落葉で黄色く染まるメイプル耶馬サイクリングロード
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サイクリングも楽しめる! 
大分・耶馬渓のおすすめ紅葉スポット5選

Posted 2021.11.12
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京都の嵐山、栃木の日光と並び日本三大紅葉名所として知られる大分県中津市の「耶馬渓(やばけい)」。

夜のライトアップが美しい〈溪石園(けいせきえん)〉をはじめ、紅葉と岩との対比が美しい「一目八景(ひとめはっけい)」や、菊池寛の小説『恩讐の彼方に』でも有名な「青の洞門(あおのどうもん)」など、個性豊かな紅葉景色が楽しめる人気スポットです。

周辺にはサイクリングロードもあり、この時期には「秋の耶馬渓サイクリング」として人気のアクティビティとなっています。レンタサイクル施設も充実しているため、手ぶらで楽しむことができますよ。その情報については、後半でご紹介します!

幻想的にライトアップされた紅葉も楽しめる〈溪石園〉

溪石園
写真提供:(一社)中津耶馬渓観光協会

2万平方メートルの広大な敷地に100種類・3万本以上の樹木と岩、滝、池などを配した日本庭園〈溪石園〉。この地域で採れた大小さまざまな石12万個と耶馬溪ダムの水を利用し、奇岩や、岩肌がむきだしになった峰と渓谷からなる耶馬渓独特の景色を再現しています。

溪石園(夜、ライトアップ)
紅葉シーズンの夜は色とりどりにライトアップされ、幻想的な景色が広がります。見頃は10月下旬~11月中旬頃。写真提供:(一社)中津耶馬渓観光協会

早春は梅、春には枝垂れ桜やソメイヨシノ、初夏には新緑、秋には紅葉と、耶馬渓の四季をのんびりと楽しめるスポット。園内には食事処も併設されており、名物の〈炭そば〉や〈耶馬溪牛乳のチーズケーキ〉などが楽しめます。

赤く彩られる風光明媚な8つの奇岩「一目八景」

一目八景

耶馬渓の代表的な景勝地「一目八景」。一目で、群猿山(ぐんえんざん)、鳶ノ巣山(とびのすやま)、嘯猿山(しょうえんざん)、夫婦岩(ふうふいわ)、雄鹿長尾の峰(おじかながおのみね)、烏帽子岩(えぼしいわ)、仙人岩、海望嶺(かいぼうれい)の八景が一望できることから名づけられました。紅葉と荒々しい岩の対比が、自然の力強さを感じさせてくれる紅葉スポットです。例年10月下旬~11月中旬頃に見頃を迎えます。

ひさしもみじ(夜)
約100メートル続く「ひさしもみじ」。漆黒の中に浮かび上がる紅葉のトンネルは一見の価値ありです。写真提供:(一社)中津耶馬渓観光協会

そば屋さんや旅館、温泉施設などが並ぶエリアの中心に位置する展望台から10分ほど歩くと、ひさしのように道路に張り出した「ひさしもみじ」が現れます。こちらは10月下旬から11月下旬頃まで楽しめます。

原風景のなかに広がる奇岩と紅葉のコラボレーション「伊福の景」

伊福の景
のどかな伊福盆地を清水谷、明光山、三方岩城、鉾岩が取り巻きます。写真提供:(一社)中津耶馬渓観光協会

変わった形の岩や峰の多さで知られる裏耶馬溪のなかでも、鋭い岩峰が切り立つ「伊福の景(いふくのけい)」。ダイナミックな岩山と、その前に広がる民家や田園が調和した独特の風景が楽しめます。紅葉の見頃は、10月下旬〜11月中旬頃。

この一帯の岩は表面が比較的滑らかなため、ツタ、カヅラといった植物が生えにくく、より岩肌が際立っているのも特徴です。

深緑色の石段と真っ赤なトンネルが織りなす絶景「御霊もみじ」

御霊もみじ
写真提供:(一社)中津耶馬渓観光協会

耶馬渓の紅葉が終わりを迎える11月中旬から下旬にかけて見頃となるのが「御霊(ごりょう)もみじ」です。〈御霊神社〉の苔むした石段に敷き詰められた落ち葉と、トンネルのように枝を伸ばす木々の紅葉が楽しめます。

