ハイクオリティすぎる
大分のご当地チキン
旅の醍醐味のひとつに、ご当地グルメがあります。その土地の食文化を反映した、美味なる一品はわざわざ足を運んででも味わう価値あり。
大分県でいえば、エリアごとに異なる鶏料理がオススメです。実は、大分は全国でも有数の鶏肉の消費量を誇り、昨年ニチレイフーズが実施した「全国から揚げ調査2020」によると、からあげを1か月間に食べる個数のランキングで堂々の1位を獲得しています。
宇佐・中津に代表されるからあげから、別府のとり天、由布院の地鶏の炭火焼き、吉野の鶏めしまで、大分ならではのご当地チキンを思う存分味わいましょう!
からあげの聖地・中津で、鶏むね肉のおいしさに開眼
〈からあげの鳥しん〉
数多くのからあげ専門店が軒を連ね、“からあげの聖地”として知られる中津。今や、中津からあげは、全国でも有数のブランドグルメと言えます。
中津からあげは、醬油や塩、ニンニク、ショウガなどを使ったタレで鶏肉にしっかりと下味をつけるのが特徴。店ごとにタレは異なり、それが各店の個性となっています。なかでも人気が高いのが、日本唐揚協会が毎年実施する〈からあげグランプリ〉の常連である〈からあげの鳥しん〉です。
「からあげ好きが高じて、専門店を始めたんです」と話す店主・角信一さんがお店を開いたのは、2002年のこと。当初は、人気が出ずに閉店を考えたこともあったそうですが、理想のからあげを追求して味の改良を重ねるうちに、地元でも有数の人気店に。
〈からあげの鳥しん〉のからあげの魅力は、飽きることのないそのシンプルな味わいにあります。自家製の醬油ダレを揉み込んだ九州産の若鶏を一昼夜寝かせて味を染みこませた後に、片栗粉の薄衣をまとわせて揚げることで、アツアツはもちろん、冷めてもおいしく味わえるよう工夫。1個、2個と食べ進めるうちに、よりおいしく感じるようになるから不思議です。
「ぜひ食べてほしいのは、むね肉。一般的にはパサパサしているというイメージが強いと思いますが、うちは加熱しすぎないよう揚げ時間を調整して、最後は予熱で火が入るようにしているので、しっとりしていますよ」と角さん。確かに、噛むとやわらかく、淡泊な中にも旨みがギュッと詰まっています。
「もしも、からあげが残ってしまったら、味噌汁に入れるのがオススメです。冷たくなったからあげが温まってジューシーになるし、旨みとコクが汁に溶け出すから一石二鳥。中津では一般的な食べ方なんですよ」