情緒たっぷり。
宇賀なつみが大分の小京都・豆田町で寄り道さんぽ
江戸時代へタイムスリップ! 大分の小京都・豆田町
江戸時代の面影が残る、大分県日田市の小京都・豆田町。
幕府直轄の天領として栄えた日田のなかでも、とくに町人文化が発展したまちで、白壁造りの伝統的な建物や、軒先に並ぶ昔ながらの工芸品など、往時を思わせる情緒ある風景が広がります。
思わずゆっくり歩きたくなる豆田町を、旅好きなフリーアナウンサー宇賀なつみさんが散策します。
まるで迷路のような〈日本丸館〉から豆田町を一望
最初に訪れたのは、江戸末期の1855年に建てられた木造4層3階建ての〈岩尾薬舗 日本丸館〉。明治から昭和にかけて製造された漢方処方の万能薬〈日本丸(にほんがん)〉の資料館として公開されています。
この建物、明治、大正、昭和とたび重なる増改築を経てちょっとした迷路のようになっているのです。
急勾配の階段を上がると、〈日本丸〉が世界に販路を拡大していくまでの歴史や、製造時に使用していた道具、懐かしさを感じさせる当時のパッケージなどが所狭しと展示されています。
ふと展示室の片隅に目をやると、どこにつながるのかわからない不思議な階段を発見。
階段を下り、渡り廊下を歩くとその先には……。
空中庭園や、離れになっている隠宅(いんたく)がありました。母屋とその後増築された部分で階高が異なるため、複雑な構造になっているのです。
建物の最上階に上がると、大きな窓に囲まれた展望楼が。瓦屋根の町屋が建ち並ぶ豆田町を一望できる絶景スポットです。
「ここは3階ですけど、周りに高い建物がないから、豆田町の全景がよくわかりますね。〈日本丸館〉はまるで天守閣みたい。お天気もよくて、気持ちがいい」(宇賀さん)
吹き抜ける風を感じながら、情緒たっぷりのまち並みを堪能した宇賀さんでした。
〈すし処 おこぜ〉でいただく
日田のご当地グルメ「ひたん寿し」
そろそろお昼の時間。日田のソウルフードが食べたい! ということで、やってきたのは〈すし処 おこぜ〉。
ここでは昭和40年代に日田で生まれたソウルフード「たか菜巻」と、2015年に誕生した野菜のお寿司「ひたん寿し」をいただきます。
「たか菜巻をもっと多くの人に知ってもらうために、よりインパクトのあるメニューと一緒に打ち出そうとひたん寿しが考案されたんです。日田は水が豊富でおいしい野菜がたくさんとれますからね。九州の甘いしょうゆをお好みでたらして食べてみてください」と、ご主人の川村一英さん。
まるでマグロの赤身に見えるのは、なんと皮を湯むきしたトマトのにぎり!
メインのたか菜巻は、海苔の代わりに高菜の漬物を使った巻き寿司。納豆や山芋といった具材のネバネバとした食感と、高菜漬けの塩気が生み出す絶妙なハーモニーが味わえます。
「エリンギのにぎりは、細く切ったエリンギの束を噛み締めると、貝柱のようなシャキシャキとした食感がしておもしろい。なすの煮浸しはとろとろ、間引き菜と大根はぽりぽりと、口の中が楽しいです。おつまみとしても最高!」(宇賀さん)
旬の野菜を使うため、季節などによって内容が変わるから、訪れるたび、新しい味を知る楽しさも。また、ここに来る理由ができましたね、宇賀さん。