友永パン屋のパンを頬張る宇賀なつみさん
特集|別府ワンダーランド

シブくてかわいいレトロなまち・別府。
宇賀なつみはどう歩く?

Posted 2021.03.30
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「私の旅の必需品は、本。それも仕事や勉強のための本じゃなくて、小説。訪れた土地が舞台になっている小説を読んで、頭の中まで旅にどっぷり浸りたいんです。まちの本屋さんにふらっと寄って探してみようかな」

その土地に縁のある本を読んで、心も体もしっかり旅を味わう。パソコンは閉じる。東京での日々の続きはしない。旅好きなフリーアナウンサー宇賀なつみさんの過ごしかたは、とてもシンプルでした。

宇賀さんが訪れたのは温泉天国・別府。観光産業の最盛期だった1970年代やそれ以前の昭和の名残りを、まちのいたるところで目にすることができます。“別府のレトロ”を探しに、本を持って旅に出ました。

巣ごもりしたい、くつろぎの温泉宿〈山田別荘〉

山田別荘の外観
閑静な住宅街の中にひっそりと佇む、隠れ家的な温泉宿。

緑に囲まれた砂利敷きのお庭を抜けると、昔ながらの日本家屋が見えてきました。今回、宇賀さんが宿泊する温泉旅館〈山田別荘〉です。

山田るみさんと談笑する宇賀さん
擬洋風のしつらえが特徴的な応接間で、女将の山田るみさんと談笑する宇賀さん。

出迎えてくれたのは、明るく快活な女将の山田るみさん。

「先々代である曾祖父の山田英三が、1930年にこの建物を建てました。元々は山田個人の別荘だったんですけど、私の祖母が旅館にしたんです。基本的なつくりは昔のままなので、ノスタルジックな雰囲気を味わっていただけます。雨戸がなくて風が吹くと窓がガタガタ鳴るんですけど、それもまた一興だと思ってもらえれば(笑)。どうぞ、ごゆっくりお過ごしください」と山田さんは話します。

山田別荘の渡り廊下
木のぬくもりを感じる長い渡り廊下。昭和のまま時が止まっているかのよう。

「歩くとギシギシ鳴る廊下や急勾配の階段など、昔遊びに行ったおばあちゃんの家を思い出しました。初めて来たのに、どこか懐かしい感じがする」(宇賀さん)

客室・明礬
宇賀さんが宿泊するのは本館2階の〈明礬(みょうばん)〉。たっぷり日が差し込むお部屋です。

「大型リゾートホテルが多い別府の中で、〈山田別荘〉はこぢんまりとした趣ある宿。時間の流れがゆったり感じられるから、巣ごもりするのにぴったりですね。執筆や読書もはかどりそう」

さっそく読書にふける宇賀さん。ぽかぽかの陽気にこたつで読書は、眠気に誘われそうな予感。リフレッシュするために、露天風呂に向かいます。

露天風呂
まちなかにあるとは思えない開放感ある露天風呂。1組ごとの貸切利用となります。

多彩な泉質と豊富な湯量を誇る別府ですが、〈山田別荘〉の内風呂と露天風呂でも泉質の違いを楽しめます。

「別荘の裏手に泉源(源泉)がひとつ、少し離れたところにもうひとつ別の泉源があるんですよ。内風呂はリュウマチや神経痛によい硫酸塩・炭酸水素塩泉で、柔らかな手ざわりの湯。露天風呂は炭酸水素塩・塩化物泉で、筋肉や関節のこわばりにいいほか、湯上りの肌がしっとりしているのを感じられますよ」(山田さん)

異なる泉質の温泉に交互に入ると、効能をより効果的に取り込めるという“機能温泉浴”を試せるのがうれしいポイントです。

山田別荘の内風呂
レトロなタイル張りの内風呂。職人がひとつひとつ目を揃えて貼った、手の込んだデザインです。
縁側に腰かけた宇賀さん
縁側に腰かけ、つぼみが膨らんだ桜の木をぼんやり眺める宇賀さん。日向ぼっこ中?

