別府市〈レストラン東洋軒〉で
とり天の元祖を満喫!
別府で創業95年。とり天の元祖を味わう
〈レストラン東洋軒〉
別府市や大分市を中心に、県内全域で食べられているご当地チキン、とり天。いわゆる鶏肉の天ぷらですが、使う鶏の部位や味付け、衣のタイプ、つけダレなどが各店で異なることから、そのバリエーションは豊富。レストランから町中華、うどん店まで、さまざまなジャンルのお店で味わえるのも魅力です。
そんなソウルフードの発祥の地とされるのが、別府にある〈レストラン東洋軒〉。東京の〈帝国ホテル〉などで修業を積んだフランス料理のシェフ、宮本四朗さんが大正15年(1926)に創業した老舗です。
大分初のレストランとして、西洋料理と中華料理の両方を提供していた同店で、とり天がメニューに登場したのは昭和初期のこと。初代が中華料理を和風にアレンジしたひと皿で、当時は、炸鶏丸(鶏ノカマボコノ天麩羅)と呼ばれていたとか。
今では3代目の宮本博之さんが切り盛りする〈レストラン東洋軒〉のとり天は、九州産若鶏のもも肉の皮をすべて取り除き、繊維に沿ってそぎ切りにした細長い形が特徴。「地元の醬油蔵に特注した醬油に、ニンニク、ゴマ油を加えてつくるタレにひと晩漬け込んだ後、衣をつけて油でカラリと揚げると、ふっくらとした、口の中でホロホロとほどけるやわらかさに仕上がるんです」と、料理長の冨永勇太さんは話します。
サクッとした軽い食感を出すために、衣に水を加えないのもポイント。九州産の朝どれ卵と小麦粉、片栗粉でできた黄金色の衣に包まれたとり天は軽やかで、噛むとニンニクとゴマ油の香りがふわっと広がります。
「お好みで、かぼす酢醬油とからしをつけて召し上がってください」とは、4代目の稲尾愛子さん。伝統の味は、脈々と受け継がれているようです。
※価格はすべて税込
大分ならではのご当地チキンを味わうなら!
【 ハイクオリティすぎる
大分のご当地チキン 】
credit text:坂本 愛 photo:木寺紀雄