世界も注目する冬の絶景
鶴見岳の霧氷を見にいこう
阿蘇くじゅう国立公園の東の端にある「鶴見岳(つるみだけ)」。
春は桜やミヤマキリシマ、夏は頂上から見下ろす別府の夜景、秋は紅葉など、四季折々の景色が楽しめる別府市の人気ビュースポットですが、本命の季節はなんといっても冬!
アメリカの放送局CNNの「日本の美しい風景31選」にも選ばれた別府ロープウェイから、山上一面に広がる霧氷(むひょう)の絶景が見られるんです。
九州ではレア!? 寒さが起こす美しい自然現象
霧氷とは、氷点下に冷えた霧や雲の粒が樹や枝などに吹き付けられてできる氷の層のこと。雪山の絶景としてよく知られる「樹氷」もその一種です。
この現象は、気温・湿度・風向き・風の強さなど、さまざまな条件が揃わないと起こりません。寒い地域で見られることが多く、実は九州ではとてもレア。そのため、感動的な雪景色をひとめ見ようと、冬にはたくさんの人が鶴見岳に訪れます。
鶴見岳でその光景が見られるのは、12月上旬から3月中旬までの間。気象条件が揃うと、標高1300メートルの山上一帯が霧氷に覆われ、幻想的な景色が広がります。
九州最大級のロープウェイで優雅に山上へ
山上へは、九州最大級101人乗りの大型ゴンドラ〈別府ロープウェイ〉の利用がおすすめ。
ふもとの別府高原駅から山上の鶴見山上駅まで、10分で一気に到達します。別府高原駅までのアクセスは、別府駅からバスで20分ほど。山道を歩かなくていいので、気軽に遊びに行けるのも魅力のひとつです。
山上では霧氷のほかにも、真っ白な雪に映える朱色の鳥居や、眼下に見える別府の温泉街、別府湾など、この時期ならではの景色が楽しめますよ。
一面の銀世界から別府の冬旅を始めよう
お天気がいい日は雪が溶けてしまうこともあるので、行くなら朝の早い時間がおすすめだそう。
寒ければ寒いほど、お湯に浸かったときにとろけるような幸せを感じる冬。
そんな季節の別府旅の幕開けに、幻想的な銀世界を見に行ってみてはいかがでしょうか。
credit text:坂口 ナオ photo:藤島靖佳