〈坐来大分〉で
ブランド牛 〈おおいた和牛〉を味わう!
家庭でできるレシピも紹介 | Page 2
塩麹漬けでステーキに!
郷土料理からヒントを得たつけ合わせも
続いて、家庭でもチャレンジできるおおいた和牛のレシピをご紹介します。ポイントは、櫻井料理長のアイデアで誕生した、臼杵エリアの郷土料理「きらすまめし」に着想を得たつけ合わせです。
「きらすまめしは、残りものの刺身などを豆腐の副産物であるおからにまぶした倹約料理。きらすまめしのようなもの、あるいはおからの原料である大豆で何か……と考えたときに、ひよこ豆の代わりに大豆でフムスをつくろうと思ったのです」
かつてキリシタン大名が南蛮貿易を行っていた臼杵には、海外文化の影響を受けたと思われる郷土料理があり、たとえば、くちなしの実を加えて黄金色に炊き上げる黄飯(おうはん)は、スペインのパエリアを模したという説があります。「きらすまめし」に、「海外文化を取り入れる精神」をかけ合わせたのが、今回教えてくれる「臼杵のフムス」というわけです。
実際のフムスは、乾燥ひよこ豆をニンニクと一緒に柔らかく炊いてペーストにしますが、より手軽に、今回は乾燥大豆ではなく豆腐を使ったレシピを教えてくれました。
「裏ごしして、ニンニクで炒めて、昆布出汁と塩麹を加え好みの硬さに仕上げます。これで大豆原料のペーストが完成します」




ここから、さらにひと工夫。一度冷やしたあとに、食感や味わいを豊かにする材料を加えます。
「刻んだ枝豆、白菜漬け、そして最後にかぼす果汁を少々。白菜漬けの発酵由来の酸味とかぼすの爽やかな酸味が重なり、肉料理のつけ合わせとして軽快なアクセントになります」


かぼすは、全国の生産量の9割を大分県が占める、大分の食のシンボルともいえる食材です。


主役のおおいた和牛は、フライパンでシンプルに焼くだけ。ですが、「2日前からの下準備が大事」と、櫻井料理長。ここでも、塩麹が登場します。発酵文化が根づく大分には、300年以上続く糀店がいまも残ります。
「あらかじめ塩麹漬けにしておくことで、柔らかく焼き上がり、旨みも増します」

焼き方のコツは、「外側からじわじわ火を入れるイメージで、弱火でゆっくり焼き、アルミホイルをかぶせて休ませる」ことだそう。
「アルミホイルのフタの中の温度が上がり、低温のオーブンのような状態になります。肉が膨らみ、指で押してしっかりと弾力を感じる状態が焼き上がりの目安です」



切って器に盛り、臼杵のフムスとリーフサラダを添えて完成。おおいた和牛の歯切れのよい肉質とさらりとした脂の旨みを、酸味の効いたフムスが引き立てます。


