地域の魅力を感じながら夏を満喫!
【2024年度版】大分の夏祭り7選
今年もこの季節がやってきました! 全国各地で開催される「夏祭り」は、日本の夏に欠かせない風物詩。さまざまな地域に根づいた伝統あるお祭りは、目にするだけでその土地の魅力を感じられるものです。そこで、今回は大分県を代表する7つの夏祭りを紹介します。
(2024年7月17日情報更新)
豪華絢爛な山鉾(やまぼこ)が日田のまちを彩る〈日田祇園〉
疫病や風水害などの災いを払い、安泰を祈念する神事で、約300年の伝統を誇る〈日田祇園〉。
臼杵祇園まつり・中津祇園と並び、大分の三大祇園まつりのひとつに数えられています。なかでも、日田の祇園祭は豪華絢爛な山鉾が最大の特徴といえます。
義経千本桜や連獅子など歌舞伎や人形浄瑠璃の一場面を題材に、毎年つくり替えられる飾り物で彩られた山鉾のなかには、高さ10メートルを超えるものもあるとか。
そんな煌びやかな山鉾が、祇園囃子(ぎおんばやし)の音色とともに隈・竹田地区、江戸時代のまち並みが残る豆田地区をそれぞれ巡行します。また、夜になると提灯を飾り付けた優雅な晩山の巡行が行われ、昼とはまた違った表情を見ることができます。
〈日田祇園〉は毎年7月20日を過ぎた土・日曜に開催され、今年は7月20日~21日に行われます。
例年、その1週間前には「日田祇園山鉾集団顔見世」も実施されます(2024年は雨天により中止)。1990(平成2)年につくられた、比較的新しい平成山鉾をはじめ、2つの地区を巡行する山鉾がずらりと並ぶ光景は圧巻です。
開催期間:2024年7月20日(土)~21日(日)
address:豆田地区、隈・竹田地区
tel:0973-22-8210(日田市観光課)、0973-22-2036(日田市観光協会)、0973-24-6453(日田祇園山鉾会館)
web:日田祇園特設サイト
杵築(きつき)の城下町で300年続く夏の風物詩〈杵築天神祭り〉
300年以上もの歴史を持つ〈杵築天神祭り〉。毎年7月24日~25日に、〈杵築天満社〉と城下町を舞台に開催されます。
「宵宮(よいみや)」と呼ばれる24日には、〈杵築天満社〉で踊りや太鼓の奉納があります。このとき、神様のために最もよい場所で披露しようという想いから、踊り手や太鼓の叩き手が激しい場所取りを繰り広げる様子も見どころとなっています。
その後、21時頃から〈杵築天満社〉にほど近い坂の中腹まで段尻(だんじり)を出し、その舞台から神様に向かって舞を奉納する「御神納(ごしんのう)」が行われます。
翌25日の「大祭」では、〈杵築天満社〉での神事のあと、人々が御旅所(おたびしょ)を目指して、神輿(みこし)や山車などとともに城下町を練り歩く御神幸が行われます。
日中の「御下り」・夜の「御上り」と1日に2回行われる御神幸のなかでも、「御上り」は大祭最大の見どころ。山車がぶつかり合う場面は迫力満点です。見物客たちも沸きに沸いて、祭りのボルテージは一気に最高潮に達します。
開催期間:2024年7月24日(水)~25日(木)
開催時間:24日は19:00~、25日は9:00~
address:杵築天満社(大分県杵築市南杵築260)および城下町一帯
tel:0978-63-0100(杵築市観光協会)
web:杵築天神祭り
ユネスコ無形文化遺産にも登録された太鼓踊り〈吉弘楽(よしひろがく)〉
吉弘楽は、国東(くにさき)市武蔵町にある〈楽庭(がくにわ)八幡社〉に伝わる楽打ちです。天下泰平・国土安穏・五穀豊穣・虫害防除を祈願するため、毎年7月の第4日曜日に行われます。
起源は南北朝時代といわれており、総勢49人から成る楽人(がくと)が太鼓を打ち鳴らしながら踊る「太鼓踊り」を披露します。
楽人たちは腰蓑を身に着け、頭には兜(かぶと)や烏帽子(えぼし)などをかぶり、背中に旗差物(はたさしもの)を差した姿で、「ツグリ」と呼ばれる14の演目を1時間ほどかけて演じます。
すべての演目が終了すると、旗差物の先につけた御幣(ごへい)が氏子に配られます。氏子はそれを水田に立てて、その年の虫封じのお守りにするといいます。
この風流踊(ふりゅうおどり)は、1996年に国の重要無形民俗文化財に指定されたほか、2022年にはユネスコ無形文化遺産に登録されました。
神輿発祥の地で伝統ある神輿行列を鑑賞〈御神幸祭〉
毎年7月31日・8月1日・2日に開催される〈宇佐神宮〉の恒例祭典〈御神幸祭〉。
「宇佐夏越(なごし)祭り」という呼び名でも知られていますが、古くは「御祓会(おはらいえ)」と称し、疫病を除き、災厄を防ぐとともに、八幡総本宮として国家国民の安寧を祈願する催しとして、平安時代からすでに行われていたという記録が残っているほど歴史のある祭りです。
