〈坐来大分〉で
ブランド牛 〈おおいた和牛〉を味わう!
家庭でできるレシピも紹介
山海の美味に恵まれた食材の宝庫・大分県。その魅力を東京にいながらにして味わい、体験できるレストラン型のアンテナショップ〈坐来大分〉。大分県の食材や調味料、工芸品を販売するギャラリーは気軽に立ち寄ることができ、レストランでは上質な県産食材を使った洗練された和食を楽しめます。

臼杵の老舗〈臼杵ふぐ 山田屋〉西麻布店などで研鑽を積んだ櫻井政義料理長の料理は、郷土の素朴な味がクリエイティブに再構築されていて、プレゼンテーションや味わいに、食材を育む土地や生産者へのリスペクトがにじみます。
今回は、櫻井料理長が惚れ込む食材を使ったひと皿をご紹介。同じ食材を使って、家庭でもできるレシピも教えてもらいました。
おおいた和牛の炭火焼きを
森の香りとともに
大分の食の豊かさを物語る食材のひとつに、〈おおいた和牛〉があります。おおいた和牛は、和牛の品評会で何度も日本一に輝いてきた豊後牛のリーディングブランド。その歴史が始まって100年目にあたる2018年に誕生しました。
大分県内で育てられた黒毛和種のうち、基準をクリアした生産農場で肥育された肉質4等級以上の逸品。米やビール粕など自然由来のものを配合した飼料で健やかに育てられています。温暖な気候と美しい水に恵まれた大分は、古くから畜産が盛んな地域。おおいた和牛は、100年以上続く大分県の畜産の歴史の賜物なのです。

豊かな自然環境のなかで育ち、肉質はきめ細かく、サシと赤身のバランスが絶妙。脂はさらりとしてしつこさがなく、さまざまな調理法で楽しめるのが魅力です。
「おおいた和牛は、坐来大分でも定番の食材です。部位はその時々で異なりますが、ご年配の方を中心に、脂が豊かなリブロースは特に人気です。赤身なら、味噌漬けにするなど、部位によって調理法を工夫しています」と、櫻井料理長。

どんな部位でも「使ってみよう」と思うのは、卸売り業者との信頼関係によるところが大きいと話します。
「竹田市の〈デリカミート吉野〉さんにお世話になっています。もともとお弁当屋さんとして創業したお店ですが、精肉の卸売りを始め、敷地内に加工場も新設するなど、県産食材の安定供給に力を注がれている。2代目が加わってから、『今日はこの部位どうですか?』といった最新情報がLINEで届くようになり、とても助かっています」
生産者を筆頭に、卸売り業者、料理人と、志の高いプロの連携があるのも大分の食の強みです。

現在、提供しているのは、シンプルに炭火焼にしたリブロースに、森の香りをまとわせた一品。
「お客様の前で煙を閉じ込めたガラスのフタを開け、スモーキーな香りをお楽しみいただきます」


ほのかな燻香をまとったおおいた和牛のつけ合わせは、原木しいたけと県産のグランドペチカ(じゃがいも)のソテー。


「器はしいたけの栽培にも使用するクヌギの木で、特別につくってもらったものです」

しいたけは質・量ともに他の追随を許さない、大分自慢の食材です。さらに原木栽培に使用されるクヌギの木は、地域の重要な産業である林業とも深い関わりを持つもの。
「クヌギの皿の自然な美しさ、同じ木で育まれる原木しいたけの旨み、木材に由来するスモーク香。感覚を研ぎ澄まし、大分の森を感じながら味わっていただけたらうれしいです」


