〈クンチョウ酒造〉で日本酒を試飲する宇賀なつみさん
特集|大分の小京都・日田へ

情緒たっぷり。
宇賀なつみが大分の小京都・豆田町で寄り道さんぽ | Page 2

Posted 2021.11.30
Instagram X Facebook

300年以上の歴史を持つ〈クンチョウ酒造〉で
日本酒に酔いしれる

〈クンチョウ酒造〉の酒林
酒林(さかばやし、通称:杉玉)が時間の経過とともに緑から茶色へと色づく様子は、酒の熟成度を表しているそう。今はまさに飲み頃!

腹ごしらえが済んだら、水郷・日田のおいしい水と地元の米で造られた日本酒が楽しめる〈クンチョウ酒造〉へ。

〈薫長酒蔵資料館〉
施設奥にある建物の2階に上がると〈薫長酒蔵資料館〉が。江戸時代に酒造りで使われていた道具を間近で見学できます。写真中央の「滑車」は重たい道具を引き揚げる際に使われたもの。

〈クンチョウ酒造〉の歴史は300年以上。創業家の千原家から現在の蔵元が受け継ぎ、1932年に〈クンチョウ酒造〉として創業、そこから約90年にわたり伝統の味を守り続けています。

全国新酒鑑評会でも金賞を受賞するなど、日田を代表する日本酒として親しまれています。

説明を受ける宇賀さん
酒造りの工程は一部見学可能。写真左は蔵人の冨安大二郎さん、中央が兄で常務の亮太郎さん。

酒造りに適した人気の酒米〈五百万石(ごひゃくまんごく)〉も日田産を使用しているほか、九州では日々の食卓に欠かせない食用米〈ヒノヒカリ〉での日本酒造りにも挑戦しています。

「〈ヒノヒカリ〉は粒が小さいうえに、酒造りに重要な心白(しんぱく。米の中心にある白く濁った部分)がないことから、決して日本酒に適した米ではないのですが、アミノ酸が豊富で味が幾重にも重なり奥行きが出るんです。全体のバランスを整える手間はかかりますが、地元の米を使って日田全体を盛り上げていけたら」と、蔵人の冨安大二郎さん。

〈クンチョウ酒造〉内のショップスペース
日本酒や焼酎を購入できるショップや利酒BARを併設しています。

見学を終えたら、自分好みの日本酒を見つけてみましょう。ここでは試飲ができるほか、利酒BARでは3種飲み比べを1000円から楽しめます。

利酒BAR
左からヒノヒカリで仕上げた〈特別純米 薫長(青)〉(1584円)と〈特別純米 薫長(ひやおろし)〉(1482円)、日田産の五百万石を使用した〈日田純米 薫長〉(1250円、すべて720ミリリットル)など豊富なラインナップ。

公式プロフィールの好きなことのひとつに“お酒”とある宇賀さん。

「私は火入れしていないフレッシュな生酒が好きなんです。でも、いろいろと飲み比べてみたいな」と伝えると、次から次へとクンチョウの日本酒が。

日本酒の香りを確かめる
酒蔵見学した後に飲む一杯は格別。

「同じヒノヒカリでも、純米酒はスッキリしていて飲みやすいですね。ひやおろしのほうが生酒っぽくてみずみずしい。私はひやおろしが好みかな」と、うっとりしながら日本酒を飲み比べる宇賀さん。

対して五百万石で造られた日田純米は「辛口でベーシック。香りが強すぎないので、どんな食事にも合いそう」とのこと。

〈純米大吟醸 Sen〉のボトルを手にする宇賀さん
宇賀さんのマイベストは、この〈純米大吟醸 Sen〉(720ミリリットル・2750円)!

さまざまなタイプの日本酒を試飲したなかで、宇賀さんが選んだ1本は〈純米大吟醸 Sen〉でした。華やかな香りと甘さがふわっと口の中に広がるも、後味はスッキリと楽しめる、まるで白ワインのような味わいです。

「ラベルデザインもかわいくて、誰かのおうちに招かれたときの手土産にもよさそう」(宇賀さん)

Spot 03
Information
クンチョウ酒造
address:大分県日田市豆田町6-31
tel:0973-22-3121
access:JR日田駅から徒歩約20分、バス停「上町通り」から徒歩約1分
営業時間:9:00~16:30
定休日:なし
web:クンチョウ酒造

日田を代表する銘菓〈赤司日田羊羹本舗〉の
“結晶化する羊羹”をお土産に

〈赤司日田羊羹本舗〉の外観
趣ある店構え。さて、ここでお土産を買って帰ろう。

旅の締めくくりは、1891年の創業以来、130年間変わらぬ製法で伝統の味を守り続けている〈赤司日田羊羹本舗〉へ。

午前中から羊羹を買いに来るお客さんが後を絶たない、地元に愛される老舗です。

5代目の赤司亮太さん
5代目の赤司亮太さん。代表銘菓の〈一枚物・流し〉以外にも、抹茶やゆず、塩などフレーバーが豊富で迷ってしまいます。

「当店を代表する〈一枚物・流し〉は、砂糖、あずき、寒天、水だけでつくる昔ながらの羊羹。時間の経過とともに糖化が進み、表面が固く結晶化していくのが特徴です」と話すのは5代目の赤司亮太さん。

「今では珍しくなってしまった一品ですが、風味や食感の変化を楽しむお客さまがたくさんいらっしゃるんですよ」とも。

〈一枚物・流し〉
レトロなパッケージがかわいらしい〈一枚物・流し〉。1号箱(約600グラム・1500円)から9号箱(約3000グラム・7500円)まで揃います。
切り分けられた〈一枚物・流し〉
購入してから日が経つと表面が白く結晶化。お好みのタイミングで召し上がれ!

試食用に予め糖化させておいた羊羹をぱくりと頬張る宇賀さん。

「外はカリッとしているのに、中はしっとり。あずきのやさしい甘さと素朴な味わい。これは食べ飽きないですね」

試食中の宇賀さん
※新型コロナウイルスの影響により、現在店内での試食は休止しています。

3週間日持ちするので、少しずつ切り分けて食感や風味の違いを楽しむのもおすすめ。毎日のおやつタイムが待ち遠しくなることうけあいです。

Spot 04
Information
赤司日田羊羹本舗
address:大分県日田市豆田町8-15
tel:0973-22-2240
access:JR日田駅から徒歩約20分
営業時間:9:00~17:00
定休日:水曜(祝日の場合は火曜ほか)
web:赤司日田羊羹本舗

豆田町の寄り道さんぽを終えて

温泉のイメージが強い大分県ですが、それ以外の魅力を感じられるスポットとして豆田町はぴったり。

初めて来た場所なのに懐かしい気持ちになるのは、なぜでしょう。豆田町を訪れたら、スマホをしまって、いつもよりゆっくり歩いてみてください。

※価格はすべて税込みです

credit text:藤田佳奈美 photo:ただ hair & make:福田綾 styling:近藤和貴子

衣装クレジット トップス61600円(エズミ/リ デザイン)、コート38500円(ランバン オン ブルー/レリアン)、イヤリング124300円、リング28600円(ともにヴイエー ヴァンドーム青山/ヴイエー ヴァンドーム青山 有楽町マルイ店)、バック42790円(メゾン ド サブレ/CPR TOKYO)、ショートブーツ25300円(ダイアナ/ダイアナ 銀座本店)
以上、価格はすべて税込み。

この記事をPost&Share
X Facebook