料理中の冷水さん
連載|大分の“おいしい”を探して

料理家・冷水希三子がつくる、
姫島車えびのセビーチェと豆鼓蒸し | Page 2

Posted 2021.06.29
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2品目は、豆鼓を使って中華風のごちそうに仕上げる「車えびの豆鼓蒸し」です。生で食べられる車えびだからこそ、火を入れると一層贅沢な味わいに。焼いたり炒めたりするよりも蒸すことで、車えびの繊細な身の甘さを感じられるようになるんだとか。

「まずセビーチェをつくる時と同じように車えびの背ワタを取り、殻をむかずに調理します。車えびの背に沿って殻ごと身に切り込みを入れ、腹側はつないだまま背開きに」

車えびを背開きにする
背ワタをとった車えびは腹を下にして置き、背筋にそって包丁をいれて背開きにします。

次に、タレを準備します。ショウガ、ニンニク、長ネギ、梅干しはすべてみじん切りにして、豆鼓、酒、醤油、砂糖、ごま油、酢を加えて混ぜ合わせます。耐熱皿に車えびを並べて、このタレと酒をかけ、湯を沸かした蒸し器に入れて蒸せばOKです」

タレと酒をかける
背開きにした車えびは、身を上にして耐熱皿に並べ、タレと酒をまんべんなくかけて蒸し器へ。
蒸しあがり
蒸し器にかけて5~6分で完成。蓋を開けると蒸気とともに車えびの甘い香りが立ち上ります。

「ここでつくったタレは、ほかの料理にも応用できる万能タイプ。炒め物の味つけに使ったり、肉を焼いて仕上げにかけたりするのもおすすめです。えび味噌も残さずに食べてくださいね。タレと合わさった味噌は、蒸すことでコクが増して濃厚な甘さを感じられますから」

タレの材料
豆鼓以外のタレの材料はすべてみじん切りに。

車えびの殻をむいて身だけ食べるか、薄く軟らかい殻のまま食べるかはお好みで。身の甘さが口の中でジュワッと広がると、一気に幸せな気分に。えび味噌の風味もたまりません。

お皿に残ったタレは、車えびのエキスが加わり極上のスープのような味わい。炊きたてのご飯にほんの少したらして食べるのもおすすめです。

完成した姫島車えびの豆鼓蒸し
車えびを皿に盛り付け、耐熱皿に残ったタレをかけます。刻んだ万能ネギがあれば彩りに散らします。

冷凍のえびを使う場合は加熱調理が一般的ですが、〈姫島車えび〉は解凍後に生のまま食べられるのが魅力。生でぷりっとした食感を楽しむことも、火を入れて甘さと旨みが増した身を味わうこともできるからうれしい。

冷凍庫に常備しておけば、思い立った時にいつでも旬の車えびのおいしさに出合えます。自宅に友人を招いた時など、手料理の一品に加えればテーブルが一気に華やかに。

Recipe 1
車えびのセビーチェ
材料
・車えび …… 5尾
[A]

塩 …… 小さじ1/2
ライム汁 …… 大さじ2
水 …… 20ml
酒 …… 小さじ2
・ハラペーニョ酢漬け …… 10g(青唐辛子やタバスコで代用可)

・パクチー(香菜) …… 1株
・赤玉ネギ …… 1/8個(なければ、同量の玉ネギ)
・トウモロコシ …… 1/2本
・ミニトマト …… 5個
作り方
1 車えびは背わたを取ってから殻をむき、半分の長さに切っての材料と一緒にボウルに合わせておく。
2 ハラペーニョ、パクチーはみじん切り、赤玉ネギはスライスしてからざく切りにし、水に10分ほどさらして水気を切っておく。トウモロコシは茹でるか蒸してから、包丁で芯から身を削ぐ。
3 のボウルに、ミニトマトを手で割ってつぶしながら入れ、の材料も加えて混ぜる。塩味が足りなければ塩少々を加えて混ぜる。
4 ボウルにラップをして1時間ほど冷蔵庫で冷やしてから食べる。
Recipe 2
車えびの豆豉蒸し
材料
・車えび …… 5尾
・酒(紹興酒) …… 大さじ2
[A]

ショウガ…… 1片
ニンニク…… 1/2片
長ネギ …… 5cm
梅干し …… 8g
豆鼓 …… 10g
酒(紹興酒) …… 大さじ1と1/2
醤油 …… 大さじ1
砂糖 …… 大さじ1/2
ごま油 …… 大さじ1
酢 …… 小さじ1
作り方
1 車えびは背わたを取り、背中から切り込みを入れて開く。
2 のショウガ、ニンニク、長ネギ、梅干しをみじん切りにして、残りの材料を加えて混ぜる。
3 耐熱皿に車えびを並べ、のタレを大さじ2、酒大さじ2をかけ、蒸し器で5~6分蒸す。
Information
姫島車えび養殖オンラインショップ
web:姫島車えび養殖株式会社
冷水希三子さん
Profile 冷水希三子

料理家、フードコーディネーター。料理にまつわるコーディネート、スタイリング、レシピ制作を中心に、書籍、雑誌、広告などで幅広く活躍。うつわや盛り付けの美しさに定評がある。現在公開中の映画『青葉家のテーブル』に登場する料理の監修・制作を手がける。著書に『さっと煮サラダ』(グラフィック社)など。

credit text:池田祐美子 photo:長野陽一

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