宇佐市院内は「日本一の石橋のまち」!
レトロでユニークな石橋巡り
日本には現存する石造りの橋が約2000基あると言われています。そのうち9割近くが九州に集中しており、なかでも宇佐神宮で有名な大分県宇佐市にある院内町は、江戸時代末期から昭和20年頃までの約100年の間に架けられた石橋が79基、そのうちアーチ橋が65基も残る「日本一の石橋のまち」なのです。
院内に架かる石橋を調べてみると橋の大きさやデザイン、用途も実にさまざま! 今回は院内に現存する79基の橋の中から「これぞ!」というおすすめの橋たちをご紹介。カメラ片手に巡ってみては。
写真映え必至! 美しすぎるアーチ橋たち
まず院内の石橋のアイコン的な存在とされている「鳥居橋」は、すらりと伸びる橋脚の長さと美しさから、別名「石橋の貴婦人」とも呼ばれ親しまれています。
川上側に面した橋脚をよく見ると、船の先端のように先が細くなっています。これは「水切り」とよばれ、川の水流の抵抗を最小限にするために設計されたそう。そのほかにも流れる水量によってそれぞれのアーチ幅を変えていたりと、川とともに暮らしてきた先人たちの工夫がたくさん。
橋の脇には下へ降りる階段があり、真下から橋を眺めることもできます。下から見上げる鳥居橋は上からの優美な姿とは違い、石のひとつひとつが大きく感じられ迫力のある印象でした。
院内でも一、二を争うグッドルッキング橋「御沓橋(みくつばし)」。赤く見える部分は赤い苔が生えていて、どことなくレンガ造りのようにも見え、すこし離れた場所から眺めるとまるでヨーロッパの橋のよう。SNSに写真を投稿したら「海外行ったの?」と思われそう。
2連アーチの「荒瀬橋」は鳥居橋同様に脚が長く、院内では一番高い橋とされています。完成後、橋の利用はしばらく有料とされていたそうで、大分県では有料橋第1号だとか。橋の上から真下の川を見るとその高さを存分に味わえます。手すりが低めなので下を見るときはじゅうぶん気をつけて。
均整のとれた3連アーチが美しい「分寺橋(ぶじばし)」。鳥居橋や荒瀬橋と似たデザインの橋ではありますが、この川は深くないため橋を高くする必要がなく、短い橋脚で、なんだか小さくてかわいい印象を受けました。長崎の眼鏡橋にも近い雰囲気。