一度は行っておきたい大分県内の桜の名所5選
待ちに待った桜の季節。2023年は、数年ぶりに飲食を伴うお花見を解禁するスポットが全国的に増え、コロナ前のような光景が再び戻ってきそうです。大分県内各地にある桜の名所も、たくさんの人で賑わうことでしょう。そこで今回は、お花見スポット選びの参考になるような、大分県を代表する桜の名所を紹介します。
竹田市の秘境にできた桜の新名所〈長湯温泉 しだれ桜の里〉
2022年3月、くじゅう連山の麓にある竹田市直入町にオープンした〈長湯温泉 しだれ桜の里〉。大分市在住の元会社役員・安部博進さんの「いつか自分でしだれ桜の公園をつくりたい」という想いをきっかけに、山関係の仕事をしていた安藤光雄さんの協力を得ながら、土地の整備から桜の植樹まで、15年の月日を経て完成した手づくりの公園です。
東京ドームおよそ2個分の敷地内には、大漁桜(たいりょうざくら)やコマツオトメなど6種類、約2600本の桜が咲き乱れます。そのうち約300本を占める八重紅しだれ桜の規模は西日本随一。
見頃は例年3月下旬~4月上旬頃ですが、桜は種類によって開花時期が異なり、早咲きの大漁桜は3月中旬に開花予定となっています。また、園内には桜のほかスイセンや菜の花なども植えられており、美しい花々の競演も楽しめます。
大分市民の憩いの場でのんびりお花見〈平和市民公園〉
大分駅から車で10分ほどの場所にある〈平和市民公園〉。総合公園として運営されており、園内には和風庭園や能楽堂、大分市の友好都市や姉妹都市にちなんだ建築物など、さまざまな施設があります。
なかでも、春になると多くの人が集まるのが裏川沿いの桜並木です。別府湾へと続く川の両岸には、ソメイヨシノや八重桜など約800本の桜が植えられています。
見頃は例年3月下旬~4月上旬頃。2023年3月21日から5月7日までは、園内で〈おおいた人とみどりふれあいいち〉が開催されます。緑と花をテーマにしたイベントで、期間中は花苗や盆栽、果樹苗木などの販売、草花の種の無料配布などが行われます。
音楽家・瀧廉太郎も愛した竹田市の「岡城跡」の春の景色
標高325メートルの高さにそびえ立つ「難攻不落の石垣」。豊臣秀吉の命で、この地に入った岡藩初代藩主・中川秀成(なかがわひでしげ)によって、岡城は1185(文治元年)に築城されました。その後、1874(明治7)年に取り壊されるまで、豊薩合戦(ほうさつかっせん)の舞台となるなど長い歴史を歩んだ名城です。
城内にはソメイヨシノをはじめ、山桜や牡丹桜など約450本の桜の木があり、石垣と美しいコントラストを描き出します。その美しさは〈日本さくら名所100選〉に選定されるほど。
見頃は例年3月下旬から4月上旬頃までで、2023年4月2日には〈岡城桜まつり〉が開催。岡城跡を起点に城下町へと向かう大名行列が祭りの目玉となっています。
桜と菜の花の絶景コラボ! 由布院・大分川沿いの桜並木
由布院の中心部を流れる大分川。その川沿いに伸びる〈ゆふいん自然遊歩道〉は、春になると桜色に彩られます。川のほとりには菜の花が一面に咲き誇り、黄色とピンクのコントラストを演出。見上げれば由布岳が雄大にそびえ立つこの一帯は、絶好の撮影スポットと言えるでしょう。
また、タイミングがよければ、由布院駅と南由布駅をつなぐ線路を、緑の車体が美しい特急〈ゆふいんの森〉が駆け抜けるシャッターチャンスにも遭遇できます。なお、桜の見頃は例年4月上旬頃となっています。
谷底に“桜の雲海”が広がる大分市の〈不動尊一心寺〉
山に囲まれた谷底に位置する〈不動尊一心寺〉。毎年春になると、およそ6万6000平方メートルもの広大な境内を埋め尽くすように咲き誇る、八重桜が見ものです。その品種は、関山(かんざん)や一葉(いちよう)といった代表的なものから緑や黄色の花をつける珍しいものまで、実に15種類以上。
境内の上方から見下ろせば、濃淡のグラデーションを鑑賞することも。この圧巻の眺めは、“桜の雲海”と称されます。見頃は例年4月上旬~中旬頃。2023年4月6日~17日の期間は〈一心寺ぼたん桜雲海祭り〉が開催され、住職が手づくりする桜もちが限定販売されます。
credit text:柿崎真英