春にしか見られない絶景! 大分県内の花畑5選
春は、さまざまな植物が芽吹き始める季節。なかでも、花々は色鮮やかな姿で私たちに癒やしや元気を与えてくれます。
今回は、そんな美しい花畑を見ることができるおすすめのスポットをご紹介します。すでに見頃を終えている花もありますが、藤やネモフィラなどの見頃はこれから! この時期にしか見ることのできない絶景を楽しんでみてください。
〈千財農園〉可憐な紫色のカーテンが織りなす絶景
宇佐市(うさし)で茶園と製茶工場、みかん畑を営む〈千財農園(せんざいのうえん)〉。その名物が、約8000平方メートルもの敷地に広がる藤棚です。淡い紫色の花をつける野田長藤(のだながふじ)、真っ白な花が見事な白藤(しらふじ)、薄いピンク色の花を咲かす白紅藤(しろべにふじ)など、全国から集めた藤は約250本にも上ります。
藤園をはじめたきっかけは、新茶を買いに来た人に楽しんでもらおうと、同じ時期に見頃を迎える藤を植えたことから。入口付近では、藤棚から1本だけ長く突き出た「藤タワー」がお出迎え。全国的にも珍しい光景を見ることができます。
例年5月上旬頃に開花のピークを迎える藤ですが、2022年は少し早い4月下旬頃と予想されています。藤棚の下にはベンチが設置されているため、満開の花を腰かけながら見上げて楽しむのもおすすめです。また、5月中旬頃からは約2500本のバラが色鮮やかに咲き誇るバラ園も見頃となります。
〈るるパーク〉に広がるネモフィラの青いじゅうたん
〈大分農業文化公園〉は自然の中で憩え「る」、遊べ「る」、健康になれ「る」など、たくさんの「る」がある公園として、2022年4月1日から〈るるパーク〉という愛称に。東京ドーム約25個分の広さの敷地に、季節のお花や果物狩りを楽しめるガーデン、キャンプ場などさまざまな自然体験ができる施設が充実している入園無料の公園です。杵築市(きつきし)と宇佐市にまたがるダム湖を囲むようにつくられています。
ネモフィラの栽培を開始したのは、2018年のこと。当初50万本ほど植えられていたネモフィラ畑は、2022年には70万本となり、一面ブルーのじゅうたんを生み出しています。
開花のピークは例年4月中旬。また、3月下旬から5月上旬(2022年は3月26日~5月5日)までは〈ネモフィラブルーフェスタ〉を開催しています。ネモフィラを摘んで小さな花束にできる無料体験や、期間限定でその花をイメージしたお菓子も販売。お土産にもおすすめです。
ポピーなど時期を変えてさまざまな花畑が楽しめる〈くじゅう花公園〉
阿蘇国立公園内の久住(くじゅう)高原に位置し、背後にくじゅう連山や阿蘇五岳といった美しい山並みを望む〈くじゅう花公園〉。約22万平方メートルの敷地には、春から秋にかけて約500種、500万本の花々が咲き競います。
なかでも、春は例年4月からチューリップやビオラ、5月からポピーやリビングストンデージーなど多くの花畑が時期を変えて開花のシーズンを迎えます。
例年5月上旬から中旬にかけて見頃となるポピー。赤やオレンジ、黄色など、色とりどりの花が一斉に咲き誇る様子は、まるで夢のような光景です。〈くじゅう花公園〉のホームページでは、開花情報ページやスタッフのブログからリアルタイムで花の咲き始めやピークなどをチェックすることもできますよ。
南アフリカのケープ地方が原産地となるリビングストンデージーは、赤やピンクなど豊富な色合いが特徴。まばゆい色合いの花々が花畑エリアを彩ります。植えられている数は、実に20万本。こちらもポピーと同様、例年5月上旬から中旬にかけて見頃となります。
“東洋のナイアガラ”のそばで咲き誇る〈道の駅 原尻の滝〉のチューリップ畑
幅120メートル、高さ20メートルを誇る原尻(はらじり)の滝は、“東洋のナイアガラ”の異名を持ち、日本の滝百選にも選ばれている、豊後大野市(ぶんごおおのし)の観光名所のひとつ。そのすぐそばにある〈道の駅 原尻の滝〉では、新鮮な農産物をはじめとする地元の特産品や、個性豊かなオリジナル料理などを販売・提供しています。
そんな道の駅では、4月になるとチューリップ畑の景色を楽しむことができます。スタッフやボランティアの方々がひとつひとつ手作業で植えたという35万本のチューリップが咲き誇る光景は圧巻です。
毎年4月上旬から中旬には〈チューリップフェスタ〉も開催されています(2022年の開催は終了)。2022年で開催30周年を迎えたこのフェスタでは、130種類の中から好きなチューリップを球根ごと持ち帰れるサービス(1本100円)も行っており、毎年人気を集めているそうです。
周防灘を見晴らす岬に春の訪れを告げる〈長崎鼻〉の菜の花
国東半島(くにさきはんとう)の先端に位置する岬〈長崎鼻(ながさきばな)〉は、キャンプや海水浴、アートなどが楽しめるレジャースポット。大自然を五感で楽しめる場所として、県内外から多くの観光客が訪れます。
なかでも、2200万本以上が植えられている菜の花畑は九州最大級。周防灘(すおうなだ)を臨む段々畑から幹線道路脇まで続く花公園の広さは、約16万平方メートルにも及びます。菜の花は例年3月頃から咲き始め、その後1か月ほど見頃が続きます。また、開花時期に合わせて開催される〈菜の花フェスタ〉では、キーワードラリーやコンサート、フォトコンテストなどが実施されています(2022年の開催は終了)。
シーズンを過ぎた菜の花は、食用油脂に生まれ変わり再活用されます。有機農法で栽培された菜の花を伝統的な圧搾法で絞り出してつくられる菜の花油は、長崎鼻にあるレストランの売店で販売されているほか、オンラインでも購入することができます。
credit text:柿崎真英