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ハイクオリティすぎる
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大分のご当地チキン | Page 5
全国で長年愛される、吉野原のおふくろの味〈吉野鶏めし〉
見るだけで幸せな気分になる、ふっくらツヤツヤのおにぎり。口いっぱいに頬張ると、どこか懐かしい味がします。甘塩っぱいご飯の中に隠れているのは、鶏肉のコクと旨み。ふわっと鼻に抜けるごぼうの香りもいい仕事をしています。
おにぎりにしているのは、大分県の中南部に位置する大分市吉野地区に古くから伝わる鶏めし。かつては客人をもてなすためのごちそうとして、また農作業の打ち上げや祭りなど人々が集うときに欠かせない行事食として、各家庭で受け継がれてきた味だと言います。
そんな吉野のおふくろの味を次代に残そうと、地域の婦人会が中心となり、1988年に誕生したのが〈吉野鶏めし保存会〉。イベントやデパートでの実演販売、通販などで実績を積み、今では大分を代表する郷土料理のひとつとして全国でも知られるように。
〈吉野鶏めし〉は、甘辛く煮た具材を炊きたてのご飯に混ぜ合わせてつくる、いわゆる混ぜご飯。「お米はもちもちとした食感が特徴の大分県産ヒノヒカリを使用。具材は九州産の鶏肉とごぼうのみで、それらを鶏めし専用の醬油、砂糖、酒でじっくり味つけています」と〈吉野鶏めし保存会〉の帆足千晴さんは話します。
おにぎりづくりがスタートするのは、毎朝3時。多い日には、1万個以上をつくることもあるとか。ご飯に混ぜるだけでつくれる〈吉野鶏めしの素〉は通販などでも購入できるけれど、せっかくならば、吉野ののどかな自然の中に佇む調理場に併設された売店で、にぎりたてを買いたいもの。
ひと口頬張ると、思わず笑顔になる。吉野のおふくろの味は、いまや日本のおふくろの味なのかもしれません。
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※営業時間など最新の情報については各店にお問い合わせください
※価格はすべて税込
credit text:坂本 愛 photo:木寺紀雄
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