
大自然×圧巻アート×パワースポット寺社。
宇賀なつみが案内する国東半島の神秘旅 | Page 3
両子寺で感じる森の癒しと祈りの旅
「旅先にお寺や神社があると、自然と立ち寄ってしまいます」と話す宇賀さんが次に向かったのは、瀬戸内海に丸く突き出した国東半島のちょうど真ん中にある、六郷満山の総持院(そうじいん)、「両子寺(ふたごじ)」です。

「本当に緑が美しいですね! 空気が澄んでいてすごく気持ちがいい」と深呼吸をひとつ。

両子寺は、718年に仁聞菩薩(にんもんぼさつ)が開いたといわれる古刹(こさつ)。山岳修行の道場として栄え、江戸時代には六郷満山を統括する寺となりました。宇佐神宮の庇護を受けながら、国東半島では両子寺を中心に神仏習合の信仰と寺院文化が発展し、「六郷満山仏教文化」として根づいていきました。

夏は緑が美しく、秋は境内の紅葉が錦に染まり、景観の美しさも随一。境内は「森林浴の森日本100選」に選ばれています。

本来、鳥居は神社にあり、神域への入口を示すもの。寺に鳥居が存在するのは、神仏習合の象徴的な要素のひとつです。

両子山(ふたごさん)の中腹に位置するだけあって、敷地内もまるで登山道のよう。年月を重ねて苔むした長い階段を上っていきます。

国東独特のデザインの「国東塔」という、すらりと優美な形の石造物。仁王像と同じく、国東半島一帯につくられています。

「気温が少し下がった気がしますね」と宇賀さん。奥の院に漂う澄んだ空気に、呼吸が深くなっていくのを感じます。

岩壁に飲み込まれるように岩屋と一体化した奥の院。双子の神様が祀られていることから、両子寺の名前の由来にもなっているとのこと。奥の院は子授けのご利益があることでも知られています。

「山のなかの秘境のような雰囲気。しっとりとした静けさがあって、心が洗われます」(宇賀さん)
内なるパワーをいただくご利益グルメ
〈両子河原座(ふたごかわらざ)〉

参拝後は、両子寺から車で約3分の場所にある食事処〈両子河原座〉へ。地下40メートルからくみ上げた両子山系の名水で打つそばがメインのランチがいただけます。

「たくさん歩いたのでお腹ペコペコです」と宇賀さんが注文したのは、そばと“開運天むす”と名づけられたおにぎりがセットになった「とり天むすざる」。

「名水で打ったみずみずしいそばは、香りも食感もいいですね。麺が細くてしなやかで、のど越しがいい」(宇賀さん)

「私、とり天大好きなんですよ。鶏肉の下味がしっかりしたとり天は、お塩が効いたおむすびに合いますね。こんな大きいおむすび、久しぶりに食べました」とうれしそうな宇賀さんでした。
宇賀さんにとって、初めての宇佐・国東半島の旅。どんないいことがありましたか?
「宇佐・国東半島そのものが、まるごとパワースポットでした。都会のコンクリートジャングルから抜け出して、自然のなかでたっぷりとエネルギーを受け取ることができました」(宇賀さん)
神仏が宿る自然を歩き、さまざまな歴史を体感し、そして風土に呼応するかのように生まれたパブリックアートにふれる——足を運んだ場所それぞれが持つエネルギーに心が動かされる旅となりました。
credit text:牧亜希子 photo:ただ(ゆかい) hair & make:室橋佑紀 styling:近藤和貴子
衣装クレジット セットアップ19800円(ココディール)、トップス15400円(セルフォード/セルフォード ルミネ新宿2店)、イヤリング8800円(アビステ)、リング9900円(ノジェス)
以上、価格はすべて税込み