フルーツ天国・大分!
これが食べ頃カレンダーです!
関あじ・関さば、おおいた和牛にかぼすと、ブランド食材や特産品が数多くある大分県。なかでも、豊かな自然の恵みを受けて育ったフルーツは、四季折々に私たちを楽しませてくれます。
今回は、そんな大分が誇るフルーツの食べ頃がひと目でわかるカレンダーをつくってみました。フルーツ選びが楽しくなる、それぞれの魅力や特徴もご紹介!
●ベリーツ|12月〜3月
甘味と酸味のバランスが絶妙な大分のブランドいちご
〈ベリーツ〉は、8年もの歳月をかけて大分県で品種開発に成功したオリジナルのブランドいちご。水分コントロールなど、きめ細やかな管理のもと育ったいちごは芳醇な香り、そして甘さと酸味の絶妙なバランスが魅力です。
親となる〈とちおとめ〉〈さがほのか〉〈かおり野〉それぞれのすぐれた特徴を受け継いだ〈ベリーツ〉は、つややかで鮮やかな赤色などルックスのよさはもちろん、シーズンを通して高い糖度を持っています。
おいしい時期は12月から翌3月まで。大分市や佐伯市(さいきし)をはじめ、県内全域でハウス栽培されています。大分県では高設栽培(いちごを高さ1メートルほどの位置でつくることで、栽培や収穫をしやすくした栽培方法)により、6月頃まで長期間収穫できるのも特徴です。
●甘太くん|12月〜3月
スイーツのような食感と甘味が自慢のブランドかんしょ
焼き芋にすると、つややかな蜜がにじみ出し、強い甘味とともに、ねっとり&しっとりとした食感が楽しめる〈甘太くん〉。大分県産〈べにはるか〉を収穫後に長期間貯蔵して糖度をアップさせた、大分独自のブランドかんしょ(さつまいも)です。温度と湿度が管理された貯蔵庫で40日以上寝かせた〈べにはるか〉は、でんぷんが糖に変わることで甘さがぐっと増します。
食べ頃は12月〜翌4月。阿蘇山の噴火による火山灰土が広がる臼杵市(うすきし)や、豊後大野市(ぶんごおおのし)の丘陵地帯など、肥沃な土と水はけのよい恵まれた環境で栽培されています。また、種苗には必ずウィルスフリー苗を使用。そうすることで、皮が鮮やかな紅色に色づき、甘さや口あたりも向上するといいます。
●ハウスみかん|6月〜8月
全国に先駆けて出荷。その甘さをいち早く堪能しよう!
大分県のハウスみかんは、ジューシーで甘味たっぷり。ハウス内で温度や水分調整をこまめに管理しながら栽培されるため、房を覆う薄皮がとても薄く、糖度は平均12度前後と甘味がギュッと濃縮しています。全国への出荷前にも、光センサー選果機などを使って、糖度や酸度、色などを厳選。機械と人の目で何重にもチェックされるため、その味わいは折り紙つきです。
全国3位の生産量を誇るハウスみかんは、主に杵築市(きつきし)や国東(くにさき)半島沿岸部、津久見市(つくみし)、佐伯市などで栽培されています。温暖な気候に恵まれた地の利を生かし、冬でもハウス内を春の環境と同じようにすることで、早期出荷を可能に。
県南から県北までの産地リレーによって、4月から9月まで連続して出荷。なかでも、6月〜8月が食べ頃になっています。
●日田すいか|7月〜8月
昼夜の寒暖差とおいしい水が育む甘〜いすいか。
大分県内最大のすいかの産地、日田市(ひたし)でつくられる〈日田すいか〉は、豊かな甘味とシャリシャリとした食感が魅力。昼夜の寒暖差の大きい盆地特有の気候と、周囲の山々から流れ込む豊富な地下水が糖度の高いすいかづくりに適しています。
昭和30年から40年代に行われた、台地を農地へと転用する開発をきっかけに、〈日田すいか〉という銘柄の登録を試みた日田市。
土づくりからこだわると同時に、収穫後は残留農薬検査を定期的に行うなど、品質の向上と安心安全なすいか栽培を心がけています。そんなおいしい〈日田すいか〉の旬は7月〜8月になっています。
●ぶどう|7月〜10月
シャインマスカットなどさまざまな品種を食べ比べ!
県内で多く栽培されていて、近年人気の高い〈シャインマスカット〉をはじめ、種なしの〈デラウェア〉や〈巨峰〉〈ピオーネ〉など複数の品種を栽培する大分県。生食のほか、ワインの原料としても使われるなど、さまざまなかたちで全国に流通しています。
とくに〈シャインマスカット〉の生産に近年力を入れており、糖度や色など厳しい基準をクリアしたものを〈翠玉(すいぎょく)〉のブランドとして出荷しています。
ぶどうの主な産地は、上記の4品種すべてを栽培する宇佐市(うさし)をはじめ、日田市や豊後高田市(ぶんごたかだし)など。なかでも、朝夕の気温差が大きく、深い底霧に包まれる宇佐市の安心院(あじむ)盆地はぶどうの栽培に適しています。
品種によって細かい旬は異なりますが、おおむね7月〜10月が食べ頃。いろんな種類を食べ比べするのもおすすめです。
●梨|7月〜12月
ブランド梨〈豊里〉など品種を変えながら長期間楽しめます!
「日田梨」で知られる大分県。生産地である日田市の寒暖差が激しい気候と、周辺の山々から流れ込む良質な水に恵まれていることから、甘くてジューシーな梨が育ちます。
栽培される品種は、強い甘味が特徴の〈幸水〉、甘味の中に酸味が加わった爽やかな味わいが特徴の〈豊水〉など多数。濃厚な食味が特徴の〈豊里(ほうり)〉は、大分県育成のオリジナル品種です。
食べ頃は、品種を変えながら7月から12月まで続きます。
夏の到来とともに登場する〈幸水〉から〈豊水〉、秋に旬を迎える〈あきづき〉〈新興(しんこう)〉、そして「ホーリーナイト(聖夜)」にちなんで命名された〈豊里〉の順に旬を迎え、品種ごとに異なる食感や味わいを楽しむことができます。
●大分かぼす|周年
生産量は日本一! 県を代表する特産品
クエン酸やビタミンCなど、体にうれしい成分を含むかぼすは、ゆずやすだちなど他の香酸柑橘と比べて甘味が強く、酸味がまろやかで、香り爽やか。
また、ミネラル由来の塩味、苦味、甘味が高いため、焼き魚や肉など素材の味を引き立てる役割も果たします。料理のほかにもスイーツにドリンクにと、どんなものにも合う万能さが魅力です。
江戸時代に臼杵市で始まったとされる〈大分かぼす〉の栽培。現在では同市のほか、竹田市や豊後大野市などで生産されています。
出荷時期は一年中で、3月〜8月にハウス、8月〜9月に露地期の栽培が旬を迎えます。続いて、露地期に収穫したかぼすを貯蔵した「貯蔵かぼす」が10月〜翌2月に出荷。一年中おいしい〈大分かぼす〉を味わうことができるのです。
1年を通して、さまざまな味わいや食感で私たちを楽しませてくれる大分県産のフルーツ。店頭やオンラインで見つけたら、そのおいしさを実際に味わってみてはいかがでしょうか?
credit text:柿崎真英 illustration:村手景子