Otto e Sette Oitaのパスタ
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文化を味わう美食の旅へ出かけよう。「大分サステナブルガストロノミー」

Posted 2023.11.29
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古来より“豊の国”と呼ばれる大分県。2021年に「ユネスコ食文化創造都市」に認定された臼杵市をはじめ、別府市の日本一の温泉を活用した調理法など、各地でその豊かな食文化が現在に受け継がれています。

時代の移り変わりに合わせて変化し続ける、大分の食文化を未来へつなげていくことを目指し、サステナブルな動きを取り入れるレストランも増えています。そんな食への取り組みに関わる人々やお店に着目したのが「大分サステナブルガストロノミー」です。

この記事で紹介するお店をはじめ、大分の食を支える人々の工夫や知恵、そして土地の風土や歴史が凝縮された料理を味わう旅に出かけてみませんか?

由布院でしか食べられない“由布院の料理”を追求する〈ゆふいん 山椒郎〉

ゆふいん 山椒郎の春のサラダ
素材ごとに異なる調理法を用いて、それぞれの味の輪郭を際立たせた〈春のサラダ〉。※料理は取材当時のもの

「三里四方の食によれば病知らず」。この言葉を教えてくれたのは、〈ゆふいん 山椒郎(さんしょうろう)〉代表の新江憲一さん。先人たちは三里以内で手に入るもの、つまり地域で採れた旬の食材を食べていれば、健康でいられると考えていたそうです。

2013年にこの店をオープンして以来、新江さんは自然環境への配慮や食文化の継承・発展にもつながるようなこの考えをもとに、由布院でしか食べられない“由布院の料理”を追求し続けています。

代表の新江憲一さん
由布院の景色に惚れ込み、この地にお店を出すことを決めたと話す新江さん。
昆布締め
春の食材の走り・旬・名残を織り交ぜた昆布締め。※料理は取材当時のもの

その土地の料理を食べるということは、その文化や風土を知るということ。食と深く向き合うひとときが、味わう人の感性や心までをも豊かにします。このお店で過ごす時間は、食文化の体験そのものといえるでしょう。

Information
ゆふいん 山椒郎
address:大分県由布市湯布院町川上2850-5
tel:050-5487-7769
access:JR由布院駅から徒歩約10分
営業時間:11:00~14:00L.O.、18:00~21:00 L.O.
定休日:火・水曜(不定休あり)
web:ゆふいん 山椒郎 公式ホームページ

伝統と革新をかけ合わせた新たな食文化を提供〈Otto e Sette Oita〉

Otto e Sette Oitaの肉料理
季節の野菜のソースを添えた豚肉。お肉だけでなく、ソースに使用する野菜も地獄蒸しで調理しています。

国内随一の温泉観光地・別府市の、湯けむりたなびく鉄輪(かんなわ)の温泉街に店を構える〈Otto e Sette Oita(オット エ セッテ オオイタ)〉。できるだけ大分県の食材だけを使うことにこだわり、温泉の蒸気を活用した調理法「地獄蒸し」や、温泉水を駆使した料理を提供する創作イタリアンレストランです。

オーナーシェフの梯哲哉さん
オーナーシェフの梯(かけはし)哲哉さんは、30歳で大分県に移住し、2012年にこの店をオープン。
パスタ
温泉水でパスタをゆでることで、温泉に含まれる豊富なミネラルが食塩に代わる役割を果たし、減塩にもつながります。

オーナーシェフの梯哲哉さんは、地獄蒸し釜の温度や圧力、蒸気の量を微調整しながら、食材との無限の組み合わせを試行し、自分の舌で確かめながらメニューを考案。

5時間かけてほろほろに蒸し上げられた豚肉や、温泉水でゆでるパスタなど、大分県の豊かな食材と、大地の恵みである温泉の力を最大限に活用した、鉄輪にしかない伝統と革新をかけ合わせた新しい食文化を体験できます。

Information
Otto e Sette Oita
address:大分県別府市井田2組
tel:0977-66-4411
access:JR別府駅から車で約15分
営業時間:12:00~14:00L.O.、18:00~21:00 L.O.
定休日:火・水曜
web:Otto e Sette Oita 公式ホームページ

大分の食材をフレンチの技術で昇華。家庭的なおもてなしも魅力〈TOMO Clover〉

TOMO Cloverの前菜
旬のアスパラを主役に、津久見のモイカや久住高原の卵を合わせてつくられた前菜。※料理は取材当時のもの

大分市に店を構えるフレンチレストラン〈TOMO Clover(トモクローバー)〉。海の幸や山の幸、そして卵などに至るまで、県内各地で生産された食材をふんだんに使ったコース料理が味わえると、幅広い層から人気を集めています。

「大分県は自然が豊か。そのなかで、生産者も料理人も自分のつくるものに真剣に向き合い、刺激し合っているんです。道の駅や直売所も品揃えが豊富で、料理人としてはテンションが上がりますね」と、オーナーシェフの大久保智尚さん。

オーナーシェフの大久保智尚さん
大久保さんの技術で、ここでしか食べられない“メイド・イン・大分”のフランス料理ができ上がります。
TOMO Clover内観
心地のよいおもてなしで、高級感漂う印象のフレンチレストランも、肩ひじ張らずに利用できるように。

このお店では、来店回数や年代性別にかかわらず、お客様にとって心地よい、家庭的なおもてなしを提供することを信条としています。なかには、ベビーカーで来店する利用客もおり、リクエストがあれば子ども用のメニューを用意することもできるとか。誰にとっても温かい、特別な時間と場所がここにはあります。

Information
TOMO Clover
address:大分県大分市府内町1-4-22 おかべ12ビル102
tel:097-578-8089
access:JR大分駅から徒歩約7分
営業時間:12:00~13:30L.O.、18:00~20:30 L.O.
定休日:水曜
web:TOMO Clover 公式ホームページ

竹田の自然を料理で表現する〈アトリエ ドゥ シャンピ〉

アトリエ ドゥ シャンピのジビエ料理
ジビエと野菜は同じ山で育ったものを使用するという、シェフのこだわりが詰まった一皿。

四方を山に囲まれた、自然豊かな竹田市の中心部にある〈アトリエ ドゥ シャンピ〉。このお店では、地元で採れた新鮮な野菜やジビエを使った創作料理を味わうことができます。

「いつも手に入るわけではないけれど、燃料まで地元のものを使っているんですよ」と、オーナーシェフの松竹祐介さんは話します。この日に使用していた薪は、松竹さんが自ら地元の農園でせん定してきたブドウの枝なのだそう。

オーナーシェフの松竹祐介さん
「ジビエは山のものを食べて育っています。そのお肉と同じ山で育った食材は、相性がいいに決まっていますよね」と松竹さん。
アトリエ ドゥ シャンピ内観
お席は対面で座る席やカウンター式のテーブル席、個室などシーンごとに選べます。

燃料から地産地消に取り組む松竹さんは、地元産のジビエと野菜を組み合わせ、まるで竹田の自然が凝縮されているかのような料理を提供しています。

Information
アトリエ ドゥ シャンピ
address:大分県竹田市竹田町416
tel:0974-63-1553
access:JR豊後竹田駅から徒歩約14分
営業時間:11:30~13:30L.O.、18:00~19:30 L.O.
定休日:不定休
Instagram:@atelierdechampi (@ bistro_champi)

※この記事は、大分サステナブル・ガストロノミー推進協議会監修のガイドブック『文化を味わう美食旅』を再編集したものです。

credit text:柿崎真英

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