暑い夏に食べたい!
湯けむり天国・別府のご当地グルメ
「別府冷麺」8選
本格的に暑くなるこれからの時季、食べたくなるのがツルッとイケる冷麺。別府市には名物「別府冷麺」があり、県内外からこのグルメを目当てに多くの人がやってきます。
別府冷麺は昭和25年頃に満州から引きあげてきた料理人によって伝わり、以来、別府のソウルフードとして愛され続けてきました。あっさりとした和風ダシの冷製スープ、モチモチとした太麺などが特徴のご当地グルメで、市内のさまざまな店舗で提供されています。あなたのお気に入りの一杯を探してみませんか?
2024年8月9日情報更新
愛されて約70年。これからも変わらぬ味を
〈焼肉・冷麺 元祖アリラン〉
職人が目利きする九州産黒毛和牛が自慢の〈アリラン〉で、その焼き肉に負けず劣らず人気の「冷麺」。北海道産の昆布や大分県産のイリコなどを使用した風味豊かな魚介ダシが特徴で、あっさりながらも旨み溢れる一杯です。
さらに注目なのが中盛でも大満足のボリューム感で、「量が多いほうがうれしいでしょ?」と店主の笑顔が光ります。この居心地のいいアットホームな雰囲気は、1950年(昭和25年)に大衆食堂として創業した当時からの名残でしょうか。
70年以上の時を経ても変わらない味を提供する冷麺に、厳選した黒毛和牛の焼き肉、そして心を尽くすおもてなし。キレイに並べられたボトルキープの数が、常連客の多さを物語っていました。
地元民から愛される、
変わらぬ味と雰囲気〈きりん亭〉
1974年(昭和49年)創業、地元で古くから親しまれている冷麺店のひとつ。歴史を感じさせるノスタルジックな店内で出される冷麺もまた、昔から変わらぬ味。
注文が入るたびに押し出し式製麺機でつくり出す白くて美しい麺は、コシが強く歯ごたえのよい中太麺。牛骨でとった旨みたっぷりのスープに昆布だしを合わせたWスープは、程よい酸味と辛みのバランスの自家製キャベツキムチとの相性も抜群。後味がすっきりしているので飲む干す人も多いとか。
冷麺は麺の量が選べ、3倍量の“ジャンボ”(2000円)と呼ばれるメニューまであるので、我こそは! という人は挑戦を。「進化しないことが大事」をモットーに、今日も歴史ある味を受け継いでいます。
一度閉店するも、熱心なファンによって復活!
〈冷麺・温麺専門店 胡月〉
1970年(昭和45年)創業の歴史ある〈冷麺・温麺専門店 胡月(こげつ)〉。2017年末に惜しまれながらも閉店しましたが、2018年にこのお店の常連客が受け継ぎ、待望の復活を遂げました。先代が満州で食べた冷麺を和風にアレンジしたという味を提供し続けています。
そば粉を使用したモチモチでコシのある自家製ストレート中太麺は、和風ベースのあっさりとしたスープと相性抜群。麺やスープだけでなく、牛肉のチャーシューやキャベツのキムチなどのトッピングもすべて手づくりした、細かいところまでこだわりが光る一杯となっています。
そのほかにも「温麺」や「もやし温麺」、「ネギ温麺」、「ビビン冷麺」などがそろっているので、それぞれ楽しんでみてください。
別府冷麺の歴史を汲んだ、
こだわりの一杯を〈別府冷麺一番〉
創業38年の〈ラーメン亭一番〉が、昨年〈別府冷麺一番〉と屋号を変え、再出発を果たしました。愛されてきた味はもちろん健在で、そば粉入り自家製丸麺のコシと、牛肉の旨みに昆布やかつおのだしが効いたスープ、キャベツでつくるキムチの酸味が相性抜群の一杯です。
「うちのキムチは酸味が強いけど、これは修業した〈大陸ラーメン〉の味を受け継いだもの」と話すのは、店主の加来博文さん。キムチの仕込みでお店を開けないこともあるというほど、こだわりもひとしお。また、牛肉はすべて国産の生肉を仕入れるなど、使用する素材にも余念がありません。
