日本最強の城・岡城に
予約数年待ちの姫だるま。
宇賀なつみの竹田歴史さんぽ | Page 2
旧岡藩時代の面影を残す城下町を散策
岡城跡から15分ほど歩いて辿り着くのは、土壁や白壁、長屋門が続く「武家屋敷通り」。かつての武家屋敷13軒が、120メートルにわたって連なる歴史の道では、風情ある散策を楽しめます。
「この通りの土壁は、上に向かって反り返った珍しい形をしていますね。あまり見かけないので不思議です」と、旅慣れた宇賀さんも初めて見る土塀に興味津々。
「武家屋敷通り」を抜け、しばらく行くと、瀧廉太郎の楽曲がオルゴールの音色で流れる「廉太郎トンネル」があります。
春から夏にかけては『花』『荒城の月』『水あそび』、秋から冬は『荒城の月』『はとぽっぽ』『秋の月』をランダムで聴くことができます。
瀧廉太郎の音楽を楽しんだら、3分ほど歩き、白壁の路地が続く「八幡川横丁(はちまんがわよこちょう)」へ。
国の登録有形文化財でもあるギャラリースペース「志保屋蔵」や、カフェに生まれ変わった銭湯、青果店などが軒を連ねる一角に到着してしばらくすると、小雨が降り出すハプニングが……。
「雨のしっとりした雰囲気もまたいいですね。思わずゆっくり歩きたくなる通りです」と宇賀さん。艶やかに濡れた石畳には、風情あるまち並みが反射し輝いていました。
旧岡藩御用菓子司〈但馬屋老舗〉で、ひと休み
さらに歩くこと約5分。
文化元(1804)年創業の大分県下で一番古い和菓子店〈但馬屋老舗〉で、ひと休みすることに。
旧岡藩の御用菓子司を務めた同店を代表する〈荒城の月〉は、藩主にのみ献上されていた格式高い茶菓子。
廃藩置県後、ようやく一般の人も購入できるようになった銘菓は、今なお、当時と変わらぬ製法でつくられています。
併設された〈茶房だんだん〉では、これらのお菓子や軽食をいただくことができます。
丸くて艶やかな〈荒城の月〉は、泡立てた卵白に砂糖と寒天を加えた「あわ雪」で黄身餡を包んだひと品。一方の〈三笠野〉は、こし餡をしっとりとした皮で包んでいます。
「〈荒城の月〉は、口に入れた途端シュワっと溶けてなくなりました。初めての食感です!」と、うれしそうに舌鼓を打つ宇賀さん。少し歩き疲れた体に、上品な甘さが染み入るようです。
〈茶房だんだん〉では、和菓子だけではなく、竹田の名産品を使ったランチの提供も行っています。
今回、宇賀さんがいただいたのは、〈ちくでん栗おこわ〉。まるで提灯のような大きな赤いお碗のふたを開けると、上段にはおかず、下段には栗おこわが盛り付けられた豪華なお重がお目見えします。
竹田産のサフランで色づけしたもち米と、同じく地元でとれた栗を一緒に蒸しあげた栗おこわ。とくに味つけは行わず、素材の風味だけで十分滋味深さを味わえるから驚きます。
「調味料を一切使っていないのに、ほくほくとした栗のやさしい甘さと、もっちりしたおこわの食感だけでパクパク食べられちゃいます」と宇賀さんもご満悦。
おこわ以外のおかずも、素材の味が引き立つ繊細な味つけで箸が進みます。