旧岡藩御用菓子司〈但馬屋老舗〉の外観
特集|竹田・九重リトリートトリップ

日本最強の城・岡城に
予約数年待ちの姫だるま。
宇賀なつみの竹田歴史さんぽ | Page 2

Posted 2022.11.02
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旧岡藩時代の面影を残す城下町を散策

「武家屋敷通り」を歩く宇賀さん
宇賀さんが散策しているのは「武家屋敷通り」。旧岡藩時代、政治や経済、文化の中心地として栄えた竹田には城下町の面影が色濃く残っています。

岡城跡から15分ほど歩いて辿り着くのは、土壁や白壁、長屋門が続く「武家屋敷通り」。かつての武家屋敷13軒が、120メートルにわたって連なる歴史の道では、風情ある散策を楽しめます。

土塀に設置されたカーブミラ
土塀に設置されたカーブミラーに映るのは、笑顔の宇賀さん。

「この通りの土壁は、上に向かって反り返った珍しい形をしていますね。あまり見かけないので不思議です」と、旅慣れた宇賀さんも初めて見る土塀に興味津々。

「武家屋敷通り」を抜け、しばらく行くと、瀧廉太郎の楽曲がオルゴールの音色で流れる「廉太郎トンネル」があります。

廉太郎トンネル
幅2.5メートル、長さ15メートルの小さなトンネルに足を踏み入れると、オルゴールの音色が反響します。

春から夏にかけては『花』『荒城の月』『水あそび』、秋から冬は『荒城の月』『はとぽっぽ』『秋の月』をランダムで聴くことができます。

瀧廉太郎の音楽を楽しんだら、3分ほど歩き、白壁の路地が続く「八幡川横丁(はちまんがわよこちょう)」へ。

白壁の路地を歩く宇賀さん
「武家屋敷通り」とはまた違った表情の「八幡川横丁」。

国の登録有形文化財でもあるギャラリースペース「志保屋蔵」や、カフェに生まれ変わった銭湯、青果店などが軒を連ねる一角に到着してしばらくすると、小雨が降り出すハプニングが……。

「雨のしっとりした雰囲気もまたいいですね。思わずゆっくり歩きたくなる通りです」と宇賀さん。艶やかに濡れた石畳には、風情あるまち並みが反射し輝いていました。

旧岡藩御用菓子司〈但馬屋老舗〉で、ひと休み

〈但馬屋老舗〉の外観
西南戦争で焼失した後、建て替えられた趣ある店構え。木材や建具は当時のままなのだそう。

さらに歩くこと約5分。

文化元(1804)年創業の大分県下で一番古い和菓子店〈但馬屋老舗〉で、ひと休みすることに。

〈但馬屋老舗〉の店内
控えめな品のよさが漂う店内。細かく目の行き届いた空間に、旧岡藩に納めていたという銘菓が並びます。

旧岡藩の御用菓子司を務めた同店を代表する〈荒城の月〉は、藩主にのみ献上されていた格式高い茶菓子。

廃藩置県後、ようやく一般の人も購入できるようになった銘菓は、今なお、当時と変わらぬ製法でつくられています。

銘菓〈荒城の月〉と〈三笠野〉の抹茶つきセット
お殿さまが愛した銘菓〈荒城の月〉と〈三笠野〉の抹茶つきセット1030円。

併設された〈茶房だんだん〉では、これらのお菓子や軽食をいただくことができます。

丸くて艶やかな〈荒城の月〉は、泡立てた卵白に砂糖と寒天を加えた「あわ雪」で黄身餡を包んだひと品。一方の〈三笠野〉は、こし餡をしっとりとした皮で包んでいます。

「〈荒城の月〉は、口に入れた途端シュワっと溶けてなくなりました。初めての食感です!」と、うれしそうに舌鼓を打つ宇賀さん。少し歩き疲れた体に、上品な甘さが染み入るようです。

大きな赤いお碗のふたを開ける宇賀さん
お椀のふたを開けた瞬間、宇賀さんも思わず笑顔に。

〈茶房だんだん〉では、和菓子だけではなく、竹田の名産品を使ったランチの提供も行っています。

今回、宇賀さんがいただいたのは、〈ちくでん栗おこわ〉。まるで提灯のような大きな赤いお碗のふたを開けると、上段にはおかず、下段には栗おこわが盛り付けられた豪華なお重がお目見えします。

ランチでいただいた〈ちくでん栗おこわ〉のセット
大粒の栗がごろごろ入った〈ちくでん栗おこわ〉1530円。

竹田産のサフランで色づけしたもち米と、同じく地元でとれた栗を一緒に蒸しあげた栗おこわ。とくに味つけは行わず、素材の風味だけで十分滋味深さを味わえるから驚きます。

「調味料を一切使っていないのに、ほくほくとした栗のやさしい甘さと、もっちりしたおこわの食感だけでパクパク食べられちゃいます」と宇賀さんもご満悦。

おこわ以外のおかずも、素材の味が引き立つ繊細な味つけで箸が進みます。

〈但馬屋老舗〉の広報を務める大塚理美さんと宇賀さんが談笑中
〈但馬屋老舗〉6代目の次女で、広報を務める大塚理美さん。お店についてはもちろん、竹田への愛に満ちたお話を聞けました。
Spot 02
Information
但馬屋老舗 本店・茶房だんだん
address:大分県竹田市竹田町40
tel:0974-63-1811
access:JR豊後竹田駅から徒歩約10分
営業時間:本店 9:00〜18:00、茶房 9:30〜18:00
定休日:正月元旦ほか年数回 ※茶房だんだんは火曜休み
web:但馬屋老舗 本店・茶房だんだん

「姫だるま」の体を赤く塗る作業
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