大分で海苔をつくり続けて76年!
〈鶴亀フーズ〉が手がける今話題の〈鶴亀海苔摘み海苔〉
日本全国に眠る「おいしい産品」を、料理評論家の服部幸應さんや有名レストランのシェフたちが、味や品質はもちろん、商品ができるまでのバックグラウンドなども審査して、認定・褒賞する〈食べるJAPAN 美味アワード〉。2023年に開催された同アワードで、大分市の〈鶴亀フーズ〉が製造販売する〈鶴亀海苔摘み海苔〉が準グランプリを受賞し、話題を呼びました。
開発に30年かけた〈鶴亀フーズ〉自慢の逸品
〈鶴亀フーズ〉は大分市を拠点とする、海苔・海藻の加工会社。1947年に創業した〈鶴亀海苔〉を前身とし、親子3代、75年以上にわたって続く老舗です。
かつての大分県は海苔養殖が盛んで、特に大分市三佐地区近郊の海岸は、一部が埋め立てられて工業地帯になるまで、海苔の産地として有名でした。江戸時代には三佐地区の産物として、海苔が扱われていたという歴史も残っています。
〈鶴亀フーズ〉は創業以来、大分県産の海苔にこだわり、今では県内でも数少ない海苔生産者から仕入れを続けています。海苔網を一定時間太陽と寒風にあてる、昔ながらの「干出(かんしゅつ)」という方法で養殖した海苔は、濃厚な旨みが魅力です。また、豊前海の荒波と寒風にもまれることで、歯ごたえもしっかり。そんな地元の海で育まれた海苔を使って、〈鶴亀海苔摘み海苔〉はつくられます。
誕生のきっかけは、2代目の幸野文俊さんが研究のために読んでいた江戸時代の文献でした。板状の海苔が現れる江戸時代中期頃までは、海から摘み取った海苔を岩場で干し、火鉢であぶって食べていたことを知り、それをヒントに〈鶴亀海苔摘み海苔〉が生まれました。
摘み取ったままの海苔を丁寧にほぐして乾燥させ、焼き上げるという手間のかかる工程も、海苔本来の香りや風味を届けるためなら労を惜しみません。その姿勢は、加工法の完成までに30年の歳月をかけて、さまざまな試行錯誤を繰り返してきた歴史も映しているかのように思えます。
〈鶴亀海苔摘み海苔〉は、いろんな食べ方を楽しむことができるのも魅力です。味噌汁に入れて味わうのはもちろん、サラダやうどん、パスタ、卵かけごはんなどのトッピングとしても、おいしくいただけます。〈鶴亀フーズ〉の公式ホームページでは、このほかにも食べ方のアイデアを紹介しています。
一躍、大分県の新名産の仲間入りを果たした〈鶴亀海苔摘み海苔〉。大分市にあるオーガニックショップ〈豊 yutaka oita souvenirs〉や、東京の大分県公式アンテナショップ〈坐来大分〉でも購入することができるので、気になった方はぜひお試しください。
*価格はすべて税込です。
credit text:柿崎真英