「大好きな温泉にも入れたことだし、ちょっと周辺を散策しよう。行ってきます!」(宇賀さん)

Spot 01
Information
山田別荘
address:大分県別府市北浜3-2-18
tel:0977-24-2121
access:JR別府駅から徒歩約8分
web:別府 くつろぎの温泉宿|山田別荘

小さくてかわいい、まちのシンボル〈別府タワー〉

別府タワーの外観
別府タワー内には展望台のほか、レストランやラウンジも。

まちに出かけると、目に飛び込んできたのは〈別府タワー〉。実は〈名古屋テレビ塔〉〈通天閣〉に続き、日本で3番目に建てられた歴史深い高層タワーなんです。

数多くの鉄塔を手がけ、日本で初めて耐震構造を取り入れた建築家、内藤多仲によって設計されました。“塔博士”の異名を持つ彼はのちに東京タワーも手がけています。

「まさにTHEレトロ! 小さいけど、どっしり構えている感じがかわいらしいですよね。まだ定番の別府しか知らないので、これからどんなレトロに出合えるんだろう? わくわくします」(宇賀さん)

Spot 02
Information
別府タワー 展望台
address:大分県別府市北浜3-10-2
tel:0977-21-3944
access:JR別府駅から徒歩約10分
営業時間:9:30〜21:30
定休日:水曜(祝日除く)、大晦日
料金:高校生以上300円、小中学生100円、小学生未満無料
web:別府タワー

別府っ子がこよなく愛する思い出の味がここに。
創業100年以上の〈友永パン屋〉

旅先では食べ歩きを楽しむこともあるという宇賀さん。いつもは串ものを買ってビールを飲むことが多いそうですが……。

友永パン屋の外観
店の外まで行列ができる大人気の老舗〈友永パン屋〉。レトロモダンな看板建築が、かわいらしい。

今回は、大正5(1916)年の創業以来、地元の人たちに愛され続けている、別府の名物店〈友永パン屋〉でおやつタイム。

素朴な見た目のパンが並ぶ
給食に出てきたコッペパンを思い出す、素朴な見た目のふんわりパン。どれもリーズナブルなので、迷ったら大人買いが正解。
注文用の伝票
番号札を持って順番を待ちます。その間に欲しいパンの個数を記入。包装の仕方やパンの温かさも選べます。この仕組みも、なんだか楽しい。

〈友永パン屋〉の看板商品で別府っ子がこよなく愛するあんぱんは、こしあんかつぶあんを選べます。また、人気のバターフランスも、一般的なバターフランスとはまったくの別物なのだとか。

さて、宇賀さんが選んだのは……。

購入したパンを持つ
5分ほどで購入。うれしそうな宇賀さん。ほかほかのパン、さっそくいただきましょう。
パンを頬張る宇賀さん
商店街を歩きながら、ぱくり。

宇賀さんの今日の気分は、バターフランス120円(税込)でした。

「縦長のフォルムでハードなタイプをイメージしていましたが、まんまるでふかふかの生地! 表面に軽くお砂糖がまぶしてあるからザクッとした食感と、溶けたバターが底に溜まって固まったカリッとした食感のハーモニーも楽しくて。芳醇なバターの香りもたまりません。なんだろう、やさしい気持ちになる」と、行列に納得する宇賀さん。

おいしいパンも、新たな食べ歩きのリストに加わったようです。

Spot 03
Information
友永パン屋
address:大分県別府市千代町2-29
tel:0977-23-0969
access:JR別府駅から徒歩約10分
営業時間:8:30~17:30
定休日:日曜・祝日

お酒好きを誘惑するお店が並ぶ、
日本最古の木造アーケード〈竹瓦小路〉

竹瓦小路を散策中の宇賀さん
流川通りと〈竹瓦温泉〉をつなぐアーケード。頭上には別府の伝統工芸品である竹細工のライトが。

別府のレトロを巡る散歩もいよいよ終盤。宇賀さんの大好きなお酒を楽しめるお店へと向かいます。

途中で見つけたのは、1921年に完成した、現存する日本最古の木造アーケード〈竹瓦小路〉。全長約60メートルのアーケードには、味わい深い居酒屋やスナックが並んでおり、一気に昭和へタイムスリップしたかのようでした。


チョロ松の若鶏から揚げ
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