ひまわりの形をしたオブジェの影の下に「自然のベンチ」が生み出される、木村崇人の作品『太陽と坐る』
特集|宇佐・国東半島でパワーをもらう旅

大自然×圧巻アート×パワースポット寺社。
宇賀なつみが案内する国東半島の神秘旅 | Page 2

Posted 2025.08.22
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神仏習合の国東でアートを巡る旅

アントニー・ゴームリーの作品を筆頭に、国東半島には個性的なアートが点在。今年の秋には、国東市・豊後高田市で「国東半島芸術文化祭」の開催が予定されています。大自然と歴史が溶け合うこの地で、5つのアートに出合う感性と運気を満たすドライブへ。

アート① 川俣正『説教壇』

ペトロ・カスイ岐部神父記念公園の記念聖堂の外観
ペトロ・カスイ岐部神父の銅像と城山の十字架
〈ペトロ・カスイ岐部神父記念公園〉。

国東市国見町の岐部地区にある〈ペトロ・カスイ岐部神父記念公園〉の裏手に広がる小高い丘に立つのは、現代美術家の川俣正による『説教壇』。日本人として初めて聖地エルサレムに渡った宣教師、ペトロ・カスイ岐部の精神性に着想を得て、人々が語り合い、思索するための空間として制作されました。

屋外礼拝堂のような川俣正の『説教壇』

空中に浮かぶような木製回廊と、その下に設置されたベンチ。木々の間から差し込む陽光と、遠くに見える瀬戸内海の景色が、まるで屋外礼拝堂のような静謐(せいひつ)さを演出しています。自然に包まれたこの場所で、心の奥の声に耳を澄ませてみたくなります。

Spot 02
Information
川俣正『説教壇』
address:大分県国東市国見町岐部536
tel:0978-72-5168(国東市観光・地域産業創造課 商工観光企画係)
access:大分空港から車で約40分
駐車場台数:30台
web:川俣正『説教壇』

アート② 島袋道浩『マノセ』

竹田津地区にある『マノセ』は、島袋道浩による堤防に書かれた言葉の作品。

防波堤に「石をつむ 流木をたてる 穴のあいた石をさがす」と書かれている

「石をつむ 流木をたてる 穴のあいた石をさがす」と堤防に書かれたメッセージに導かれながら、ここを訪れた人たちが即興的に行動することで作品が創造されます。まさに自らが参加してつくり上げるアート。

穴の空いた石が積まれている
砂浜をよく見ると、穴の空いた石がたくさん。「石をつむ」「穴のあいた石をさがす」に該当します。

干潮時に現れる道を歩いて渡ることも。少し離れた道沿いからは、浸食によって無数の空洞が刻まれた幻想的な景色を見せてくれます。

Spot 03
Information
島袋道浩『マノセ』
address:大分県国東市国見町竹田津 馬ノ瀬
tel:0978-72-5168(国東市観光・地域産業創造課 商工観光企画係)
access:大分空港から車で約55分
web:島袋道浩『マノセ』

アート③ 宮島達男『Hundred Life Houses』

LEDの点滅が命の営みを表す、宮島達男による作品『Hundred Life Houses』。

森の木々の間から赤と青のLED光が見える
林を抜けたその先、突如開けた巨大な岩場に現れる作品。森の静けさを破るように姿を現すその光景に、思わず息をのみます。

縄文時代の成仏岩陰(じょうぶついわかげ)遺跡を背景にした巨大な岩場に設置されたこの作品は、高さ30メートルの火山で形成された岩肌に、無数のLEDカウンターが取り付けられています。

岩場に設置されたLEDカウンター
それぞれに数字が振られていて、変則的なリズムで点滅しています。

異なる点滅は、地元の人々がそれぞれ好きなリズムをセットし、生と死の循環、輪廻を表現。普遍的なテーマと向き合うこの場所は、“現代の磨崖仏”としてつくりあげた作品なのだそう。

Spot 04
Information
宮島達男『Hundred Life Houses』
address:大分県国東市国東町成仏 成仏岩陰遺跡入口
tel:0978-72-5168(国東市観光・地域産業創造課 商工観光企画係)
access:大分空港から車で約30分
駐車場台数:10台(成仏区公民館の駐車場を利用)
web:宮島達男『Hundred Life Houses』

アート④ 島袋道浩『光る道-階段の無い参道-』

島袋道浩の作品『光る道-階段の無い参道-』

国東市旭日地区の祇園山。鳥居の先に立ちはだかる急斜面に続く手すりは、日没後に点灯し、ひと筋の光る道に。

日本各地から持ち寄られた石が、首飾りのように環状に並べられている

その手すりを頼りに登り切った先には、ここまでたどり着いた人だけが味わえる特別な景色が広がります。さらに頂上には、もう一つの作品『首飾り-石を持って山に登る』を見ることができます。

Spot 05
Information
島袋道浩『光る道-階段の無い参道-』『首飾り-石を持って山に登る』
address:大分県国東市国東町綱井 祇園山
tel:0978-72-5168(国東市観光・地域産業創造課 商工観光企画係)
access:大分空港から車で約10分
駐車場台数:10台(旭日地区公民館の駐車場を利用)
web:島袋道浩『光る道-階段の無い参道-』『首飾り-石を持って山に登る』

アート⑤ 木村崇人『太陽と坐る』

〈花とアートの岬 長崎鼻〉は、夏にひまわりが約160万本咲き誇る花の名所。敷地内には数々のアート作品が常設展示されています。

海を見渡せる場所に設置された木村崇人の作品『太陽と坐る』

そのなかのひとつ、『太陽と坐る』は、空に向かって咲く1本と、枯れてうつむいて見えるもう1本のひまわり。一対のひまわりをかたどったオブジェの下に“自然のベンチ”を生み出した作品で、季節や時間によって草木や花、虫などに出合うことにより、生命の営みや循環を感じさせてくれます。

Spot 06
Information
木村崇人『太陽と坐る』
address:大分県豊後高田市見目4060(花とアートの岬 長崎鼻)
tel:0978-53-5112(豊後高田市教育委員会)
access:大分空港から車で約60分
駐車場台数:120台(花とアートの岬 長崎鼻の駐車場利用。イベント期間は有料)
web:木村崇人『太陽と坐る』

両子寺の太鼓橋を渡る宇賀さん
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