
“幻の桃”から新鮮なブランド魚まで!
大分県各地の“いいもの”に出合える道の駅5選
休憩がてら、その土地の魅力に触れられる「道の駅」。近年では、新鮮な食材や名物グルメを取り揃えるのはもちろんのこと、ユニークな特色を打ち出してアピールする道の駅が増えたことで、お出かけや旅の目的地に選ぶ人も少なくありません。
大分県にも、そんな地域の魅力を体感できる道の駅が数多くあります。今回は、そのなかでもedit Oita編集部が厳選した5駅を紹介します。
2025年9月25日情報更新
1. “幻の桃”に出合える〈道の駅きよかわ〉

大分県南西部に位置する豊後大野(ぶんごおおの)市の中心市街地から車で10分ほど、国道502号線沿いにある〈道の駅きよかわ〉。最寄り駅のJR豊後清川(ぶんごきよかわ)駅からも徒歩5分ほどでアクセスできるため、電車移動の方にもおすすめです。

名物は、今が旬の桃。それも、このまちで栽培されているブランド桃で、生産量が少ないことから“幻の桃”と呼ばれる〈クリーンピーチ〉を販売しています。
〈クリーンピーチ〉は、清川町で1980(昭和55)年から栽培が開始されました。当時は全国でも珍しかった「わい化栽培」という、ユスラウメに桃の木を接ぎ木する方法でつくられています。

一般的な桃よりも糖度が高いのが特徴で、良いものだと16〜17度ほどあると言われています。
その驚きの甘さから人気が高く、店頭に並んだ途端に完売してしまうこともあるほど。また、地方発送には対応していないということで、お店を訪れないと買えない貴重さも、よりプレミア度を感じさせます。


〈クリーンピーチ〉は例年6月末から8月中旬にかけて販売されますが、桃を使ったスイーツは1年を通して楽しむことができます。
店長の後藤さんにおすすめの商品を伺ったところ、〈桃のソフトクリーム〉と〈桃のコンポートゼリー〉を挙げてくれました。
また桃以外にも、豊後大野産100%の「発芽金ごま」や、清川町を中心に古くから伝わるマムシの粉末といった名産も並びます。
2. ダム湖を一望できる〈道の駅のつはる〉

JR大分駅から車で40分ほど離れた、国道442号線沿いにある〈道の駅のつはる〉。目の前には「ななせダム」が広がり、豊かな自然とダム湖の雄大な景色を楽しめる道の駅として、人気を集めています。

大分市野津原(のつはる)地区にある国指定重要文化財「後藤家住宅」のかやぶき寄棟(よせむね)づくりの屋根をモチーフにした建物は、ダム側の壁を全面ガラス張りにしたり、テラスに休憩スペースを設けたりと、美しいダム湖の景色を心ゆくまで楽しめるように設計されています。

構内には、地元で採れた野菜や果物が並ぶ直売所や、地元の自慢の逸品を取り揃えた物産コーナー、カフェレストランが入っています。
そのほか、休憩スペースはもちろん、誰でも演奏できるフリーピアノコーナーなどもあります。ピアノで見事な演奏を披露した人には、ソフトクリーム(1本)のプレゼントも行っているとか。

そんな〈道の駅のつはる〉のイチオシは、四季によって変わるフレーバーと、米粉のソフトクリームを合わせたミックスソフトクリーム。
季節ごとに替わる限定ソフトには、野津原の七瀬柿を使った「柿ソフト」や、大分県のオリジナルいちご〈ベリーツ〉を使った「ベリーツソフト」などがラインナップします。

また、鮎をかたどった「のったん焼き」や「自然薯(じねんじょ)コロッケ」も新名物として登場。「のったん焼き」は、つぶあんとカスタードの2種類があり、カリッとしっとりの食感がやみつきになると人気を呼んでいます。
3. 大自然と音楽に包まれる〈道の駅たのうらら〉

