ちそばをつくるのが豊後高田そばの条件。
しかも、蕗薹でそばを打つのは、隣接の富貴寺の副住職。なんともありがたいそばに、食べると運が開けそう!

「歯ごたえがあって、そばの風味がしっかり感じられます。最後に出てくるこの量もちょうどいいですね」(宇賀さん)
少しずつ、だけど種類が豊富で大満足な夕食。「田舎料理ばかりですが」と女将さんが謙遜していましたが、豊後高田の旬が凝縮された料理が一番うれしいおもてなしです。

鳥のさえずりで目覚めた早朝。竹林を歩いて5分ほどの場所に隣接する富貴寺大堂へ。

平安時代に建立され、宇佐神宮とも深い関わりを持つ富貴寺大堂。座禅や写経、護摩祈願などの体験もできます。この旅で得たエネルギーを自分のなかに落とし込むような、そんな朝が迎えられます。
昭和のエネルギーに元気をもらい、デジタル社会の今だからこそ、時代を超えて気づくアナログの魅力にふれた、豊後高田の旅でした。
続いては、祈りとアートに宿るパワーを求めて、国東市へ。
credit text:牧亜希子 photo:ただ(ゆかい) hair & make:室橋佑紀 styling:近藤和貴子
衣装クレジット トップス16500円、パンツ18700円(ともにランバン オン ブルー)、イヤリング5250円、バングル4400円(ともにアビステ)、リング37400円(ノジェス)、その他スタイリスト私物/旅庵蕗薹撮影時:セットアップ19800円(ココディール)、トップス15400円(セルフォード/セルフォード ルミネ新宿2店)、イヤリング8800円(アビステ)、リング9900円(ノジェス)
以上、価格はすべて税込み