別府市はあつ湯の宝庫!
一度は挑戦してみたい熱めの温泉3選
日本一の源泉数と湯量を誇る別府。このまちの温泉の特徴は、50℃近い源泉温度と、日本に10種ある泉質のうち7種(単純温泉・塩化物泉・炭酸水素塩泉・硫酸塩泉・含鉄泉・硫黄泉・酸性泉)を有する泉質の豊富さです。
「湯は熱め」を好む地元の人々も通う共同浴場(公衆浴場)を中心に、43~45℃前後の熱めの湯を楽しめる温泉が数多くあります。そこで、今回は別府市内で熱めの温泉が楽しめる共同浴場をいくつかご紹介します。
ぬる湯でも40℃超! 別府駅から一番近い市営温泉〈不老泉〉
JR別府駅から徒歩5分ほどの場所にある〈不老泉〉は、明治時代から続く歴史ある温泉です。観光客の増加に伴い、明治・大正・昭和の改築を経て、2014年にバリアフリーの建物にリニューアルされました。
浴槽は市営温泉のなかでもっとも広いサイズを誇り、あつ湯とぬる湯の2槽が設けられていますが、ぬる湯でも40℃を超えるため注意が必要です。泉質は、肌触りが柔らかく、肌への刺激が少ない単純温泉。浴場にはシャワーがひとつしかないため、周りの人と譲り合って使用してください。
上質な塩化物泉の湯を無料で堪能できる〈熱の湯〉
別府八湯のひとつに数えられる鉄輪(かんなわ)温泉。その一角にあるのが〈熱(ねつ)の湯〉です。その歴史は古く、鎌倉時代まで遡ります。当時、鉄輪には“くべり湯(くすぶる湯)”と呼ばれ、人々を悩ませる“荒地獄”がありました。布教のため訪れた一遍上人が、仏教のあらゆる経典をひとつの石に一文字ずつ書写して投げ込むことで地獄を鎮め、鉄輪大温泉をつくったという伝説が残っています。その温泉郷のなかに〈熱の湯〉があったと言われているのです。
この温泉の一番の特徴は、別府に19か所ある(休業中も含む)現在営業中の市営温泉のなかでも数少ない入浴料が無料なこと。上質なナトリウム-塩化物泉のあつ湯を無料で楽しめるとあって、地元の人や観光客など多くの人に愛されています。浴場にはシャワーの設置はないため、体を洗ったり、かけ湯をしたりする際は浴槽の湯を使用します。
日本で唯一! 競輪場の敷地内で温泉を楽しめる〈競輪温泉〉
別府市街地からバスで15分ほどの場所にある〈別府競輪場〉。日本を代表する温泉郷・別府には、競輪場にも温泉があるのです! 駐車場の敷地に佇む、淡い緑色の屋根の建物が〈競輪温泉〉。こちらも市営温泉のため、入浴だけの利用も可能です。
こちらの泉質は単純温泉で、源泉温度は70.4℃。さすがに地元の人もそのままでは浸かれない熱さですが、温度は自身で調整できるので、あつ湯好きにはたまらない温泉と言えるでしょう(ほかに利用客がいる場合は、ひと声かけて温度を調節するようにしましょう)。また、こちらにもシャワーの設置はないため、ご注意を。
*価格はすべて税込みです
credit text:柿崎真英