一度は見たい! 大分県の夜景スポット6選
夜のとばりを彩る無数の光のきらめき。そこに住む人々の暮らしが生み出す夜の景色は、時に感動や驚きを与えてくれます。
そんな日本各地の美しい夜景を再発見または発掘して価値を与えるなどの活動を行うプロジェクト〈日本夜景遺産〉は、これまで大分県内6か所を夜景遺産に認定しています。今回は、この6つの夜景スポットをご紹介します!
大分を代表する夜景の名所〈十文字原展望台(じゅうもんじばるてんぼうだい)〉
別府市内にある8つの代表的な温泉地「別府八湯(べっぷはっとう)」の1つに数えられる明礬(みょうばん)温泉から、少し高台に登った場所にある十文字原高原。別府湾を見晴らす場所には展望台があり、天気がよい日は別府市のみならず大分市や国東半島、さらには四国まで望むことができます。
そんな絶好の眺望を誇るこの場所は、大分県随一の夜景スポットとして知られています。ネオン輝く別府市街地など、湾岸部を中心に広がる光の連なりが見どころです。夕暮れ時から、日が暮れて間もない黄昏時、深夜と、時間の経過とともに移ろいゆく色彩を感じながら絶景を満喫できるでしょう。別府市街地から車で30分ほどとアクセスもよく、駐車場も完備されているため、気軽に足を運べる点も評価のポイントです。
竹ぼんぼりが城下町をライトアップ〈うすき竹宵(たけよい)〉
大分県南東部に位置する臼杵(うすき)市で、毎年11月に行われるイベント〈うすき竹宵〉。国宝・臼杵石仏をつくったとされる真名長者(まなのちょうじゃ)の伝説をもとに、都から両親の元へ里帰りする般若姫(はんにゃひめ)の御霊(みたま)を迎える様子を再現した行事です。期間中は、約2万本の竹ぼんぼりが臼杵城のおひざ元に位置する城下町、二王座(におうざ)周辺を灯します。
このイベントが竹ぼんぼりの発祥と言われていることや、地域活性化、竹林再生、循環型社会の構築などを目的にスタートした背景などが評価され、2020年に〈第16回日本夜景遺産〉のライトアップ夜景遺産部門に選ばれました。
別府を象徴する景観を堪能〈湯けむり展望台〉
別府市街地から車で20分ほどの鉄輪(かんなわ)地区にある展望台。温泉の蒸気が湯けむりとなり、まちのあちこちから立ち上る様子を一望できる人気の観光スポットです。この光景は、NHKによる〈21世紀に残したい日本の風景百選〉で富士山に次ぎ、全国2位に選出されました。
夜には鶴見岳(つるみだけ)や扇山(おうぎやま)の暗闇を背景に、温泉街の明かりのなかに立ち上る湯けむりの光景が楽しめます。土・日・祝日にはライトアップが行われ、色とりどりにきらめく光に照らされた湯気とまち並みがつくり出す絶景を堪能することも。なかでも、大気との温度差によってはっきりと見える冬の寒い日がおすすめです。
世界的建築家が設計を手がけた展望施設〈グローバルタワー〉
別府国際コンベンションセンター〈ビーコンプラザ〉にある展望施設。空に向かって弧を描く柱が特徴的なデザインは、大分県出身の建築家・磯崎新(いそざきあらた)の設計によるものです。
地上100メートルにあたる柱の先端付近につくられた展望台は、まるでガラス箱のよう。天井部分はワイヤーを張っただけのオープンエアになっているので、夜風を感じながら市街地のネオンや温泉街から立ち上がる湯けむりなどの景色をすぐ近くに見ることができます。
中津の夜景を一望できる八面山(はちめんざん)
中津市のシンボルである八面山は、四方八方どこから見ても同じような形に見えることから、この名がついたと言われています。日本夜景遺産に選ばれたのは、2016年のこと。当時は、標高200メートル付近に建つ宿泊・研修施設〈ふるさと回想館 八面山荘〉にある、誰でも利用可能な展望デッキが夜景鑑賞に最適なスポットとして評価されました。
現在は、2020年に完成した展望デッキ〈天空の道展望所〉が人気の夜景スポットになっています。標高512メートル地点から望む景色は、180度見渡せる大パノラマ。中津市や隣接する福岡県豊前(ぶぜん)市を照らす光が海岸線に沿って帯のように輝く幻想的な景観が楽しめます。デッキにはスロープや足元灯が設けられているほか、車でも行くことができるため、夜間でも安心して利用できます。
デートスポットとしても人気〈別府湾サービスエリア〉
別府市にある大分自動車道のサービスエリア。由布院の御三家宿の1つ〈山荘 無量塔(むらた)〉がプロデュースを手がけた施設としても有名です。湯布院方面に向かう上り線と別府方面に向かう下り線をつないだ遊歩道には、飲食施設や〈鳥になれる見晴らし台〉と呼ばれる展望スポットが点在。
標高380メートルに位置する見晴らし台からは別府湾が一望でき、海から昇る朝日など一日中美しい景色を眺めることができます。日が暮れると、別府湾の海岸線に沿ってきらめく光の絶景が現れます。この場所は、〈恋人の聖地プロジェクト〉によって“恋人の聖地”にも認定。それを示す、ハートのリングを表現したモニュメントが設置されています。
web:日本夜景遺産
credit text:柿崎真英