![ごぼまんを手にする〈戸次ごんぼの会〉メンバーのみなさん](https://libs.edit.pref.oita.jp/wp/wp-content/uploads/2024/04/26120107/news-columns-goboman-ec-1080x540.jpg)
地域の食文化を守る〈戸次ごんぼの会〉。
戸次で20年親しまれる名物の「ごぼまん」って?
大分市の南に位置する、戸次(へつぎ)地区は、大野川がもたらした、ミネラルたっぷりの肥沃な土が堆積していることから、古くから農業が盛んな地域として知られています。
なかでも「戸次ごぼう」は、まっすぐで、やわらかく、風味豊かな味わいで、大分県のみならず、福岡や関西にも出荷され、県内外でも注目されている名産品です。
![皮を剥いたたくさんの戸次ごぼう](https://libs.edit.pref.oita.jp/wp/wp-content/uploads/2024/04/26120111/news-columns-goboman-photo1.jpg)
戸次を拠点に地域貢献を。名物「ごぼまん」とは?
そんな戸次ごぼうを多くの人に知ってもらおうと、2005年に誕生したのが、名物「ごぼまん」。その特徴は、ふんわりとした皮に包まれたごぼう餡。甘辛く味付けされたごぼうや人参、そして鶏肉が三位一体になった、ほっとする味わいです。
![半分に割った「ごぼまん」](https://libs.edit.pref.oita.jp/wp/wp-content/uploads/2024/04/26120113/news-columns-goboman-photo2.jpg)
小さな販売所から少量生産で始まった「ごぼまん」ですが、そのおいしさはじわじわと噂になり、今では大分市内のスーパーや川の駅、通信販売でも希望者が絶えない人気商品になりました。
![〈戸次ごんぼの会〉販売所の看板](https://libs.edit.pref.oita.jp/wp/wp-content/uploads/2024/04/26120115/news-columns-goboman-photo3.jpg)
戸次を代表する名産品となった「ごぼまん」を手づくりしているのは〈戸次ごんぼの会〉。“ごんぼ”とは、戸次地区で呼ばれるごぼうの方言で、親しみを込めて名づけられたそう。地元の女性たちが集まり、2005年に結成されました。
![ごぼまんを手にする〈戸次ごんぼの会〉のメンバー7人](https://libs.edit.pref.oita.jp/wp/wp-content/uploads/2024/04/26120117/news-columns-goboman-photo4.jpg)
「ごぼまん」誕生の背景について、教えてくれたのは、代表の金子ひとみさん。
「昔は、この一帯に多くのごぼう農家があったのですが、高齢化や住む人の減少などで少なくなってしまいました。それでも、戸次ごぼうは地域の大事な財産です。戸次のおいしいごぼうを広めるためには、どうしたらいいかと考えた結果、『ごぼまん』を思いついたのです」
![製造工程をチェックする金子ひとみさん](https://libs.edit.pref.oita.jp/wp/wp-content/uploads/2024/04/26120118/news-columns-goboman-photo5.jpg)
金子さんをはじめ、〈戸次ごんぼの会〉の思いは着実に広まっており、取材時にも「朝ごはんは、『ごぼまん』と決めているの」と、1か月分まとめ買いをするお客さんが訪れるなど、地域でも親しまれてきた名物でもあります。
![個別に包装されたごぼまん](https://libs.edit.pref.oita.jp/wp/wp-content/uploads/2024/04/26120120/news-columns-goboman-photo6.jpg)
また、商品が売れることで「ごぼう農家さんや、地域の農業にも同時に貢献することができているのが、うれしい」と金子さんは話します。
手包みで丹精を込めて。戸次ごぼうの魅力を届ける
![メンバーが談笑しながらごぼまんを包んでいる](https://libs.edit.pref.oita.jp/wp/wp-content/uploads/2024/04/26120122/news-columns-goboman-photo7.jpg)
調理場にお邪魔すると、テキパキと作業しながらも「ここに来て、おしゃべりするのが楽しみなのよ」と和やかに談笑する〈戸次ごんぼの会〉のみなさん。年に一度、みんなで旅行に行くのも楽しみのひとつだとか。
![生地を丸める作業中の手元](https://libs.edit.pref.oita.jp/wp/wp-content/uploads/2024/04/26120124/news-columns-goboman-photo8.jpg)
餡は戸次ごぼう、人参、鶏肉を、地元で醸造したしょうゆと酒、ぴりっと効いた唐辛子で味付けして、40分以上かけて炒めていきます。
