
天空の露天風呂!?
大分が誇る絶景の日帰り温泉に出かけよう!
おんせん県おおいたには、気軽に立ち寄れる「日帰り温泉」もいっぱい。地元で長く愛される昔ながらの共同浴場から、充実した設備を誇る立ち寄り温泉施設、人気の宿の日帰り利用まで、さまざまなタイプが揃います。
なかでも、最近話題なのが絶景を楽しめるスポットです。ビルの高層階や山の上から、眼下に街並み、そして海を眺めながら、温泉につかる至福の時。
おんせん県だけに、絶景を楽しめる温泉は県内各地に多数ありますが、今回は観光や出張のついでにふらっと気軽に立ち寄れる、街中からのアクセスがよい3つの日帰り温泉をご紹介します!
地上80メートル。ビルの最上階に位置する〈CITY SPA てんくう〉
JR大分駅に直結する駅ビルの19階から最上階21階まで、3フロアに位置する天空の日帰り温泉。視界を遮るものが何もない地上80メートルの高さからは、大分の市街地はもちろん、別府湾まで見渡せます。

うれしいのは、露天風呂とガラス張りの内湯、どちらからも美しい眺望が楽しめるところ。地下700メートルから汲み上げた温泉は、黄褐色をしたとろみのあるナトリウムー炭酸水素塩泉。天然の保湿成分といわれる「メタケイ酸」を豊富に含み、入浴後に肌がすべすべになる「美肌の湯」とも呼ばれています。

このほか、露天風呂には炭酸ガスを溶け込ませた高濃度の炭酸泉も完備。血行を促進して体を芯から温めてくれると同時に、新陳代謝も活性化するので、温泉と合わせて利用することで、より美しい肌を目指したいものです。



温泉に加えて、さまざまな施設が揃う〈CITY SPA てんくう〉では、岩盤浴やサウナ、休憩用のラウンジを備えたヒーリングスパを併設。入浴のみの「入浴プラン」(大人1600円、小人900円)と、ヒーリングスパも利用可能な「ヒーリングプラン」(2000円、中学生以上)があるので、シチュエーションに応じて使い分けられます。

駅直結というアクセスのよさに加えて、さまざまなタイプの温浴施設を完備している、都市型日帰り温泉。タオルや館内着のレンタルは料金に含まれているので、旅の目的地としてはもちろん、移動の途中などに気軽に利用してみてはいかがでしょうか?
温泉エンターテインメント満載の〈別府温泉 杉乃井ホテル〉へ
昭和19(1944)年開業。別府を代表する老舗ホテル〈別府温泉 杉乃井ホテル〉の日帰り入浴も、若い女性からファミリーまで幅広い層に人気です。

日帰りで利用できるのは、大展望露天風呂「棚湯」と、水着で遊べる屋外型温泉「ザ アクアガーデン」のふたつ。いずれも別府湾はもちろん、遠く四国の佐田岬までの大パノラマが眼下に広がります。

棚田状になっている「棚湯」は、上から①ガラスで仕切られた内湯、②雨でも安心して入れる庇つきの半露天、③もっとも幅広の浴槽で開放感たっぷりの露天、④足湯なども楽しめる露天、⑤先端部では寝湯ができる露天の5段で構成。このほか、ヒノキでできた樽湯や、展望サウナなども備えています。
泉質は、筋肉痛や冷え性、疲労回復に効果があるナトリウム塩化物・硫酸塩泉。無色透明でやわらかい温泉なので、子どもや肌の弱い人など、どんな人も入りやすいのが魅力です。

一方の「ザ アクアガーデン」は、言うなれば温泉エンターテインメント施設。巨大なプールサイズの温泉につかりながら絶景を楽しめる展望スパやオーバルプール、歩行浴などのほか、塩分濃度を上げた浴槽の中で浮遊体験ができる「フロートヒーリングバス」、温泉成分を含んだ泥でパックする「ファンゴセラピー」(有料)など、多彩なアミューズメントを体験できます。


水着着用で、カップルや家族が一緒に楽しめるとあって人気は上々。毎晩開催される、水と光と音を駆使した幻想的な噴水ショーも必見です。
知る人ぞ知る〈いちのいで会館〉で絶景と青い温泉を楽しむ
JR別府駅から車で約10分。市内を流れる朝見川を渡り、急な坂道を350メートルほど登った先に〈いちのいで会館〉はあります。

「義父が、山懐にあるこの場所で温泉を掘削したのは40年ほど前のこと。長年、仕出し屋として営業していて、温泉は会館で食事をしてくれたお客さんへのサービスとして提供してきたんです」と店主の生永順子さんは話します。
しかし昨年から続くコロナ禍の影響で、現在の営業は日帰り温泉のみ。「景観の湯」と家族風呂の2か所を、奇数日と偶数日で男女を入れ替えて使用しているそうです(奇数日は景観の湯が女性、家族風呂が男性。偶数日はその逆)。


「景観の湯」には2つの岩風呂(プールサイズの大浴槽は休止中)、そこから一段高いところに位置する家族風呂には3つの岩風呂があり、それぞれ別府湾を一望できます。

〈いちのいで会館〉温泉の最大の特徴は、なんと言ってもそのお湯の青さ。元々は無色透明な源泉が、時間が経つにつれて化学反応を起こし、光を反射して青乳色に見えるようになると言います。泉質は、筋肉痛や冷え性に効果のあるナトリウムー塩化物泉。
「うちは源泉かけ流しで、飲用もできるんですよ。味は、少し塩っぱいくらい。サラリとした湯ざわりでお肌がツルツルになるし、体もよく温まります」と生永さん。

全国ではもちろん、おんせん県おおいたでも珍しいとされる青湯。諸条件が合った時にだけ出合える稀少な温泉に、興味が高まります。
*価格はすべて税込みです
credit text:坂本 愛