湯けむりが立ち上る金鱗湖
連載|大分じかん

真っ白な霧が一面を覆い尽くす
「由布院の朝霧」 | Page 2

Posted 2021.01.29
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伝説の湖で神秘的な光景に出合う

周囲約400メートル、水深約2メートルの小さな湖、金鱗湖は由布院のランドマーク。地底から清水と温泉が湧き出すことから一年を通して水温が高く、寒い日の早朝には湖面から湯けむりがもくもくと立ち上る様子を見ることも。朝霧に比べると、高確率で現れることもあり、観光客に人気のスポットでもあります。

金鱗湖
湖面全体から白い湯けむりが立ち上る金鱗湖。その名前は明治期の儒学者・毛利空桑が、湖で泳ぐ魚の鱗が夕日で金色に輝くのを見て名づけたといわれています。
天祖神社の鳥居
湯けむりの中に厳かに佇む鳥居は、金鱗湖に隣接する天祖神社のもの。明治期の廃仏毀釈により、佛山寺から移されたとか。

手を入れてみると、確かに少し温かく感じる湖の水は透明で、コイやフナなど大小さまざまな魚が泳ぐ姿が見られます。

まだ日が昇りきらない早朝には、水浴びするカイツブリのパシャパシャという羽音や魚の飛び跳ねる音に耳を澄まし、由布岳の山頂が明るくなる頃には、朝日に照らされてキラキラと輝きながら、自在に姿を変える湯けむりを眺める。

狭霧展望台からの眺め
狭霧展望台から由布院の町を見たところ。市街地から車で10分ほどの狭霧展望台は、由布岳を間近に見られるベストスポット。

思う存分、白い世界を体験したら、由布院のもうひとつの楽しみである温泉へ。すっかり冷えた体が温まる頃には、まちもいつもの表情を取り戻しているに違いありません。

Information
金鱗湖
address:大分県由布市湯布院町川上1561-1
access:JR由布院駅から徒歩約20分
由布院までのアクセス:大分空港からJR由布院駅前へは高速バスで約1時間。別府駅から由布院駅前バスセンターはバスで約1時間10分。

credit text:坂本 愛 photo:木寺紀雄

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