情緒たっぷり。
宇賀なつみが大分の小京都・豆田町で寄り道さんぽ | Page 2
300年以上の歴史を持つ〈クンチョウ酒造〉で
日本酒に酔いしれる
腹ごしらえが済んだら、水郷・日田のおいしい水と地元の米で造られた日本酒が楽しめる〈クンチョウ酒造〉へ。
〈クンチョウ酒造〉の歴史は300年以上。創業家の千原家から現在の蔵元が受け継ぎ、1932年に〈クンチョウ酒造〉として創業、そこから約90年にわたり伝統の味を守り続けています。
全国新酒鑑評会でも金賞を受賞するなど、日田を代表する日本酒として親しまれています。
酒造りに適した人気の酒米〈五百万石(ごひゃくまんごく)〉も日田産を使用しているほか、九州では日々の食卓に欠かせない食用米〈ヒノヒカリ〉での日本酒造りにも挑戦しています。
「〈ヒノヒカリ〉は粒が小さいうえに、酒造りに重要な心白(しんぱく。米の中心にある白く濁った部分)がないことから、決して日本酒に適した米ではないのですが、アミノ酸が豊富で味が幾重にも重なり奥行きが出るんです。全体のバランスを整える手間はかかりますが、地元の米を使って日田全体を盛り上げていけたら」と、蔵人の冨安大二郎さん。
見学を終えたら、自分好みの日本酒を見つけてみましょう。ここでは試飲ができるほか、利酒BARでは3種飲み比べを1000円から楽しめます。
公式プロフィールの好きなことのひとつに“お酒”とある宇賀さん。
「私は火入れしていないフレッシュな生酒が好きなんです。でも、いろいろと飲み比べてみたいな」と伝えると、次から次へとクンチョウの日本酒が。
「同じヒノヒカリでも、純米酒はスッキリしていて飲みやすいですね。ひやおろしのほうが生酒っぽくてみずみずしい。私はひやおろしが好みかな」と、うっとりしながら日本酒を飲み比べる宇賀さん。
対して五百万石で造られた日田純米は「辛口でベーシック。香りが強すぎないので、どんな食事にも合いそう」とのこと。
さまざまなタイプの日本酒を試飲したなかで、宇賀さんが選んだ1本は〈純米大吟醸 Sen〉でした。華やかな香りと甘さがふわっと口の中に広がるも、後味はスッキリと楽しめる、まるで白ワインのような味わいです。
「ラベルデザインもかわいくて、誰かのおうちに招かれたときの手土産にもよさそう」(宇賀さん)
日田を代表する銘菓〈赤司日田羊羹本舗〉の
“結晶化する羊羹”をお土産に
旅の締めくくりは、1891年の創業以来、130年間変わらぬ製法で伝統の味を守り続けている〈赤司日田羊羹本舗〉へ。
午前中から羊羹を買いに来るお客さんが後を絶たない、地元に愛される老舗です。
「当店を代表する〈一枚物・流し〉は、砂糖、あずき、寒天、水だけでつくる昔ながらの羊羹。時間の経過とともに糖化が進み、表面が固く結晶化していくのが特徴です」と話すのは5代目の赤司亮太さん。
「今では珍しくなってしまった一品ですが、風味や食感の変化を楽しむお客さまがたくさんいらっしゃるんですよ」とも。
試食用に予め糖化させておいた羊羹をぱくりと頬張る宇賀さん。
「外はカリッとしているのに、中はしっとり。あずきのやさしい甘さと素朴な味わい。これは食べ飽きないですね」
3週間日持ちするので、少しずつ切り分けて食感や風味の違いを楽しむのもおすすめ。毎日のおやつタイムが待ち遠しくなることうけあいです。
豆田町の寄り道さんぽを終えて
温泉のイメージが強い大分県ですが、それ以外の魅力を感じられるスポットとして豆田町はぴったり。
初めて来た場所なのに懐かしい気持ちになるのは、なぜでしょう。豆田町を訪れたら、スマホをしまって、いつもよりゆっくり歩いてみてください。
※価格はすべて税込みです
credit text:藤田佳奈美 photo:ただ hair & make:福田綾 styling:近藤和貴子
衣装クレジット トップス61600円(エズミ/リ デザイン)、コート38500円(ランバン オン ブルー/レリアン)、イヤリング124300円、リング28600円(ともにヴイエー ヴァンドーム青山/ヴイエー ヴァンドーム青山 有楽町マルイ店)、バック42790円(メゾン ド サブレ/CPR TOKYO)、ショートブーツ25300円(ダイアナ/ダイアナ 銀座本店)
以上、価格はすべて税込み。