フライや海老マヨなども載った海鮮丼
ニュース&コラム

佐伯の〈塩湯〉で
海水風呂と豪華海鮮丼!

Posted 2022.02.03
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別府や由布院など県内各地に人気の温泉地がある「おんせん県おおいた」ですが、それらとはまた違う魅力を持つ温浴施設が佐伯(さいき)市にあります。

〈天然海水風呂 塩湯〉は、海水を沸かしたミネラルたっぷりのお風呂が自慢。とれたての海の幸を提供する食事処も併設し、休日ともなれば地元の人や観光客でにぎわいます。

そんな知る人ぞ知る人気の海水風呂と海鮮料理を体験しに出かけました!

2025年12月22日情報更新

塩湯ってどんなところ? 海水のお風呂 &食事処

大分県の南東端、宮崎県との境に位置する佐伯市は、海と山の大自然に囲まれたまち。270キロにも及ぶ美しいリアス式海岸があり、全国でも有数の好漁場、豊後水道で育まれた新鮮な海の幸にも恵まれています。

〈天然海水風呂 塩湯〉は、大海原を一望できる国道217号沿いに、2001年にオープンしました。

「見渡す限り海というこの場所に、絶景を見ながら入れるお風呂があったらいいなぁという思いから一念発起。夫と一から手づくりで、10か月ほどをかけて完成させました。湯は目の前の佐伯湾から汲み上げた海水をろ過して沸かしています」とオーナーの坂本恵美さんは話します。

〈天然海水風呂 塩湯〉の外観
レトロな雰囲気漂う木造の建物が目印。右手がお風呂、正面が食事処。

新鮮すぎる! 塩湯の〈海鮮丼〉と人気メニュー紹介

〈天然海水風呂 塩湯〉の食事処
食事処では、テーブル席と、佐伯湾を一望できる窓側の座敷を用意。

食事処は、平日の15時を過ぎたにもかかわらず店内は満席で、店の外には行列ができています。

坂本さんの夫の政治さんは地元の漁師。太平洋の温かい海水と、栄養豊富な瀬戸内海の冷たい海水が混ざり合う豊後水道に面する佐伯市は古くから漁業が盛んとあって、魚介類は種類が豊富でどれも新鮮。それを目当てに訪れる人も多いのだとか。

たくさんの貝類が並ぶ生け簀
その日にとれた新鮮な魚介類を仕入れています。

お店に入ると、まず目に飛び込んでくるのが大きないけす。そこには、佐伯の名産である色鮮やかなヒオウギ貝をはじめ、ゼンゴ(アジ)やイセエビなど、とれたての魚介類が入っています。

「その日にとれたものを扱っているので、日によって種類は変わります。季節ごとに旬の味を楽しんでもらえたら」と坂本さん。

店内では、この新鮮な海の幸を使った刺身や焼き物、揚げ物などが楽しめるほか、定食や、丼ものもそろいます。

いけすに入っている魚介に加えて、早い時間には、フライなどの惣菜も持ち帰り用に販売。人気なので、気になったら即ゲットするのがおすすめです。

一番人気のメニュー、海鮮丼
刺身のほか、フライや海老マヨなども乗った豪快な海鮮丼。

メニューのなかでも一番人気は、これでもかと言わんばかりに魚介を乗せた海鮮丼。この日は、ウチワエビ、車エビ、アジ、サヨリ、ヒオウギ貝など10種類以上の魚介がオンザライス。

丼からはみ出すほどのボリュームで1320円(みそ汁付き)というリーズナブルな価格も人気の秘密です。

塩バニラシェーク
塩バニラシェーク(300円)。塩バナナや塩いちごフレーバーもあります。

食後や湯上がりにぴったりのデザートもそろいます。塩バニラソフトクリームや塩バニラシェークは、店を出る人のほとんどが帰りの車の中で食べようと購入しているほど。

「店名の〈塩湯〉にかけて、塩を使ったスイーツを提供しているんですよ。とくに2021年の夏に誕生した塩バニラシェークは、塩を使うことで夏場は溶けやすくなってしまうソフトクリームを、いっそのことドリンクにして販売しようという逆転の発想から生まれました」と坂本さん。

実際に訪れてみて、新鮮な海の幸をリーズナブルに味わえ、さらに座敷なら海をすぐそばに感じることもできるのが、人気を集める理由だと実感しました。

予約できる? 混雑状況は? 塩湯の「待ち時間」事情

そんな大人気の食事処ですが、予約は不可となっています。到着時に満席の場合は受付表に記入をし、順番を待ちましょう。お店の左側にある建物が待ち合い用に開放されているので、空きがあればそこで座って待つこともできますよ。

坂本さんによると、受付表は開店の3時間前となる8時頃から出しているとのこと。「平日はあまりいませんが、休日は早くから来られる方がいらっしゃいます。待ち時間は平日で1時間ほど、休日は2時間くらいになりますかね」と教えてくれました。

塩湯は「海水風呂」! 家族風呂もある?

