
地元の人なら読めて当たり前?大分県にある地名の難読漢字クイズ【中級編】
観光地の名前として登場するものや、地元では日常的に呼んでいる地名。読み方を知るとうなずける名前もあれば、「どうしてそう読むの?」と不思議になるものまで。歴史や文化、周辺の見どころと一緒に、大分の地名をひもといてみましょう。難易度は中級編です。
第1問

は、なんて読む?
別府湾を望む海辺にある日出町。江戸時代には日出藩の城下町として栄え、豊臣秀吉ゆかりの「日出城(暘谷城・ようこくじょう)」の跡地には、今も野面(のづら)積みの石垣や堀が残り、春には桜の名所として多くの人でにぎわいます。
日出町特産の〈城下(しろした)かれい〉は、清水の湧く海底で育つマコガレイで、白身の透明感と上品な甘みからお殿様御用達の高級魚として献上されていました。
朝日が湾を照らす美しい光景は、「日出」という町名にぴったり。「日の出(ひので)」と読んでしまいそうですが、この町の名前、すぐ読めましたか?
正解は……

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第2問

は、なんて読む?
大分県北部、宇佐市の西側に広がる安心院町。この一帯は寒暖差が大きい盆地で、古くから果物の栽培や農業が盛ん。特にブドウの産地として知られ、旬の時期になると周辺の農園ではブドウ狩りが体験できます。〈安心院葡萄酒工房〉ではブドウ畑の見学や試飲も楽しめ、訪れる人を魅了しています。
また、安心院は農村民泊を全国で初めて取り入れた、グリーンツーリズムの先駆け的存在です。
「安心院」の名前は、かつて植物の葦(あし)が生い茂っていたという説があり、「葦生(あしぶ)の里」という呼び名の地に、中世に宇佐神宮の荘園となっていた「院倉」が置かれたことで「安心院」と表記されるようになったといわれています。
さて、 正解は……

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第3問

は、なんて読む?
大分市南部にある「戸次」は、戦国時代に合戦の舞台となり、江戸時代には商人町として栄えた歴史ある地域です。戸次本町には、江戸時代から戦前にかけて建てられた歴史的建築物が現存し、通りには和菓子の老舗やカフェなどが軒を連ね、往時のにぎわいを伝えています。
なかでも造酒を生業としていた、400年以上続く旧家〈帆足本家〉は、国の登録有形文化財に登録。約2000坪の敷地に、江戸後期から昭和初期にかけて建てられた母屋や土蔵群などの建造物が当時のまま点在。当時の戸次の繁栄を肌で感じることができます。
また、「戸次」という地名は大分にゆかりのある姓としても知られています。演劇ユニット・TEAM NACS(チームナックス)の戸次重幸(とつぎしげゆき)さんは、自身の名字のルーツの地として戸次に足を運んだことも。こうした縁から、町名は全国的にもファンの間で知られる存在になりました。
ですが、大分市の戸次は「とつぎ」とは読みません。みなさんはどう読みましたか?
正解は……

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第4問

は、なんて読む?
大分市と別府市の境目に広がる生石は、市街地から海へとつながるウォーターフロントエリア。海沿いの〈かんたん港園(こうえん)〉は、潮風を感じながらの散歩にぴったり。絵本作家の新井良二さんの作品『マッテルモン』を眺めたり、カフェや花店、雑貨店などをめぐったりと、特に休日は多くの人でにぎわいます。

今年オープンとなったホーバーターミナルおおいた〈HOV.OTA(ホボッタ)〉は、建築家・藤本壮介さんによる設計で、ガラス張りの建物は新しいランドマークとして注目を集めています。海を眺めるだけでなく、建築やアートも楽しめるエリアとして進化を続けています。
この地域はかつて「菡萏(かんたん)」と呼ばれる難読地名でした。現在は「生石」の表記が定着しましたが、今も昔も読み方は一筋縄ではいきません。
さて「生石」の正解は……

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第5問

は、なんて読む?
仏面は、九州の真ん中近く、竹田市荻町の地名。山々に囲まれ、田畑が広がる自然豊かな地域で、周辺には名水百選にも選ばれた大野川の源流である「白水(しらみず)の滝」があります。下流には「陽目(ひなため)渓谷」があり、新緑や紅葉が美しい安らぎのスポットです。
また水のつながりのスポットでは、周辺の田畑に等しく水が分配されるようにと開発された〈音無井路円形分水(おとなしいろえんけいぶんすい)〉は、1934年につくられて以来、今も地域の農業を支えています。
そんな水と緑に恵まれた竹田市荻町にある仏面ですが、周辺を囲む山々が仏の顔のように見えたのでしょうか。穏やかに微笑むような「ほとけめん」と読んでしまいそうですが、正解は……

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第6問

は、なんて読む?
国東半島の豊後高田市にある田染地区は、平安時代から宇佐神宮の荘園「田染荘」として栄え、豊かな水と大地に支えられた田園景観が広がります。1200年前の姿と変わらず今も稲がつくられている「田染荘小崎(おさき)の農村景観」は、国の重要文化的景観に選定され、またユネスコ未来遺産にも登録されています。

水田が美しい時期や、稲が穂を垂れる黄金色の秋など、四季折々の景色を眺めることができます。展望台から見渡す棚田の景色は、江戸時代の景色とほとんど変わっていないそう。
今も生き続けている中世から受け継ぐ田園風景のある「田染」、正解は……

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credit text & photo:牧亜希子