ひまわりが咲き誇る長崎鼻
ニュース&コラム

国東半島はアートの宝庫!?
旅しながら現代アートを巡る | Page 2

Posted 2021.03.30
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アートを巡りながら、国東半島の見どころも

その舞台のひとつとなるのが長崎鼻。周防灘に細長く突き出たような形の岬で、春には菜の花が、夏にはひまわりが咲き誇り、リゾートキャンプ場としても多くの人が訪れる場所です。

長崎鼻の景色
「花とアートの岬」とも呼ばれる長崎鼻。オノ・ヨーコさんの作品『見えないベンチ』も点在しています。

ここに、アーティストの木村崇人さんが、ひまわりをモチーフにした作品を設置。作品の影が“天然のベンチ”となり、そこから景色を眺める体験ができます。季節や時間によって影の位置が違うため、座る位置を変えるたびに、出合う身近な草花や虫などから、生命の営みや循環に思いをめぐらす作品です。

木村崇人さんのひまわりをモチーフにした作品
ちょうどいいところに石や流木があるので、ひまわりの影に合わせて座ってみて。この景色を見てほしいという作家の思いが込められています。

淀川テクニックさんは、多くの観光客が訪れる長崎鼻のイメージから構想し、旅人を運ぶラクダをモチーフにした作品を発表。ラクダのお腹には、作家が国内各地から集めた植物の種が入っており、鑑賞者が持ち帰ったり、持ち寄ったりすることができます。

ラクダをモチーフにした作品
この地域の沿岸に流れ着いたものでつくった、カラフルなラクダが登場。お腹の扉を開けると、植物の種が入ったビンが並んでいます。

また、島袋道浩さんは、国東市の海岸沿いの3か所で作品を展開。国東半島は「瀬戸内や海の向こうの南の国、朝鮮半島や大陸の文化が、海を伝って集まる中心地のようだ」と語る島袋さんが、沖縄や瀬戸内など国東半島と海でつながる場所から持ち寄った石を使った体験型の作品など、海にまつわる4つの作品を設置します。
この3か所を巡りながら、ほかの作品を鑑賞したり、国東半島の名所に立ち寄るのもおすすめ。

『首飾り ー 石を持って山に登る』
祇園山では、さまざまな場所から集められた石が並ぶ作品『首飾り ー 石を持って山に登る』が。ここまでは階段のない参道を登りますが、それも『光る道 ー 階段の無い参道』という作品になっています。(撮影:島袋道浩)
島袋さんの作品『マノセ』
岩山のような小さな島「馬ノ瀬」は、干潮のときだけ道が現れます。『マノセ』は、この景観をそのまま見てほしいという島袋さんの作品。(撮影:島袋道浩)
街灯を使った作品『息吹』
来浦(くのうら)というエリアでは、日没から21時まで、人が息をするように点滅する『息吹』という作品が。(撮影:島袋道浩)

独特の地形と自然が育んだ文化、そこで生まれたアートに触れる旅は、忘れられない体験になりそうです。

Information
国東半島アートマップ
web:国東半島アートマップ

credit text:榎本市子

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