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宇佐市院内は「日本一の石橋のまち」!
宇佐市院内は「日本一の石橋のまち」!
レトロでユニークな石橋巡り | Page 3
なぜ院内にはこんなに石橋が多い?
それにしてもなぜこんなに院内に集中して石橋が多いのでしょうか? それは院内の地形や風土との結びつきがとても深いようです。「院内石橋を守る会」の方々の話によると、「この辺りは石材のもととなる、約9万年前に起きた阿蘇山の大噴火による火砕流が冷え固まってできた溶結凝灰岩(ようけつぎょうかいがん)が豊富だったことと、いくつもの谷に集落が点在していたため、川を渡る橋が必要不可欠だったから」だそう。
石橋ができる以前は木製の橋を渡していましたが、水害や急流によって流されてしまうことが多く、江戸時代から昭和にかけて徐々に丈夫な石橋につくりかえていったものが現在に残っているそうです。
また、この土地には山の斜面を利用した段々畑が多く、田畑を区切る石垣や水路をつくる石工たちが多く存在したことも理由のひとつ。彼らの卓越した技術なしには、数々のアーチ橋は現代まで残っていなかったかもしれません。
まだまだたくさんの橋があるので、お気に入りの橋を探してみるのも楽しそう。どれも観光スポットというよりは、いまも地元の人たちが日常的に通行するために使われていて、暮らしのなかに溶け込んでいるのが印象的でした。
院内中を巡る石橋の旅。周辺には温泉や一枚岩の岩床を清流が流れる岳切渓谷もあるので、ぜひセットで楽しんでみてはいかがでしょうか?
Information
credit text:川上靖代 photo:木寺紀雄
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