大分一の寿司のまち、
佐伯で寿司バイキング!
大分県の佐伯市と聞いて、何を思い浮かべますか? 県の南東部、豊後水道(ぶんごすいどう)に面したここは、日豊(にっぽう)海岸国定公園に指定された、日本有数の美しい海岸線が続くエリア。豊富な漁獲高と魚種を誇る海の幸の宝庫で、北の小樽、南の佐伯とも言われる、知る人ぞ知る「寿司のまち」でもあるのです。
年間350種以上の魚介が水揚げされる好漁場・佐伯
佐伯市は九州の市町村の中でもっとも面積が広く、約270キロに及ぶリアス海岸を有することで知られます。同市と四国の愛媛県に挟まれた豊後水道は全国屈指の漁場。太平洋の温かい海水と瀬戸内海の冷たい海水がぶつかり合うことで大量のプランクトンが発生し、それを餌とするさまざまな魚介が集まってくるのです。
佐伯市の水産業の生産量は大分県の7割近くを占め、もちろん県内トップを誇ります。四季折々さまざまな魚介が水揚げされ、その種類は年間で350種以上! 寿司ネタは、ほぼ地元で揃うというから驚きです。“佐伯と言えば寿司”と言われるほどで、寿司を食べるために県内外から多くの人が訪れるそう。
平日は約25種、週末は約30種のネタが並ぶ
〈鮮度壱番〉の寿司バイキング
市内には、カウンター席のみの専門店から、カジュアルな回転寿司まで、さまざまなタイプの寿司屋があります。なかでも、佐伯の寿司カルチャーをより強く感じられるのが、寿司バイキングというスタイルです。
佐伯港に隣接する〈さいき海の市場〇(まる)〉の中にあるのは、寿司バイキングの人気店〈鮮度壱番〉。観光客はもちろん地元の人も御用達で、平日は近隣に住む人や働く人々がランチに立ち寄り、週末は家族でちょっとしたイベントのように朝から訪れる人が多いといいます。
ずらりと並ぶ握り寿司の種類は、平日は25種前後、週末は30種前後。1貫150〜500円で提供しています。
アオリイカやヒラメ、活サバやカマス炙りなど、さまざまな地魚のネタがあるのが佐伯の寿司の特徴。冬場は、ハタやクエ、キジハタなどの高級魚の握りも並びます。アジやイワシといったおなじみの魚でも、引き締まった身と脂のノリのよさは豊後水道の速い潮流で育ったからこそ。
一番人気はマグロ。店で1本買いしたものをまるごとさばくため、大トロ、中トロはもちろん、特上の赤身と称される「天身(てんみ)」など、1本から数貫しかとれない握りにも出合えます。
好きなものを好きなだけ、自分でパックに詰めて会計をするスタイルは、リーズナブルで使い勝手抜群! 地元で揚がった魚だからこその鮮度と握りたてのおいしさに、おなかも気持ちもきっと満足するはずです。
購入したお寿司はテイクアウト以外に、セルフサービスの2階テーブル席を利用してイートインも可能。小皿や醬油(濃口と九州ならではの甘口の2種類)、わさびがテーブルに備え付けられているほか、味噌汁の販売もしています。
〈鮮度壱番〉がある〈さいき海の市場〇〉は、佐伯の魚介を使った干物や瓶詰などの加工品がとにかく豊富。寿司バイキングと合わせて、旅の思い出にお土産を探してみてはいかがですか?
*価格はすべて税込です。
credit text:池田祐美子 photo:MEGUMI