
連載|つづく、つなぐ、大分のなりわい
凹凸の質感にインクのかすれ、
凹凸の質感にインクのかすれ、
手作業でしか生み出せない印刷物。
〈高山活版社〉が考える「これからの印刷」 | Page 2
今はもう製造されていない
貴重な活版印刷機を披露
それでは、実際に活版印刷の作業を行う部屋を見せていただきましょう。展示室の向かいにある「高山活版室」と呼ばれる活版資料室には、ハガキサイズの大きさまで対応した活版印刷機や、膨大な量の活字などが保管されています。


「ここは活字を組んで活字活版を行う部屋になります。活版印刷を復活させた当時にわが社で唯一、活版印刷機を操れる部長は、活字を組むのは見よう見まねでやっていて。活版印刷が全盛の時代には、活字を拾う職人さん、それを組む人、刷る人、切ったり加工したりする人と、いろんな専門職の人が集まって印刷物をつくっていたんですよね」

1階には、大型の活版印刷機のほか、オフセット印刷の機械が並ぶ工場があります。2台ある活版印刷機のうちの1台は、知り合いの印刷会社が規模縮小のため譲ってくれたものだそう。


この工場や展示室は、不定期で開催されている工場見学ツアーやワークショップなどの機会に、一般の方も見ることができます。
「工場見学ツアーでは、手動活版印刷機を使って自分だけの活字カレンダーをつくっていただく時間も設けています。会社を開かれた場所にすることで、これからも多くの人に印刷の魅力を伝えていきたいです」と高山さん。

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