
連載|大分の“おいしい”を探して
〈坐来大分〉で
〈坐来大分〉で
日田梨の極上のひと皿を味わう!
シェフが教えるスイーツレシピも | Page 2
日田梨でアレンジ!
郷土料理が上品なスイーツに
続いては家庭でもできる、梨を使ったレシピをご紹介。大分県には小麦粉の生地と黒砂糖でつくる和風クレープのようなお菓子があり、日田地方では「へこ焼き」と呼ばれています。
「もともと家庭でつくられていたもの。発酵させなくていい生地なので、生地自体は簡単にできますよ」と、櫻井料理長が教えてくれたのは、日田梨を使ってへこ焼きを洋風にアレンジしたレシピです。
味のアクセントになるのは、かぼす。全国の生産量の9割が大分県産という、大分を代表する食材のひとつです。

「酸味のなかにほのかな甘みがあり、爽やかな香りのかぼすは、いまが旬。香りが一番鮮烈です。果汁だけでなく果皮も使います」
この料理を失敗しないコツについて櫻井シェフに尋ねると、「冷やすひと手間をしっかり行うこと」だと教えてくれました。

「生クリームは、氷水でボウルをしっかり冷やしながら立てると、滑らかに仕上がります。かぼす果汁を加えて混ぜたら、生地と合わせるまで冷やしておくのも大事です」


日田梨は、くし型に切ったものを薄切りに。食べやすく、食感が繊細になり、ワンランク上の味わいになります。



「フライパンで薄く焼いた生地も、粗熱を取ったら冷蔵庫で冷やしておく。生地が温かいと、熱で生クリームがゆるくなり、きれいに巻くことができません」



巻き方は、春巻きなどをつくるときと同じ。きれいな筒状になれば大成功です。
「そこですぐに食べたいところですが、ここでも一度、冷やす。冷やしてから切ると、断面がシャープに美しく仕上がります」

食べる直前に、かぼすピールを削りかければ、鮮やかなグリーンが目にも美しく、香りとほろ苦さのアクセントになります。

日田梨がひんやりとみずみずしく、薄切りの繊細な食感も心地よい。かぼすのアクセントが効いたさっぱりとした後味も魅力です。

この記事をPost&Share