谷底探検から素足の沢歩きまで!
大分の自然を満喫する夏の水遊びスポット5選
いよいよ夏本番。ひんやりと冷房の効いた室内で過ごすのもいいけれど、色鮮やかな空や草木に誘われてアウトドア気分が盛り上がる季節でもあります。
そこで今回は、暑い夏にぴったりな大分の水遊びスポットをご紹介!
自然公園の面積が九州一広い大分県には、各地に地質遺産が点在していて特殊な地形も多いため、水遊びのバリエーションも豊富です。
谷底を超軽量ボートで探検する「パックラフト」や、自然のウォータースライダーを楽しむ「キャニオニング」、国内初の「洞窟ダイビング」、海の上を自由に散歩できる「SUP(サップ)」、素足でのんびり楽しむ「沢歩き」など、本格派から気軽なものまで、さまざまな体験ができる5つのスポットをご紹介します。
由布川峡谷のパックラフト(由布市)
上から見下ろすと大地の亀裂のように見える、深さ20〜60メートル、幅4〜8メートルの谷。その底にあるのが、“東洋のチロル(チロルは渓谷美で知られるアルプスの地名)”とも呼ばれる由布川(ゆふがわ)峡谷です。
約12キロメートル続く峡谷には40以上もの滝が流れ込んでおり、コケの生えた岩肌に日差しが降り注ぐと滝の水しぶきがキラキラと輝き、幻想的な光景を生みだします。
そんな峡谷の臨場感を存分に味わえる水遊びが「パックラフト」! パックラフトとは、簡単に折り畳める超軽量ボートのこと。もともと冒険家が川や湖で使うアイテムとして誕生したこのボートなら、山道や岩場の多い由布川峡谷の険しい道のりでも手軽に持ち運べるので、奥深くまで探索することができるんです。
体験するには、パックラフトツアーへの申し込みが必要です。ボートを担いで歩いたり、大きな岩を越えたりと体力のいるアクティビティですが、乗り越えた先には、自然がつくり出した神秘的な風景が広がっています。
藤河内渓谷のキャニオニング(佐伯市)
巨大な一枚の花崗岩の上を桑原川が流れる藤河内(ふじがわち)渓谷。川の流れが長い年月をかけて花崗岩に刻んだ円形の甌穴(おうけつ)が、独特の景観をつくり出しています。
ここでは、6月中旬~9月末にかけて「キャニオニング」が楽しめます。渓谷を意味する「canyon」を語源としたキャニオニングは、渓谷を舞台に沢下りを楽しむアクティビティ。ボートなどを使わず体ひとつで、滝つぼに飛び込んだり、自然が作ったウォータースライダーを滑ったりしながらゴールを目指します。
約1.5キロメートルのコース中に表れる10本の滝と5個の甌穴は、ウォータースライダーと飛び込みに最適!
急流などの危険なスポットもあるため、体験はキャニオニングツアーの利用が必須です。渓流を知り尽くした専門インストラクターが案内してくれるので、安心して渓谷の水遊びを楽しめますよ。
稲積水中鍾乳洞のスキューバダイビング(豊後大野市)
3億年前に形成され、30万年前の阿蘇山大噴火により水没して現在の形となった稲積水中鍾乳洞。全長約1キロメートルの洞内では、水中鍾乳石や珊瑚石のほか、鍾乳洞ならではの地形が数多く見られる、世界的にも珍しい水中鍾乳洞です。
洞内の徒歩探検も人気ですが、夏の水遊びにおすすめなのが、国内でこの場所でしか体験できない「洞窟ダイビング」。
10歳から参加できる体験コースや、鍾乳洞特有の地形を観察できるダイバー向けコースまで、さまざまなプログラムが用意されています。
洞内の温度は通年16度で保たれており、中にいる限りは暑さを忘れられるのも嬉しいポイントです。
糸ヶ浜海浜公園のSUP(日出町)
大分県の夏の定番スポットのひとつ、日出町(ひじまち)の〈糸ヶ浜海浜公園〉。遠浅で小さな子どもも安心して楽しめる海水浴場を中心に、オートキャンプ場やログキャビン、テニスコート、野球などができる運動場を備えた総合レジャー公園です。
この場所で体験できるのは、近年人気上昇中の「SUP(サップ)」。「Stand Up Paddle Board」の略で、サーフボードよりひと回り大きなボードに乗り、パドルを使って水上を進むウォータースポーツです。
人気の理由は、“海の上のサイクリング”とも言われるほどの水上での移動のしやすさと、年齢や経験、スポーツの得意不得意に関係なく挑戦できるところ。
公園内にある〈糸ヶ浜サップテラス〉では、ボードのレンタルをはじめ、オーストラリアのASI公認インストラクターによる初心者向け講習やクルージングツアーも行っています。
岳切渓谷の沢歩き(宇佐市)
宇佐市にある岳切渓谷(たっきりけいこく)は、耶馬渓(やばけい)溶岩がつくった巨大な一枚岩の上を清流が流れる渓谷。全長約2キロメートルの渓流は、全国でも珍しい水流遊歩道となっています。
「豊の国名水15選」のひとつでもある清流は、透明度抜群。たくさんの魚が泳ぐそばを、素足で沢歩きできるんです。
水深は浅く、大人のくるぶしくらい。流れも緩やかで、自然を楽しみながらのんびりと沢歩きを楽しめます。小さい子どもも安心して遊べるため、夏はファミリーに大人気のスポットです。
夏場にはキャンプ場もオープン。2019年4月に新設された全9棟のコテージに宿泊できます。各棟には台所やシャワー、水洗トイレが完備されており、キャンプ初心者でものんびりくつろげますよ。
credit text:坂口 ナオ