![大きな鉄鍋で餡の材料を炒めている](https://libs.edit.pref.oita.jp/wp/wp-content/uploads/2024/04/26120126/news-columns-goboman-photo9.jpg)
![完成した餡](https://libs.edit.pref.oita.jp/wp/wp-content/uploads/2024/04/26120128/news-columns-goboman-photo10.jpg)
![丸められた生地がきれいに並んでいる](https://libs.edit.pref.oita.jp/wp/wp-content/uploads/2024/04/26120129/news-columns-goboman-photo11.jpg)
形成したまんじゅうは、専用の蒸し器を使ってふっくらと蒸します。気温によって膨らみ方が変わるため、夏と冬では二次発酵の時間を変えるなど、つくり方にもこだわっています。
![発酵器に入れる](https://libs.edit.pref.oita.jp/wp/wp-content/uploads/2024/04/26120131/news-columns-goboman-photo12.jpg)
抜群のチームワークで作業を行うみなさん。持ち場は決めず、あうんの呼吸でフォローし合いながら「ごぼまん」を仕上げていきます。
![平らにした生地に餡をのせた状態](https://libs.edit.pref.oita.jp/wp/wp-content/uploads/2024/04/26120133/news-columns-goboman-photo13.jpg)
![蒸し上げの様子](https://libs.edit.pref.oita.jp/wp/wp-content/uploads/2024/04/26120134/news-columns-goboman-photo14.jpg)
蒸したての「ごぼまん」を取り出したら、乾燥しないように「もろぶた」と呼ばれる専用の箱に並べていきます。
![もろぶたに並べられたごぼまん](https://libs.edit.pref.oita.jp/wp/wp-content/uploads/2024/04/26120136/news-columns-goboman-photo15.jpg)
![蒸し上がったごぼまんを手にしている](https://libs.edit.pref.oita.jp/wp/wp-content/uploads/2024/04/26120138/news-columns-goboman-photo16.jpg)
加工所兼店舗での〈ごぼまん〉の販売日は週末のみ。大量生産はできませんが、「地元のお客さんの声を大切にしている」という金子さん。
「ごぼまん」が知られるようになると、「揚げてみてはどうか?」「甘いのはないのかね?」などと、さまざまな声が聞かれるようになったといいます。その声をかたちにするべく、商品開発にも挑戦している〈戸次ごんぼの会〉。揚げごぼまん、ワッフル、あんまんなど……「ごぼまん」をきっかけに誕生し、地元の人から親しまれる商品はほかにも。
![包装された「だいなんワッフル」](https://libs.edit.pref.oita.jp/wp/wp-content/uploads/2024/04/26120139/news-columns-goboman-photo17.jpg)
![「だいなんワッフル」を焼く様子](https://libs.edit.pref.oita.jp/wp/wp-content/uploads/2024/04/26120141/news-columns-goboman-photo18.jpg)
![パッケージングされた「パリパリごんぼ」](https://libs.edit.pref.oita.jp/wp/wp-content/uploads/2024/04/26120143/news-columns-goboman-photo19.jpg)
戸次ごぼうを活用して、地域の農業と食文化を守り続ける〈戸次ごんぼの会〉。「ごぼまん」は店頭や大分市内での販売のほかに、冷凍にて全国発送が可能です。県内でのイベントや店舗への出店、販売スケジュールなどは、公式ホームページやインスタグラムを要チェック。
ひとつひとつ丹精込めてつくられる「ごぼまん」はもちろんのこと、〈戸次ごんぼの会〉から生まれた新名物にも注目。まもなく旬を迎えるこれからの時期に、ぜひ一度味わってみては?
![2つのもろぶたにきれいに並べられた、出来立てのごぼまん](https://libs.edit.pref.oita.jp/wp/wp-content/uploads/2024/04/26120144/news-columns-goboman-photo20.jpg)
*価格はすべて税込です。
credit text:大西マリコ photo:黒川ひろみ