川のほとりに建つテントサウナ
ニュース&コラム

川や鍾乳洞がサウナの水風呂に!?
おんせん県なのに温泉がないまち・豊後大野の“アウトドアサウナ⽂化”とは?

Posted 2021.06.17
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大分市の南、宮崎県との県境に位置する緑豊かなまち・豊後大野市。

おんせん県にありながら温泉のないこの地で、今、サウナが人気となっているのをご存じでしょうか?

サウナといっても、浴場の一角にある空間のことではありません。

豊後大野で増えているのは、小屋やテント型のサウナを水辺に置いて、川や湖を水風呂に、周囲の環境を外気浴スペースにして楽しむ“アウトドアサウナ”!

原尻の滝
豊後大野市では、約9万年前の阿蘇山大噴火によって多様な地形が生まれ、それが美しい渓谷や雄大な滝になったと言われています。写真は「大分のナイアガラ」と称される〈原尻の滝〉。

実は豊後大野は、九州で唯一「日本ジオパーク」と「ユネスコエコパーク」の両方に認定されるほど自然豊かな土地。

そんな贅沢な自然環境を活かしたサウナが、今、続々と誕生しているのです。

川や鍾乳洞が水風呂に!? 友達や家族と非日常を楽しもう

奥岳川の目の前に建つサウナ
〈ロッジきよかわ〉が運営するサウナ〈JOKI SAUNA〉では、目の前にある奥岳川の清流を水風呂として利用できます。

現在、豊後大野でアウトドアサウナを展開しているのは、〈ゲストハウスLAMP豊後大野〉〈カフェ・パラム〉〈ロッジきよかわ〉〈稲積水中鍾乳洞〉〈リバーパーク犬飼〉の5施設。

稲積水中鍾乳洞内で、水に浸かる様子
〈稲積水中鍾乳洞〉内の水は深さ0.5~3メートルまで高低差があり、好きな姿勢で体をクールダウンできます。

なかでも、今年3月にオープンしたばかりの〈稲積水中鍾乳洞〉のサウナは、世界的にも珍しい水中鍾乳洞を活用した施設として、テレビやSNSで話題となりました。

川とは違って水の流れがないため、ひとたび鍾乳洞に入ると静寂に包まれ「まるで宇宙にいるような気分になれる!」と人気なのだとか。

石に水をかける様子
サウナの本場・フィンランドで主流の加熱方式「ロウリュ」を採用。フィンランド語で「蒸気」を意味する言葉通り、熱した石に水やアロマ水をかけて熱い蒸気を発生させます。

5つの施設で体験できるサウナはすべて、薪ストーブで熱した石に水をかけ、その蒸気で暖まるフィンランド式のロウリュを採用。

水をかける量や回数によって自分好みに温度を調節できるほか、蒸気が全身を優しく包み、穏やかに温まるフィンランド式は、サウナ初心者や、これまでサウナが苦手だった人にも好評だそう。すべて水着着用での利用となるため、友達や恋人、家族と一緒に、非日常体験を楽しむことができます。

“アウトドアサウナ”が、豊後大野の魅力をひとつにつなげてくれた

REBUILD SAUNAの前に立つ高橋ケンさん
豊後大野のアウトドアサウナの仕掛け人・高橋ケンさん。

豊後大野のアウトドアサウナ人気に火をつけたのは、〈ゲストハウスLAMP豊後大野〉のオーナーであり、〈おんせん県いいサウナ研究所〉の所長でもある、高橋ケンさん。

サウナ好きの高橋さんは、あるとき奥岳川の清流を見ながら「水風呂にしたら気持ちよさそう!」とひらめいたそう。

「川を水風呂代わりに使うアイデアは、はじめはただの思いつきでした。でも、豊後大野には16世紀頃につくられた岩穴の蒸し風呂〈辻河原石風呂〉があり、サウナが親しまれてきた歴史もある。何よりまちが誇る大自然には、サウナに適したきれいな川がたくさんありました。次第に、これはこのまちの魅力をひとつにつなげるキラーコンテンツになるんじゃないか、と思うようになったんです」

辻河原石風呂。石の壁に横穴があいている。
県指定有形民俗文化財の〈辻河原石風呂〉。石風呂とは、岩穴の中で一昼夜薪を燃やしたあと薬草を敷き、そこから上がる蒸気を浴びる蒸し風呂のこと。

そんな考えを実現するため、高橋さんが仲間とともに立ち上げたのが、アウトドアサウナ協議会〈おんせん県いいサウナ研究所〉。

メンバーの地道な活動によって、ひとつ、またひとつと豊後大野にアウトドアサウナが増え、現在の5つの施設が誕生。今や「大分県のサウナ特区」と呼ばれるほどのムーブメントへと成長したのです。

薪が積まれている様子
5つのサウナで使う薪ストーブの燃料には、使用済みのしいたけ原木などを活用。そうして生まれた収益の一部を、土砂崩れを防ぐ広葉樹の苗の購入にあて、大分の山に還元していきたいと考えているそう。


【 Next Page|2021年春からは、さらにたくさんのサウナコンテンツを展開! 】

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