建築とアート、由布院の自然を堪能する
1棟貸しの宿〈COMICO ART HOUSE YUFUIN〉
隈研吾建築と現代アート、由布院の自然を一度に楽しめる美術館〈COMICO ART MUSEUM YUFUIN〉。
その開館4周年を記念し、今年10月、美術館の横に一棟貸しの宿〈COMICO ART HOUSE YUFUIN〉が誕生しました。こちらも美術館同様に、由布院の風景に馴染む建物を建築家・隈研吾さんが手がけ、プレミアムな時間をさらに深く堪能できる空間となっています。
由布院の景色と調和する美術館〈COMICO ART MUSEUM YUFUIN〉
美術館があるのは、里山の景色が広がる由布院盆地。
隈さんの「自己主張せず、環境に溶け込む」建築理念に基づき、周囲の風景に馴染むよう、美術館の外壁にはコンクリートでなく、杉板の表面を焼いて耐久性を高めた焼杉を使用。小さな家々が集まるこの地域の景色とシンクロするように、小さな屋根が連なる分棟形式が採用されています。
現在は2022年5月グランドオープンを目指して増築工事の真っ最中。これまでは日本の現代アート界を代表する3人の作家、村上隆、杉本博司、奈良美智の作品を中心に展示していましたが、増築後は取り扱う作家や作品を大幅に増やし、より見応えのあるミュージアムへとパワーアップする予定です。
素材の本質に意識が向かう空間デザイン
誕生したばかりの〈COMICO ART HOUSE YUFUIN〉も、美術館と同様、由布院の景色に溶け込むよう、壁材には焼杉を採用。屋根は建物の高さを低く感じさせるよう軒を深くするなどの工夫がされています。
客室は全2棟。定員4名の2階建てと、定員2名の平屋には、「土」、「竹」という名前が与えられ、それぞれの素材が際立つ、ミニマルな空間に仕上がっています。
各棟の露天風呂から見えるのは、雄大な由布岳の景色
各棟には内湯と露天風呂を完備。
由布院の温泉は、刺激の少ない、やさしい弱アルカリ性の単純温泉です。自律神経不安定症、不眠症等に効果的と言われるこの温泉は、〈COMICO ART MUSEUM YUFUIN〉の頭文字CAMYから、〈カミ(神・上)の湯〉と名づけられました。
また、室内の床には温泉地ならではのうれしい仕掛けも。実は、敷地内の源泉から湧き出る温泉熱を利用した床暖房が敷設されていて、電気ヒーターとは違ったやわらかな温かさで室内を暖めてくれます。
アートと建築、由布院の自然を心ゆくまで堪能する宿
滞在中は最大2回まで無料で美術館へ入館できるので、オープンしたばかりの人の少ない時間帯や、空のグラデーションが美しい夕暮れ時を狙って観賞することも可能です。
アートや建築、そして何より、由布院の自然の美しさを堪能するのに、〈COMICO ART HOUSE YUFUIN〉はこの上ない場所。心を癒し、感性を刺激してくれる空間でのステイは、格別な時間となるはずです。
現在は、プレオープン期間特別料金(〈土〉税込132000円、〈竹〉税込88000円)で宿泊予約を受け付け中。予約受付期間は2021年12月18日まで、宿泊可能期間は2021年12月25日までとなっています。気になる人は早めの予約がおすすめです。
credit text:坂口 ナオ