日帰りでも楽しめる! 別府のおすすめ温泉11選
大分を代表する人気の観光地「別府」。別府八湯をはじめ、市内各地に数百もの温泉があり、その湧出量は日本一を誇ります。
そんな別府の温泉を何種類も堪能したいという方におすすめなのが「日帰り入浴」です。市内の温泉をめぐり、異なる魅力を発見する。贅沢な癒やしの旅をしたいという方におすすめの日帰り温泉をedit Oita編集部が厳選して紹介します。
2025年10月31日情報更新
地獄めぐりの合間に立ち寄りたい〈鬼石の湯〉

別府八湯のなかでも、特に湧出量が多いといわれる鉄輪(かんなわ)温泉。人気観光の「地獄めぐり」でも有名なエリアで、そのうちのひとつとなる〈鬼石坊主地獄〉の敷地内に〈鬼石の湯〉はあります。

木々の緑がまぶしい内湯と、その隣には広々とした露天風呂。さらに、露天風呂の脇にある階段を昇ると、2階には開放感あふれる展望風呂があります。目の前には緑が広がり、湯につかりながら森林浴気分も味わえます。そのほか、この施設には5種類の家族風呂も揃います。


こちらの温泉の泉質は、ナトリウムー塩化物泉。弱酸性の塩化物泉で、保湿成分のひとつであるメタケイ酸を多く含んでいるため、湯上がり後もしっとりとした肌が持続します。

入浴後は、喫茶スペースで〈鬼石坊主地獄〉や湯けむりを眺めながら、ゆっくり過ごすこともできますよ。
美肌効果も! 約1300年続く天然泥のお湯が自慢の〈別府温泉保養ランド〉

別府八湯のひとつ、明礬(みょうばん)温泉内にある〈別府温泉保養ランド〉も「地獄」と深い関わりがあります。こちらでは、733(天平5)年に編さんされた『豊後風土記』にも登場する〈紺屋地獄〉の鉱泥を使った温泉が楽しめるのです。

浴場の種類も豊富で、露天タイプの大浴場と小浴場、コロイド湯や蒸し湯などがあります。
大浴場と小浴場はいずれも混浴となりますが、出入口は男女別、また湯までの動線も見えないよう配慮されているほか、女性側と男性側の境界線に柵が立っていたり、入浴にあたってのルールも設定されていたりと、女性でも入りやすいような仕組みが整っています。

入浴中に、お湯の底から泥をすくって、体や顔に泥パックをしてみましょう。洗い流したあとの肌のツルツルさに、きっと驚くはずです。

浴場ごとに泉質が酸性泉または硫黄泉と異なる湯は、効能もそれぞれ。小浴場は自律神経や不眠症に効果がある一方、内湯となる地下鉱泥浴場は血行促進や肩こり、関節痛などに効果があるといいます。
ただし、地下鉱泥浴場の泥湯は成分が濃厚なため、乳幼児から小学生までの入浴はNG。泥を顔に塗ることも禁止されています。

また、コロイド湯はやけどや皮膚病に、蒸し湯はのどの痛みや気管支炎に効果があるといわれています。
温泉エンターテインメント満載の〈別府温泉 杉乃井ホテル〉へ

1944(昭和19)年開業。別府を代表する老舗ホテル〈別府温泉 杉乃井ホテル〉の日帰り入浴は、若い女性からファミリーまで幅広い層に人気です。
日帰りで利用できるのは、大展望露天風呂「棚湯」と、水着で遊べる屋外型温泉「アクアガーデン」のふたつ。いずれも別府湾の大パノラマが眼下に広がります。
2023年7月には、大展望露天風呂「棚湯」が“五感で味わう別府体験”をテーマにリニューアルオープン。升湯(ますゆ)や音の湯が新設されたほか、サウナエリアの拡充によってロウリュウが楽しめるようになりました。

棚田状になっている「棚湯」は、上から①ガラスで仕切られた内湯、②雨でも安心して入れる庇(ひさし)つきの半露天、③もっとも幅広の浴槽で開放感たっぷりの露天、④足湯なども楽しめる露天、⑤先端部では寝湯ができる露天の5段で構成。このほか、ヒノキでできた樽湯や、展望サウナなども備えています。
泉質は、筋肉痛や冷え性、疲労回復に効果があるナトリウム塩化物・硫酸塩泉。無色透明でやわらかい温泉なので、子どもや肌の弱い人など、どんな人も入りやすいのが魅力です。

