草本利枝の写真作品『Another Water』と宇賀なつみさん
特集|別府ワンダーランド

宇賀なつみが行く、
あなたの知らないアートな別府。 | Page 2

Posted 2021.03.23
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別府の新しいアートホテル〈ガレリア御堂原〉で贅沢体験!

ガリレア御堂原の外観
堀田温泉エリアにそびえ立つ〈ガリレア御堂原〉。大地からせり出した断層崖を表現した力強い建築は、大分を拠点に活躍するDABURA.mが手がけました。

別府のアートを巡る旅の締めくくりは、建築、温泉、食とともにアートを堪能できる新スポット〈ガレリア御堂原(GALLERIA MIDOBARU)〉へ。

2020年12月にオープンしたここは、〈BEPPU PROJECT〉がキュレーションを、大阪を拠点に活動する〈graf〉がクリエイティブディレクションを手がけたアートホテルで、館内には12組の作家がこのホテルのために手がけた作品を展示しています。

『Gravity and Grace -ゆだま-』を鑑賞する宇賀さん
天井に写る光と陰を見ているだけで時間を忘れる『Gravity and Grace -ゆだま-』(2020)。

別府湾を一望できるエントランスロビーに入ると、出迎えてくれるのは大巻伸嗣の巨大な作品『Gravity and Grace -ゆだま-』。時間や光の変化に応じて、見るたびに違う表情を見せてくれます。とくに夜になると、窓ガラスが合わせ鏡のように作用し、無限に光が続いているようにも。

「幻想的で、いつまでも見ていられますね。写真を撮る手が止まりません」(宇賀さん)

島袋道浩の作品『イワオ』と乾杯する宇賀さん
レストランに鎮座する島袋道浩の作品『イワオ』(2020)と乾杯する宇賀さん。ホテル敷地の、地下6メートルから発掘された『イワオ』は推定6万歳。

ホテル内のグリルダイニング〈THE PEAK〉で遅めのランチと早めのシャンパンをいただきます。宇賀さんが選んだのは、盛りだくさんのグリル野菜が乗ったスパイシーで本格的なキーマカレー。

「一緒に食事をした仲だからか、『イワオ』くんにとても愛着が湧きました(笑)。食事は、味はもちろん、食べ応えもあって大満足です」(宇賀さん)

大分アジフライサンドウィッチ
ランチセットのひとつ、大分アジフライサンドウィッチプレート。セットは、すべてサラダとコーヒーがついて2500円(税別)。
迷路のような館内
ガレリアはイタリア語で“回廊”という意味。路地が多い別府のまちを再現した館内は、まるで迷路のよう。歩き回りながらさまざまなアートと出合えます。

〈ガレリア御堂原〉には随所に別府の原風景を思わせる意匠が施されています。たとえば、客室とパブリックスペースを結ぶ回廊のフェンスには別府の人々の暮らしをトレースしているそう。

「それぞれデザインは異なりますが、これは別府の市街地にある、とある民家の窓ガラスの模様が元になっています。また、壁の赤褐色は、別府の地層を表現するため、コンクリートに鉄の粉を混ぜて色合いを再現。外壁の一部では、コンクリートが乾ききらないうちに高圧の水をあてることで、表面を削り、断層の荒々しさを表現しています」と代表の林太一郎さんが教えてくれました。

草本利枝の写真作品『Another Water』の前で記念撮影
別府の地獄や泉源を撮影した、草本利枝の写真作品『Another Water』(2012、2020)の前でパチリ。左手に持っているのが、オリジナルカクテルの〈カンカイジ〉、右が〈チノイケ〉。

館内には、温泉水を吹き付けて腐食させた壁や、温泉にまつわる作品などを展示したバー〈HOT SPRING BAR〉も。16時以降はアルコールを提供しています。もちろん、宇賀さんもオリジナルカクテルをオーダー。

「観海寺温泉のコバルトブルーのお湯をイメージしたフローズンダイキリ〈カンカイジ〉は、かぼすがすっきりした味わいで、初夏の爽やかさを感じさせます。普段こういうお酒を飲む機会がないので、非日常感を味わえる特別なときのカクテルですね。どちらかというと、血の池地獄からインスパイアされた〈チノイケ〉のほうがアルコール感が強いかも。私は〈チノイケ〉が好きかな〜」(宇賀さん)

『Diorama Map
西野壮平の『Diorama Map “Beppu” 別府温泉世界地図』(2020)を見つめる宇賀さん。

「私が一番印象に残ったのは、西野壮平さんの『Diorama Map “Beppu” 別府温泉世界地図』。最初は別府の地図なのかなと思ったのですが、近寄ってよく見てみたら、別府の人たちの生活を切り取った写真によるコラージュ作品でした。地べたに座って髪を洗うおじいちゃんとか、浴槽からお湯を汲んで流している様子とか、観光地とはまた違った地元の温泉の風景を見た気がします」(宇賀さん)

2021年岡本太郎現代芸術賞にノミネートされたこの作品は、2万2千枚もの写真から制作。遠景と近景を撮り分けて密度に変化を出し、絶妙な立体感を出しているところが宇賀さんの心に刺さったようです。

〈ガレリア御堂原〉の客室
〈ガレリア御堂原〉の客室はすべて別府湾ビュー。半露天の温泉も各室についています。写真の壁紙は目[mé]の『Drawing for “Seeing Far from Near”』(2020)。部屋ごとに違う作品を楽しめるのも魅力。
Spot 05
Information
ガレリア御堂原(GALLERIA MIDOBARU)
address:大分県別府市堀田6組
tel:0977-76-5303
access:JR別府駅から車で約15分
web:ガレリア御堂原(GALLERIA MIDOBARU)

旅の終わりに。

「現代アートは難しいですよね。問われているというか、試されている感じがして……」と話していた宇賀さんが、どっぷりとアートにつかった今回の旅。終わってみれば、さまざまな作品やアーティストとの出会いに、驚き、そして喜び、あっという間に時間が過ぎていきました。

物質的なものもあれば、概念的な表現もあり、アートとは奥深く、ひと筋縄にはいかない。それぞれが何を受け取り、何を思ったのか? 次は、あなただけの体験をしに、別府へ出かけてみませんか?

credit text:藤田佳奈美 photo:ただ hair & make:福田綾 styling:近藤和貴子

衣装クレジット 1P:ワンピース14000円(SNIDEL/SNIDEL ルミネ新宿2店)、コート36000円(CELFORD/CELFORD ルミネ新宿1店)、カーディガン55000円(ヴィンス/コロネット)、リング11800円、リング15800円(ともにステラハリウッド)、バッグ187000円(クリスチャンルブタン/クリスチャンルブタン ジャパン)、スニーカー5800円(コンバース/コンバース インフォメーションセンター)。2P:ワンピース74000円(ロキト/アルビニスム)、コート55000円(ランバン オン ブルー/レリアン)、カーディガン55000円(ヴィンス/コロネット)、イヤリング16228円(アビステ)、リング32000円(ステラハリウッド)、バッグ202000円(クリスチャンルブタン/クリスチャンルブタン ジャパン)、ブーツ22000円(ダイアナ/ダイアナ 銀座本店) 
以上、価格はすべて税別。

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