ラムネ温泉館の看板
ニュース&コラム

日本一かわいい温泉が竹田市にあった!
〈ラムネ温泉館〉

Posted 2021.02.08
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まるでおとぎ話のおうちのような建築

豊後竹田駅から車で約20分。クネクネとカーブの多い山間の道を直入町方面へと抜けていくと、長湯温泉の集落が見えてきます。ここは世界でも珍しい高濃度の炭酸泉が楽しめる温泉エリア。

なかでも、芹川沿いに立ち寄り湯を構える〈ラムネ温泉館〉は、建築史家・建築家の藤森照信さんの手がける建物や、イラストレーターでありエッセイストの南伸坊さんによるユルユルのキャラクターが、とってもかわいいと評判の温泉施設です。

オリジナル灯ろう
フロントのある建物に吊り下げられたオリジナル灯ろう。このキャラクターロゴのデザインを南伸坊さんが手がけています。

藤森さんと南さんの共通点といえば、赤瀬川原平氏を中心とする「路上観察学会」の一員であるということ。そのおふたりがなぜこのラムネ温泉館を手がけたのか?

藤森照信さんによるデザインスケッチと間取り図
藤森照信さん直筆のラムネ温泉館のデザインスケッチと間取り図。

2005年のオープンから館長を務める首藤匡輔さんによると、もともとはここで炭酸泉の温泉小屋を営んでいた匡輔さんの父、首藤勝次さん(なんと現・竹田市長!)が、以前から親交のあった赤瀬川隼氏と原平氏を通じて、ラムネ温泉館の建築やデザインを藤森さんと南さんに依頼したのだそう。

ラムネ温泉館の外観
奥が大浴場の棟。左右に男湯と女湯の入口があります。右側の棟には3つの家族風呂がまるで長屋のように連っています。看板猫ものんびりお出迎え。

藤森さんによってデザインされた施設は、焼杉板と漆喰を組み合わせてできた白黒ストライプの壁と松の木がそびえ立つ銅板の三角屋根が、まるでおとぎ話に登場するおうちのような佇まい。

施設は、フロントと美術館が一緒になった棟、大浴場の棟、家族風呂の棟の3つの建物で構成されています。

屋根のてっぺんにある松の木
銅板屋根のてっぺんにそびえるシンボリックな松の木は「日本の祝いの象徴」として植えられました。

すぐ側にある芹川のせせらぎの音や野鳥の声とともに中庭から建物全体を眺めていると、屋根の脇にある通気口からはもくもくと立ち上がる温泉の白い湯気が。このシチュエーションと情景だけでも癒やし効果は抜群。温泉上がりにこの景色を楽しむのもおすすめです。


プチプチの泡が弾ける温泉
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