一方の「アクアガーデン」は、言うなれば温泉エンターテインメント施設。巨大なプールサイズの温泉につかりながら絶景を楽しめる展望スパやオーバルプール、歩行浴などのほか、塩分濃度を上げた浴槽の中で浮遊体験ができる「フロートヒーリングバス」など、多彩なアミューズメントを体験できます。

水着着用で、カップルや家族が一緒に楽しめるとあって人気は上々。毎晩開催される噴水ショーも、2022年末からプログラムを一新し、噴水とプロジェクションマッピング、立体音響を組み合わせた幻想的なエンターテインメントが披露されています。
知る人ぞ知る〈いちのいで会館〉で絶景と青い温泉を楽しむ

JR別府駅から車で約10分。市内を流れる朝見川を渡り、急な坂道を350メートルほど登った先に〈いちのいで会館〉はあります。

「義父が、山懐にあるこの場所で温泉を掘削したのは40年ほど前のこと。長年、仕出し屋として営業していて、温泉は会館で食事をしてくれたお客さんへのサービスとして提供してきたんです」と店主の生永順子さんは話します。
しかし新型コロナウイルスの感染拡大を機に、現在は日帰り温泉のみの営業となっています。「景観の湯」と家族風呂の2か所を、奇数日と偶数日で男女を入れ替えて使用しているそうです(奇数日は景観の湯が女性、家族風呂が男性。偶数日はその逆)。

「景観の湯」には、ふたつの岩風呂(プールサイズの大浴槽は休止中)、そこから一段高いところに位置する家族風呂には3つの岩風呂があり、それぞれ別府湾を一望できます。

〈いちのいで会館〉温泉の最大の特徴は、なんといってもそのお湯の青さ。もともとは無色透明な源泉が、時間が経つにつれて化学反応を起こし、光を反射して青乳色に見えるようになるといいます。泉質は、筋肉痛や冷え性に効果のあるナトリウム-塩化物泉。
「うちは源泉かけ流しで、飲用もできるんですよ。味は、少ししょっぱいくらい。サラリとした湯ざわりでお肌がツルツルになるし、体もよく温まります」と生永さん。

全国ではもちろん、おんせん県おおいたでも珍しいとされる青湯。諸条件が合ったときにだけ出合える稀少な温泉に、興味が高まります。
天然の入浴剤、湯の花の聖地〈みょうばん湯の里〉

ここは全国的に知られる天然由来の入浴剤〈薬用 湯の花〉の製造・販売所としても有名な場所。敷地内には入浴剤の製造工程を無料で見学できる「湯の花小屋」のほか、温泉施設もあります。

そのひとつが、別府一の高台にある大露天岩風呂。皮脂の汚れを取る洗浄効果の高い乳白色の湯に浸かりながら、明礬大橋や鶴見岳、高崎山などの絶景が眺められます。

もうひとつは、湯の花小屋を模したわら葺き屋根の貸切湯(全4棟)。全国的にも珍しい、風情たっぷりの空間で良泉を楽しめます。
豊富な種類の温泉を楽しめる〈湯屋えびす〉

明礬温泉で1874(明治7)年から続く温泉旅館〈御宿ゑびす屋〉が運営する日帰り温泉。3階建ての施設には大浴場や露天風呂、岩盤浴などがあり、実に10種類以上のお風呂が揃います(奇数・偶数日で1階露天と2階内湯を男女別で交互に開放)。

1階は露天風呂がメインのエリア。広々とした硫黄泉の露天風呂のほかには、ヒノキ製の樽風呂で楽しめるジャグジーや、硫黄の蒸気で温める「箱蒸し」、岩風呂などがあります。
続く2階は大浴場と岩盤浴のエリア。大浴場では、疲労回復にぴったりのゲルマニウム石を使ったお風呂や半露天などが楽しめます。

3階には、別府湾を望めるヒーリングルームなどお風呂上がりにゆったり過ごせるスペースが充実。併設カフェで販売している、温泉の蒸気でつくったプリンや黒たまごなどを味わうこともできるとか。
砂湯や蒸し湯も体験できる〈ひょうたん温泉〉

鉄輪温泉を代表する日帰り温泉施設の〈ひょうたん温泉〉。源泉かけ流しが自慢のお風呂は、竹でできた独自開発の冷却装置〈湯雨竹(ゆめたけ)〉によって実現。源泉を竹の表面に這わせることで、100℃近い温度から瞬時に冷ますことができるため、鮮度のよいお湯を提供することができるのです。

