日田祇園の山鉾
ニュース&コラム

4年ぶりに待望の開催も! 大分の夏祭り5選

Posted 2023.07.14
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今年もこの季節がやってきました! 全国各地で開催される「夏祭り」は、日本の夏に欠かせない風物詩。ここ数年は、コロナ禍の影響で開催が見送られるものもありましたが、今年は多くの夏祭りが復活の兆しを見せています。そこで、今回は大分県を代表する5つの夏祭りを紹介します。

豪華絢爛な山鉾(やまぼこ)が日田のまちを彩る〈日田祇園〉

日田祇園の山鉾
男衆による引き回しの技術にも注目です。

疫病や風水害などの災いを払い、安泰を祈念する神事で、約300年の伝統を誇る〈日田祇園〉。臼杵祇園まつり・中津祇園と並び、大分の三大祇園まつりのひとつに数えられています。なかでも、日田の祇園祭は豪華絢爛な山鉾が最大の特徴といえます。

日田祇園の晩山
提灯の灯りでライトアップされる晩山は祭りのメインともいえます。

義経千本桜や連獅子など歌舞伎や人形浄瑠璃の一場面を題材に、毎年つくり替えられる飾り物で彩られた山鉾のなかには、高さ10メートルを超えるものもあるとか。そんな煌びやかな山鉾が、祇園囃子(ぎおんばやし)の音色とともに隈・竹田地区、江戸時代のまち並みが残る豆田地区をそれぞれ巡行します。また、夜になると提灯を飾り付けた優雅な晩山の巡行が行われ、昼とはまた違った表情を見ることができます。

日田祇園山鉾集団顔見世
集団顔見世の様子。2つの地区の山鉾を同時に見ることができるのは、この日だけ。

〈日田祇園〉は毎年7月20日を過ぎた土・日曜に開催され、今年は7月22日~23日に行われます。その1週間前となる7月16日には「日田祇園山鉾集団顔見世」も実施。1990(平成2)年につくられた、比較的新しい平成山鉾をはじめ、2つの地区を巡行する山鉾がずらりと並ぶ光景は圧巻です。

Information
日田祇園
開催期間:2023年7月22日(土)~23日(日) ※日田祇園山鉾集団顔見世は7月16日(日)18:00~20:30(予定)
address:豆田地区、隈・竹田地区 ※日田祇園山鉾集団顔見世はJR日田駅前
tel:0973-22-8210(日田市観光課)、0973-22-2036(日田市観光協会)、0973-24-6453(日田祇園山鉾会館)
web:日田祇園特設サイト

神輿(みこし)発祥の地で伝統ある神輿行列を鑑賞〈御神幸祭〉

流鏑馬神事
8月1日に行われる流鏑馬神事(やぶさめしんじ)。

毎年7月31日・8月1日・2日に開催される〈宇佐神宮〉の恒例祭典〈御神幸祭(ごしんこうさい)〉。「宇佐夏越(なごし)祭り」という呼び名でも知られていますが、古くは「御祓会(おはらいえ)」と称し、疫病を除き、災厄を防ぐとともに、八幡総本宮として国家国民の安寧を祈願する催しとして、平安時代からすでに行われていたという記録が残っているほど歴史のある祭りです。

神輿行列
神輿発祥の地とされる宇佐神宮の神輿行列は必見の価値あり。

祭りの1日目となる7月31日には、本殿から3所のご神体が3基の神輿に乗って、境内の上宮(じょうぐう)から頓宮(とんぐう)まで御神幸される「お下り」があり、その後ご神体と神輿が頓宮で3日2夜を過ごされたあと、最終日の8月2日に頓宮から上宮へ御還幸される「お上り」が行われます。その際、歴史装束に身を包んだ稚児や奉行、道行囃子らが神輿と一緒に練り歩きます。

厄除花火大会
約1000発の花火が夜空を彩ります。

また、中日となる8月1日には境内の大尾山(おおおやま)参道で流鏑馬神事が、最終日には祭りのフィナーレとして厄除花火大会が行われます。さらに、今年は屋台の出店だけでなく、ショーやコンテストといったステージイベントも4年ぶりに実施されるなど、見どころ満点の3日間となりそうです。

Information
御神幸祭(宇佐夏越祭り)
開催期間:2023年7月31日(月)~8月2日(水)
開催時間:7月31日は宇佐神宮大祭行事のみ、8月1日は16:00~20:00、2日は16:20~21:00
address:大分県宇佐市南宇佐2859
tel:0978-33-3433(宇佐夏越祭り振興協議会事務局) ※対応時間は平日8:30~17:15
web:宇佐神宮 公式ホームページ宇佐夏越祭り