祭りの1日目となる7月31日には、本殿から3所のご神体が3基の神輿に乗って、境内の上宮(じょうぐう)から頓宮(とんぐう)まで御神幸される「お下り」があり、その後ご神体と神輿が頓宮で3日2夜を過ごされたあと、最終日の8月2日に頓宮から上宮へ御還幸される「お上り」が行われます。
その際、歴史装束に身を包んだ稚児や奉行、道行囃子らが神輿と一緒に練り歩きます。
また、中日となる8月1日には境内の大尾山(おおおやま)参道で流鏑馬神事が、最終日には祭りのフィナーレとして厄除花火大会が行われます。
そのほか、屋台の出店があったり、ショーやライブといったステージイベントも実施されたりと、見どころ満点の3日間となりそうです。
開催期間:2024年7月31日(水)~8月2日(金)
開催時間:7月31日は10:00~、8月1日は9:45~、2日は10:00~
address:大分県宇佐市南宇佐2859
tel:0978-33-3433(宇佐夏越祭り振興協議会事務局) ※対応時間は平日8:30~17:15
web:宇佐神宮 公式ホームページ、宇佐夏越祭り
大分県内最大級の夏祭りとして知られる〈大分七夕まつり〉
JR大分駅前に広がる市街地を舞台に、毎年8月第1週の週末2日間に開催される〈大分七夕まつり〉。この期間は、商店街が趣向を凝らした色鮮やかな七夕飾りで彩られ、道行く人を楽しませます。また、中央通りにある〈48万人の広場〉がメイン会場となり、さまざまなイベントが行われます。
なかでも見どころは、初日の夜に行われる「府内戦紙(ふないぱっちん)」。武者姿や昇り龍を模った、勇壮でダイナミックな照明入りの山車行列が威勢よく練り歩きます。
2日目は会場が歩行者天国となり、場内を自由に行き来しながら、おおいたチキリンばやし市民総踊りや太鼓大会、ラグビーの体験ができる催しのほか、終盤には幻想的な空間の中、フィナーレが行われます。
なお、今年の花火大会は〈おおいた「夢」花火2024〉と題して、8月31日(土)19時30分から大分川弁天大橋上流で開催される予定です。
開催期間:2024年8月2日(金)~3日(土) ※雨天決行、荒天中止
開催時間:2日は18:30~21:00、3日は18:30~21:20
address:大分市中央通り〈48万人の広場〉ほか市内中心部(大分県大分市中央町)
tel:097-537-5959(大分市役所商工労働観光部商工労政課)
web:大分七夕まつり
“島が沈む”といわれるほど多くの人々で賑わう〈姫島盆踊り〉
国東半島の沖合に浮かぶ姫島(ひめしま)は、人口約1800人の小さな島。この島で、毎年8月14日から16日までの3日間開催されるのが〈姫島盆踊り〉です(16日は供養盆のため、各地区の盆坪でのみ開催)。
国選択無形民俗文化財に認定されており、お盆の姫島は見物客で島が沈むといわれるほどの賑わいを見せます。
この盆踊りの歴史は古く、鎌倉時代の念仏踊りから派生したものといわれています。踊りには伝統踊りと創作踊りの2種類があり、「キツネ踊り」などの伝統踊りが今なお地域の人々によって踊り継がれています。
また、新しい創作踊りもユーモアや趣向を凝らした衣装などで見る人を楽しませてくれます。毎年14日・15日は、フェリーの夜間臨時便が運航されるほど、特に賑わいます。
開催期間:2024年8月14日(水)~16日(金)
開催時間:19:00~
address:中央広場(14日・15日のみ)、各地区盆坪
tel:0978-87-2279(姫島村水産・観光商工課)
web:姫島村 公式ホームページ
石仏が炎に照らされ、幽玄な世界に包まれる〈国宝臼杵石仏火まつり〉
臼杵石仏がある深田の里で、毎年8月の最終土曜日に行われる〈国宝臼杵石仏火まつり〉。地元に古くから伝わる虫送りや豊作祈願、地蔵祭りを発展させた祭りで、石仏の周辺一帯がかがり火や約1000本の松明(たいまつ)で彩られます。
平安時代後期から鎌倉時代にかけて彫刻されたといわれている臼杵石仏は、その規模と数量、また彫刻の質の高さにおいて、日本を代表する石仏群として、1995年に59体が国宝に指定。そして、2017年に2体の金剛力士立像が国宝に追加指定されたことで、61体すべての磨崖仏(まがいぶつ)が国宝に指定されました。
そんな61体の磨崖仏が炎に照らされ、暗夜に浮かぶ姿は幻想的で、訪れた人々を幽玄の世界へと誘います。また、今年は会場でかぼすの無料配布や、太鼓の演奏なども行われます。
credit text:柿崎真英