お風呂は、男女別に分かれた大浴場と貸切風呂が4室。後者は予約制ですが、空きがあれば当日でも利用可能なので、食事処の混み具合に応じて予約しても。

大浴場についている半露天風呂
男女別の大浴場には、それぞれ開放感抜群の半露天がついています。

大浴場は、木の風合いを生かした温もりを感じるつくり。さらに、扉の奥にはガラス張りの天井と大きな窓が開放感を与える半露天風呂も。窓の外には佐伯湾の雄大な景色が広がります。

ぬるくもなく、熱くもなくちょうどよい加減の湯を舐めると、想像以上にしょっぱく、海水だということを再確認。温泉に入るのとはまた違う意味で落ち着くのは、海水の成分が、お母さんのお腹の中の羊水とほぼ同じだから……かもしれません。

木が多用された内湯
内湯は木の温もりを感じるつくり。

「海水風呂と聞くと、湯上がりがベタベタするんじゃないかと思う方もいらっしゃるんですが、そんなことはないんですよ。むしろミネラルたっぷりの湯が肌をすべすべにしてくれて、体もぽかぽかになります」と坂本さん。

大浴場にはほかにも、サウナと海水をそのまま汲んだだけの水風呂もあり、サウナーならぜひ体験したいところです。

貸切風呂〈まる〉
丸い浴槽がかわらしい、貸切風呂〈まる〉。貸切風呂は1時間につき2000円。

貸切風呂は、は石という種類の石を床や浴槽に用いた〈は石〉のほか〈寝湯〉、浴槽の形を表した〈まる〉と〈しかく〉から選べます。

すべての貸切風呂の浴槽と洗い場は、2020年にリニューアルされました。なかでも、〈まる〉の浴槽には色とりどりのモザイクタイルが、床にはガラス玉が埋め込まれた、かわいらしいつくりになっています。

〈寝湯〉
〈寝湯〉は向かって左が寝転がって利用する寝湯で、右はもう少し深めの浴槽になっています。

それぞれに工夫を凝らした貸切風呂は、全室テラスを利用することが可能。海を眺めながら、温まった体を潮風でクールダウンするひとときも格別です。

営業時間・定休日・料金は? 基本情報まとめ

営業時間は食事処が11:00から20:30まで、お風呂が10:00から22:00までとなっています。毎週水曜日は定休日となるため、ご注意を。

お風呂の料金は大人500円、小人300円。家族風呂は1時間につき2000円で利用できます。

アクセス・駐車場・周辺スポットもチェック

〈塩湯〉までは、JR浅海井(あざむい)駅から大分バス(佐伯市コミュニティバス)で約4分、車なら約3分でアクセスできます。駐車場は、普通車20台ほどが停められるほどの広さです。

せっかく佐伯を訪れたら、ほかにも観光を楽しんでみませんか?

●豊後二見ヶ浦
初日の出スポットとして人気の豊後二見ヶ浦 は、〈塩湯〉から車で約5分の場所にあります。高さ17メートルの男岩と、高さ10メートルの女岩が巨大なしめ縄で結ばれている夫婦岩として有名なスポット。3月上旬と10月上旬には、夫婦岩の中央から日が昇る様子を見ることができるため、多くの人が訪れるといいます。

豊後二見ヶ浦の夕日
佐伯を代表する景勝地・豊後二見ヶ浦(ぶんごふたみがうら)。夫婦岩が、長さ約65メートル、重さ約2トン、最大直径約75センチのしめ縄で結ばれています。写真提供:大分県

●暁嵐の滝
大分百景のひとつである暁嵐(ぎょうらん)の滝 へも、車で5分ほどでアクセスできます。海岸からわずか500メートル足らずの場所にある滝は、全国的にも珍しいといわれています。滝の上にある展望台からは、日豊海岸の絶景も目にすることができますよ。

●九州オルレ さいき・大入島コース
時間に余裕があれば、「オルレ 」にもチャレンジしてみませんか? オルレとは、韓国・済州(チェジュ)島発となるトレッキングのこと。済州オルレの姉妹版となる「九州オルレ」として整備されたコースが大分県にはふたつあり、そのひとつが「さいき・大入島(おおにゅうじま)コース」です。

大入島
大入島へはフェリーで約7分で到着。大入島フェリー乗り場までは、〈塩湯〉から車で15分ほどでアクセスできます。写真提供:大分県

周囲17キロメートルの小さな島の名所を、総距離10.5キロメートル、所要時間3~4時間ほどでめぐるコースとなっており、ちょっとディープな佐伯観光としてもおすすめです。

まとめ|「海の幸×リラックス」なら〈塩湯〉がおすすめ!

大分県外からはなかなかアクセスしづらいロケーションながら、一度は訪れてみたい〈天然海水風呂 塩湯〉。絶品の海の幸とミネラルたっぷりの海水風呂でリラックス、両方を堪能したい方におすすめのスポットです。

Information
天然海水風呂 塩湯
address:大分県佐伯市上浦大字浅海井浦2920-3
tel:0972-27-8309
access:JR浅海井(あざむい)駅から大分バス(佐伯市コミュニティバス)で約3分、バス停「運動公園前」下車徒歩1分
営業時間:お風呂 10:00~22:00、食事処 11:00~20:30
定休日:水曜
入浴料:大人500円、小人300円
web:関連リンク┃大分県観光情報公式サイト 塩湯

※価格はすべて税込みです

credit text:柿崎真英 photo:永禮 賢

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