ひんやり冷たくて、心温まる味わいに「地元の人は夏も冬も関係なく冷麺を食べるよ」と笑う加来さんの言葉にも納得です。
すっきりとした味わいのなかにコクと旨み
〈手のべ冷麺専門店 六盛〉
2001年(平成13年)創業の手のべ冷麺専門店。夫婦ふたりで始めたこのお店は、オープン当初はお客が少なく、地道にコツコツとお店を切り盛りしていたとのこと。日々別府冷麺のおいしさ・味の研究を重ね、その味わいは徐々にお客さんの口コミによって広がり、いまでは人気店に。
コシが強くのど越しのよい麺は、小麦粉とそば粉、でん粉の配合を細かく調整して完成した手打ち製麺。国産牛と昆布で丁寧にだしをとったスープは、さっぱりしていて口の中に昆布の香りが広がる上品な仕上がりです。
特製チャーシューや、程よい酸味が特徴のキムチももちろん手づくり。コクと旨み、モチモチ食感で食べ応えのある一杯をぜひ堪能してみてください。
オーソドックスだから飽きない
老舗の味〈大陸ラーメン〉
JR別府駅前の通り沿いに立つビルの外観、懐かしい食品サンプル、Uの字型のカウンター席など、あちこちからレトロな雰囲気が漂う〈大陸ラーメン〉。創業は1952(昭和27)年で、現在は3代目の尾籠隆弘さん、みどりさんご夫妻が切り盛りしています。
看板メニューの「大陸特製冷めん」は、昆布やカツオの旨みが溶け込んだ和風スープが特徴で、酸味が効いたキャベツのキムチとも相性抜群。そば粉を手ごねで混ぜた自家製麺はモチモチとした食感で、よく冷えたスープと合わせてスルスルと口へ運んでしまいます。昔から変わらない、「シンプル・イズ・ベスト」の味わいを守り続けています。
爽やかな辛さも粋。
洗練された冷麺と空間〈別府冷麺 一休の泪〉
食堂のような大衆的な雰囲気のお店が多い別府冷麺専門店ですが、ここ〈一休の泪〉はスタイリッシュな空間が特徴です。ゆったりとスペースをとった和モダンな店内は、男女問わず気軽に訪れられると評判。ディスプレイや使用する器など、細部にまでこだわりが感じられます。
鹿児島県枕崎産のかつお節や羅臼昆布、牛骨を丁寧に炊き上げ、旨みを閉じ込めた透明感のあるスープに、多加水の生地に強い圧をかけて押し出すことで独特のもっちり食感とコシを実現した自家製麺。
深いダシの風味とつるりとしたのど越しを十分に堪能したあとは、別添えで提供される「かぼすこしょう」を加えて味変を。爽やかな香りと酸味、青唐辛子の辛みが凛と透き通ったスープと相性抜群です。
変わらぬ製法で50年以上、
出来たて麺を楽しむ〈春香苑〉
半世紀以上の長きにわたり、地元の人々に親しまれている焼肉店。数ある焼肉メニューがそろうなか、店舗と同様の歴史を誇る「冷麺」も人気の一品です。時代に合わせて味わいは変化させつつも、注文後にお湯を使って粉から練り上げる、麺づくりの製法は変わっていないといいます。
打ちたて、こねたての麺はつるっとのど越しがよく、煮干しや昆布などの旨みが際立つ透き通ったスープともよく絡みます。さらにトッピングには自家製キムチやチャーシュー、錦糸卵に加え、スイカや梨などの旬の果物もイン。具だくさんにもかかわらず、手頃な価格も魅力です。ランチやディナーどちらでも単品注文OK、もちろん焼肉の〆にもおすすめですよ。
さまざまな別府冷麺を楽しんで
ひとえに「別府冷麺」といっても、つくり方やこだわり、盛りつけなどはお店それぞれ。だから味わいも異なります。「あの店が好みだな」、「この店はこういう味なのか!」というように、みんなで食べ比べするのも楽しいかもしれませんね。
*価格はすべて税込です。
credit edit:シティ情報おおいた編集部