お風呂の種類もバラエティ豊富で、大浴場から露天風呂、瀧湯(打たせ湯)、砂湯、むし湯まで幅広く揃います。さらに、源泉の蒸気を吸ったり(温泉吸入)、飲んだり(泉飲)できるサービスも。体の外側だけでなく内側まで温泉の恵みを堪能できます。

施設内には、温泉の蒸気を利用して食材を蒸し上げる「地獄蒸し」を体験できる専門店もあり、一日中楽しめる場所となっています。
上質な塩化物泉の湯を無料で堪能できる〈熱の湯温泉〉

湯けむり立ち上るレトロな温泉街で、地元の人から観光客まで懐深く迎える〈熱(ねつ)の湯〉。ここは、別府市内に18か所ある市営温泉のなかでも数少ない入浴料が無料の共同浴場(公衆浴場)として知られています。

浴場にはシャワーの設置はないため、体を洗ったり、かけ湯をしたりする際は浴槽の湯を使用します。上質なナトリウム-塩化物泉のあつ湯に浸かって、ローカル気分を味わうのも、旅のいい思い出になるでしょう。

この温泉の歴史は古く、鎌倉時代からその名が伝わるほど。かつては浴場としてだけでなく、飲泉場や調理場、洗濯場としても利用されていたといいます。〈熱の湯温泉〉の建物の左側に飲泉場の跡地、右側には今なお残る洗濯場が見られるので、興味がある方は立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
別府温泉のシンボルとも呼べる名湯〈竹瓦温泉〉

別府駅から10分ほどの場所に佇む、唐破風造(からはふづくり)の屋根と昭和初期の面影を残す建物が印象的な〈竹瓦温泉〉。ここでは温泉に浸かるだけでなく、温泉の熱で温まった砂に埋もれる入浴法である砂湯を楽しむこともできます。

浴衣に着替えて砂の上に寝ころぶと、砂かけさんが温泉の熱で温まった砂をかけてくれます。15分も横になっていると、汗ばむくらい体が温かくなります。

砂湯からあがったらシャワーで砂を落とし、仕上げのあがり湯に浸かりましょう。体の芯までぽかぽかになります。
石菖の香りに包まれる〈鉄輪むし湯〉で心地よくリラックス

鉄輪温泉のシンボルともいえる〈鉄輪むし湯〉は、温泉で熱した床に石菖(せきしょう)という薬草を敷き詰め、その上に横たわって体を温める、ユニークな入浴方法が特徴。
この石菖のスチームを全身に満遍なく浴びるため、天井は屈まないと入れないほど低く設計されています。室温は70度前後と高温ですが、湿度が高いため、スチームサウナのような感覚で入ることができます。

たっぷり汗をかいたあとは、温泉に浸かって、さらにリラックス。石菖の香りを楽しみながら、全身に温泉の蒸気を浴びれば、日々の疲れも癒やされていくことでしょう。

〈鉄輪むし湯〉の敷地内には、温泉の蒸気で満たされた箱の中に足を入れて蒸すという入浴法を体験できる足蒸しもあります。椅子に腰かけて、膝から下をじっくりと温めれば、旅で歩き疲れた足も元気になるはず。
別府湾の美しい景色を眺めながら極上の癒やし体験〈Sand SPA〉

別府湾沿いに広がる上人ヶ浜(しょうにんがはま)エリアに2025年7月、複合型リゾート施設〈SHONIN PARK〉が誕生。その中心的な存在として注目を集めているのが海浜砂湯を堪能できる温浴施設〈Sand SPA〉です。


別府湾を一望できる開放的なロケーションが魅力の〈Sand SPA〉は、別府で唯一の海浜砂湯。かつて多くの人に長く愛された〈別府海浜砂湯〉の伝統と文化を受け継ぎながら、現代的な快適さと洗練されたデザインを融合。別府ならではの海と湯の魅力を新しいかたちで体感できます。

砂湯のあとは、源泉かけ流しの大浴場で別府温泉を心ゆくまで堪能。館内にはバーカウンターも併設されており、湯上がりに乾いた喉を潤しながら心地よい余韻に浸れます。

*価格はすべて税込みです
credit text:柿崎真英、坂本愛