深緑色の苔と、赤や黄色に色づいた葉のコントラストがつくり出す神秘的な景観をカメラに収めようと、多くの写真好きが訪れるフォトジェニックなスポットです。

出入口付近に伸びる黄金色の大イチョウは圧巻「青の洞門」

青の洞門
写真提供:(一社)中津耶馬渓観光協会

菊池寛の小説『恩讐の彼方に』の舞台として知られる「青の洞門」は、山国川に面してそそり立つ「競秀峰(きょうしゅうほう)」に掘られたトンネルのこと。

江戸時代、旅の途中でこの地を訪れた禅海和尚(ぜんかいおしょう)が、山の難所で命を落とす人馬を見て工事に取り掛かり、約30年かけて明和元(1764)年に完成させました。

青の洞門まえにある、黄色く染まったイチョウの木
11月下旬になると落ち葉で道路が黄色に染まります。

ノミと槌(つち)だけで掘ったトンネルの長さは342メートル。歩道も整備されており、内部は歩いて見学可能。現在も一部に明かりとり窓やノミの跡が残っており、禅海和尚の不屈の精神を感じられます。

また、川下の出入口には大きなイチョウの木があり、毎年11月中旬頃には黄金色に色づいた葉が見頃を迎えます。

観光路線〈耶馬溪鉄道〉のおもかげが残るサイクリングロード

山国川第二鉄橋
かつて鉄道橋として使用されていた「山国川第二鉄橋」は、川の中でカーブした珍しい橋。写真撮影スポットに最適です。写真提供:(一社)中津耶馬渓観光協会

そんな耶馬渓の秋を楽しむのにピッタリなのが、耶馬溪鉄道(やばけいてつどう)の廃線跡を利用した〈メイプル耶馬サイクリングロード〉!

1913(大正2)年に開業した耶馬溪鉄道、通称「耶鉄(やてつ)」は、起点の中津駅から終点の守実(もりざね)温泉駅までの約36キロを、「仏坂(ほとけざか)」、「青の洞門」、「擲筆峰(てきひっぽう)」などの景勝地を望みながら進む観光路線として人気を集めました。1975(昭和50)年に全線廃止となったあと、1982(昭和57)年に現在の形となって生まれ変わりました。

そのため沿線には、耶鉄時代に使用されていた橋梁やトンネル、駅などのさまざまな鉄道遺産が残っており、サイクリング愛好者のみならず、全国の鉄道ファンにも人気のスポットとなっています。

厚ヶ瀬トンネル
国の有形文化財にも登録されている「厚ヶ瀬(あつがせ)トンネル」。写真提供:(一社)中津耶馬渓観光協会
耶馬渓橋
鉄道が通る橋ではありませんが、沿線には1923(大正12)年に架けられた8つの美しいアーチが特徴の「耶馬渓橋」もあります。国内の石橋としては最長の116メートル、かつ日本で唯一の8連石造アーチ橋です。写真提供:(一社)中津耶馬渓観光協会

サイクリングロードは、県道臼木沖代線(うすきおきだいせん)から山国町守実(やまくにまちもりざね)にかけて伸びる約36キロメートルのコースのうち、本耶馬渓から山国までの約22キロメートル。

鉄道跡を利用しているため勾配も緩やかで初心者にもおすすめです。道中に3つのレンタサイクル貸出施設と乗り捨て場1か所があり、どの施設で借りた自転車でも返却ができるので、手ぶらで気軽にサイクリングできますよ。

地元産のそばを堪能できる立ち寄りスポット〈耶馬トピア〉

耶馬トピア
〈耶馬トピア〉の周辺も、紅葉スポットのひとつです。

〈メイプル耶馬サイクリングロード〉をサイクリング中に立ち寄るのにおすすめの場所が、本耶馬渓町にある「青の洞門」最寄りの道の駅〈耶馬トピア〉。

併設の食事処〈そば処 石臼亭 洞門そば〉では、11月上旬から秋の新そばが登場。石臼で挽いた耶馬渓産のそばが味わえるほか、〈そばん子ソフト〉や〈そばん子まんじゅう〉などのアレンジメニューも揃っています。

Information
耶馬トピア
address:大分県中津市本耶馬渓町曽木2193-1
tel:0979-52-3030
access:JR中津駅から車で約20分
営業時間:9:00~17:00(食事は11:00〜14:00のみ)
定休日:木曜(8月、11月を除く)、 1月1日~2日
web:耶馬トピア 公式サイト

〈メイプル耶馬サイクリングロード〉には、3つのレンタサイクル施設と1か所の自転車乗り捨て所があり、借りた自転車はそのいずれかで返却が可能。レンタル料金は、大人(フリータイム)600〜700円(施設によって異なる)となっています。

遠くから来た人でも便利に利用できるので、天気のいい日には日本三大紅葉名所のひとつ「耶馬渓」へ、ふらりと自転車をこぎに出かけてみてはいかがでしょうか。

credit text:坂口ナオ、柿崎真英

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