世界農業遺産の郷・田染荘の
大規模イルミネーション〈千年のきらめき〉
国の重要文化的景観でもあり、世界農業遺産「国東半島・宇佐地域」の象徴的なスポットでもある豊後高田市の景勝地、田染荘(たしぶのしょう)。
この広大な水田を舞台に毎年晩秋から冬の間行われているのが、大規模イルミネーション〈千年のきらめき〉です。夕方、水田のあぜ道に設置されたLEDライトに明かりが灯り、光の点が線となり、面へと広がっていく光景はとっても幻想的!
「千年以上続くこの風景を次世代へつなげたい」という地元の人々の思いから始まり、今年で6年目の開催となりました。
時間の経過とともに表情を変える幻想風景
〈千年のきらめき〉の舞台・田染荘は、連載「大分じかん」でも紹介した、平安時代から1000年以上、その姿をほとんど変えずに受け継がれてきた歴史ある水田区画。
国の重要文化的景観に認定されているほか、クヌギ林とため池による伝統的な農業システムが世界農業遺産に認められた、国東半島宇佐地域の象徴的なスポットでもあります。
点灯が始まるのは、太陽が西へ傾き、あたりが薄暗くなった頃。
10ヘクタールほど(東京ドームおよそ2個分!)の水田のあぜ道に設置された約1万個のLEDライトに、ひとつ、またひとつと明かりが灯ります。その様子はまるで、季節外れの冬にほたるが現れたかのよう。
空の色が青とピンクの淡いグラデーションから、濃い群青と橙色に変わり、すっかり暗くなってしまうと、一面に幻想的な世界が広がります。
このイルミネーションが始まったのは2016年。「先人の知恵と努力で受け継がれてきた田染荘の魅力を後世に伝えていく」との思いから開催が実現しました。
約1万個のLEDライトは、毎年、地元や市内外のボランティアの協力によってひとつひとつ手作業で設置されているそうです。
この季節だけのスペシャルな絶景をお見逃しなく
〈千年のきらめき〉は、2022年2月11日まで毎日開催中。日没から約3時間、誰でも無料で鑑賞できます。
日が沈む前後の山々の美しい稜線や、星空とともに美しくきらめく壮大なイルミネーションをぜひ見に行ってみてはいかがでしょうか。
credit text:坂口 ナオ