県内で26駅目の道の駅となる〈道の駅たのうらら〉が、2024年7月7日にオープン。場所は、〈高崎山自然動物園〉や水族館〈うみたまご〉、田ノ浦ビーチにもほど近い、大分市西部の海岸地区、国道10号線沿いです。
目の前には青い別府湾が広がり、振り返れば緑に覆われた高崎山がそびえる、大自然に包まれたロケーションに、さまざまな見どころを備えた道の駅となっています。

駅長を務める佐藤悠一さんに、〈道の駅たのうらら〉の見どころを伺ったところ、3つのエリアを挙げてくれました。
ひとつは、1972(昭和47)年まで大分市と別府市を結んでいた路面電車「大分交通別大線506号」の車両展示エリア。当時の面影を残した内部に自由に入れるだけでなく、所々に施された仕掛けによって、子どもも大人も楽しむことができるといいます。

ふたつ目は、利用者が自由に弾けるグランドピアノ、通称「誰でもピアノ」が設置された「おとの聴こえる広場」。大分市が西洋音楽発祥の地であることから、音楽をきっかけとした文化交流の場を提供したいという想いで生まれたエリアです。
さらに、「おとの聴こえる広場」の隣には、ピアノなど楽器の演奏の練習ができる「音楽スタジオ」も設けられており、音楽好きや楽器を演奏する人にはうれしい場所になりそうです。

そして、3つ目が大分県内の新鮮な野菜をはじめとする生鮮食品や加工食品、お土産品を取り揃えた物販施設〈たのうら市場〉です。「鮮魚コーナーには、佐伯(さいき)市の蒲江(かまえ)から直送で新鮮なお魚が入ります」と佐藤さん。
もうひとつの物販施設〈芋屋金風(いもやきんぷう)〉では、大分県産の紅はるかを使用した蜜芋けんぴやソフトクリーム、ドリンクなどが味わえます。
4. 佐伯市が誇るブランドブリが味わえる〈道の駅かまえ Buri Laboratory〉

大分県随一の水産都市である佐伯市の港町、蒲江。蒲江港は、ブリやハマチなどの養殖が盛んなことでも知られています。〈道の駅かまえ Buri Laboratory〉があるのは、そんな蒲江湾のすぐそばです。


ここの名物は、豊富で新鮮な海産物を中心とした料理や加工品。魚は、地元漁師の持ち込みや隣接する魚市場で朝一番に仕入れた新鮮なものが並びます。

なかでも、一度は味わってみたいのが〈美人鰤〉。佐伯市の養殖技術と山口県の酒粕でつくり上げるブランドブリで、脂がのっているのにあっさりとしていて、飽きのこない味わいが魅力です。寒ブリの出荷が始まる毎年11月頃から登場します。


併設するレストラン〈海鳴り亭〉でも〈美人鰤〉を使ったメニューを提供しています。そのほかにも、レストランには海鮮丼など新鮮な魚介を使った料理が充実。なかでもイチオシは、地元で養殖されたブリを使った丼や定食、熱めし(りゅうきゅう)です。佐伯を訪れたら、ぜひ食べたい一品です。
5. 名産の梅を使った品々が豊富に揃う〈道の駅 水辺の郷おおやま〉

JR日田駅から車で15分ほどの場所に位置する日田市大山町。ここは、九州有数の梅の産地として知られています。〈道の駅 水辺の郷おおやま〉には、特産品である梅を使った加工品をはじめ、地元の農家さんが育てた野菜やフルーツなどが販売されています。

ファーマーズマーケット(直売所)に並ぶ梅を使った商品は、梅干しをはじめ、梅昆布茶や梅のり、梅を使ったお菓子など。ほかにも、地元の農家さんが手塩にかけて育てた朝採りの梅を、その日のうちに浸け込んで長期熟成を重ねた自社製造の梅酒も取り扱っています。そんな数ある梅商品のなかで、最も人気の高い商品は梅酒梅だそう。

併設するジェラートショップ〈GELATERIA LAB3680 OKUHITA〉では、傷や形、過熟によって出荷に制限がかかった、九州産の果実を中心に使用した“SDGsジェラート”を販売。フレーバーは、福岡県産のいちご、日田市産の梨、大山町産の梅などが揃います。


*価格はすべて税込です。
credit text:柿崎真英