生クリームにかぼすを絞っている
連載|大分の“おいしい”を探して

〈坐来大分〉で
日田梨の極上のひと皿を味わう!
シェフが教えるスイーツレシピも | Page 2

Posted 2025.09.17
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日田梨でアレンジ!
郷土料理が上品なスイーツに

続いては家庭でもできる、梨を使ったレシピをご紹介。大分県には小麦粉の生地と黒砂糖でつくる和風クレープのようなお菓子があり、日田地方では「へこ焼き」と呼ばれています。

「もともと家庭でつくられていたもの。発酵させなくていい生地なので、生地自体は簡単にできますよ」と、櫻井料理長が教えてくれたのは、日田梨を使ってへこ焼きを洋風にアレンジしたレシピです。

味のアクセントになるのは、かぼす。全国の生産量の9割が大分県産という、大分を代表する食材のひとつです。

器にたくさんのかぼすがのせられている
しいたけと並び、大分県の食のシンボルといえるかぼす。秋が最も香り高く、旬の時季には坐来大分でも毎年販売します。

「酸味のなかにほのかな甘みがあり、爽やかな香りのかぼすは、いまが旬。香りが一番鮮烈です。果汁だけでなく果皮も使います」

この料理を失敗しないコツについて櫻井シェフに尋ねると、「冷やすひと手間をしっかり行うこと」だと教えてくれました。

生クリームにかぼすを絞っている
生クリームにもかぼす果汁をたっぷり。

「生クリームは、氷水でボウルをしっかり冷やしながら立てると、滑らかに仕上がります。かぼす果汁を加えて混ぜたら、生地と合わせるまで冷やしておくのも大事です」

梨をくし型に切っている
さらに梨を薄切りに

日田梨は、くし型に切ったものを薄切りに。食べやすく、食感が繊細になり、ワンランク上の味わいになります。

フライパンにうすく広げられた、へこ焼きの生地
生地を薄く伸ばして焼きます。最初は強火で。
生地を手で裏返している
固まってきたら弱火にして裏返して焼きます。
生地に少し焼き目がついている

「フライパンで薄く焼いた生地も、粗熱を取ったら冷蔵庫で冷やしておく。生地が温かいと、熱で生クリームがゆるくなり、きれいに巻くことができません」

焼きあがったへこ焼きの生地に生クリームを絞っている
生クリームの上に切っておいた梨を並べている
生クリームと梨をきれいに並べて巻きます。
筒状に生地を巻いている様子

巻き方は、春巻きなどをつくるときと同じ。きれいな筒状になれば大成功です。

「そこですぐに食べたいところですが、ここでも一度、冷やす。冷やしてから切ると、断面がシャープに美しく仕上がります」

一口サイズに切り分けている

食べる直前に、かぼすピールを削りかければ、鮮やかなグリーンが目にも美しく、香りとほろ苦さのアクセントになります。

かぼすピールを削りかける様子

日田梨がひんやりとみずみずしく、薄切りの繊細な食感も心地よい。かぼすのアクセントが効いたさっぱりとした後味も魅力です。

小鹿田焼の皿に盛り付けられた「日田梨のへこ焼き」
「日田梨のへこ焼き」。しっかり冷やすことで見た目にも美しく口当たりも爽やかに。

へこ焼きの生地に生クリームと梨がのっている
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