大分県内最大級の夏祭りとして知られる〈大分七夕まつり〉

府内戦紙
山車が練り歩く「府内戦紙(ふないぱっちん)」。

JR大分駅前に広がる市街地を舞台に、毎年8月第1週の週末3日間に開催される〈大分七夕まつり〉。この期間は、商店街が趣向を凝らした色鮮やかな七夕飾りで彩られ、道行く人を楽しませます。また、中央通りにある〈48万人の広場〉がメイン会場となり、さまざまなイベントが行われます。

なかでも見どころは、初日の夜に行われる「府内戦紙(ふないぱっちん)」。武者姿や昇り龍を模った、勇壮でダイナミックな照明入りの山車行列が威勢よく練り歩きます。

おおいたチキリンばやし市民総踊り
大分市民の間で長年親しまれている「おおいたチキリンばやし」。

2日目は会場が歩行者天国となり、場内を自由に行き来しながら、おおいたチキリンばやし市民総踊りや太鼓大会、ラグビーの体験ができる催しのほか、終盤には幻想的な空間の中、フィナーレが行われます。そして、3日目は〈大分合同新聞スマイル花火プロジェクト〉として、場所を告知せず、大分市の複数箇所でサプライズ花火が打ち上げられます。

Information
第42回大分七夕まつり
開催期間:2023年8月4日(金)~6日(日) ※雨天決行、荒天中止
開催時間:18:30~21:20(8月4日~5日のみ)
address:大分市中央通り〈48万人の広場〉ほか市内中心部
tel:097-537-5959
web:大分七夕まつり

“島が沈む”といわれるほど多くの人々で賑わう〈姫島盆踊り〉

姫島盆踊りの様子
踊り手は、中央広場や各地区の盆坪(踊り場)を廻って踊り歩きます。

国東(くにさき)半島の沖合に浮かぶ姫島(ひめしま)は、人口約1800人の小さな島。この島で、毎年8月14日から16日までの3日間開催されるのが〈姫島盆踊り〉です(16日は供養盆のため、各地区の盆坪でのみ開催)。

国選択無形民俗文化財に認定されており、お盆の姫島は見物客で島が沈むといわれるほどの賑わいを見せます。

キツネ踊りを踊る参加者
キツネに扮した子どもたちが跳ね回る「キツネ踊り」。

この盆踊りの歴史は古く、鎌倉時代の念仏踊りから派生したものといわれています。踊りには伝統踊りと創作踊りの2種類があり、「キツネ踊り」などの伝統踊りが今なお地域の人々によって踊り継がれています。

タヌキ踊りを踊る参加者
創作踊りのひとつ「タヌキ踊り」もユニーク。

また、新しい創作踊りもユーモアや趣向を凝らした衣装などで見る人を楽しませてくれます。毎年14日・15日は、フェリーの夜間臨時便が運航されるほど、特に賑わいます。

Information
姫島盆踊り
開催期間:2023年8月14日(月)~16日(水)
開催時間:19:15~
address:中央広場(14日・15日のみ)、各地区盆坪
tel:0978-87-2279(姫島村水産・観光商工課)
web:姫島村 公式ホームページ

石仏が炎に照らされ、幽玄な世界に包まれる〈国宝臼杵石仏火まつり〉

炎に照らされる摩崖仏
約800年前から伝わる、伝統ある祭りです。

臼杵石仏がある深田の里で、毎年8月の最終土曜日に行われる〈国宝臼杵石仏火まつり〉。地元に古くから伝わる虫送りや豊作祈願、地蔵祭りを発展させた祭りで、石仏の周辺一帯がかがり火や約1000本の松明(たいまつ)で彩られます。

かがり火や松明で灯される深田の里周辺
約1000本の松明に一斉に火が灯される瞬間は幻想的。

平安時代後期から鎌倉時代にかけて彫刻されたといわれている臼杵石仏は、その規模と数量、また彫刻の質の高さにおいて、日本を代表する石仏群として、1995年に59体が国宝に指定。そして、2017年に2体の金剛力士立像が国宝に追加指定されたことで、61体すべての磨崖仏(まがいぶつ)が国宝に指定されました。

炎に照らされる摩崖仏
参道や石仏公園内にも、約5メートルおきに松明が立てられます。

そんな61体の磨崖仏が炎に照らされ、暗夜に浮かぶ姿は幻想的で、訪れた人々を幽玄の世界へと誘います。また、今年は会場でかぼすの無料配布や、太鼓の演奏なども行われます。

Information
国宝臼杵石仏火まつり
開催日:2023年8月26日(土) ※雨天の場合は8月27日(日)に順延
開催時間:17:00~(点火は19:00)
address:国宝臼杵石仏周辺(大分県臼杵市深田)
web:国宝臼杵石仏 公式ホームページ

credit text:柿崎真英

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