OPAMのシンボルマークオブジェクトと並んで立つ宇賀なつみさん
特集|大分・臼杵カルチャー探訪

建築も醍醐味。宇賀なつみの
大分市アート&カルチャー探訪 | Page 2

Posted 2023.10.30
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特別な一冊と出合うブックカフェ
〈Bareishoten〉でコーヒーブレイク

〈Bareishoten(バレイショテン)〉の入口
店名の由来はゴッホの絵画作品『ジャガイモを食べる人々』から。

アートを堪能したら大分市美術館から車で6分ほどの場所にあるブックカフェ〈Bareishoten(バレイショテン)〉で、ひと休み。

壁一面に本が並ぶ
旅のお供に必ず本を持っていくという宇賀さん。最近読んだ本は朝井リョウ著の『正欲』(新潮社)。

『所有とは何か』(中央公論新社)などの観念的なテーマの本や自主制作のZINEまで、店内にはさまざまなジャンルの新刊が所狭しと並んでいますが、どこか偏っているセレクト。

店主の後藤邦孝さん曰く、明確な選書の基準やジャンルのセグメントはないのだそう。

「本棚はお客さんがつくってくれるものだと思っています。最初は私が読みたい本を選んでいたのですが、次第に常連さんの顔が浮かぶようになってきて。そのうち、私とお客さんの好みが混じり合ったラインナップになりました。ひとことで言うなら“Bareishotenっぽいもの”です」(後藤さん)

ふたり掛けのテーブル席
お店の一角にあるふたり掛けのテーブル席で、購入した本を読むことができます。

店内ではコーヒーやソフトドリンクのほかにも、手づくりサンドイッチやケーキ、アルコール、おつまみを用意。

カウンター席でコーヒーと読書を楽しむ宇賀さん
ひとりでゆっくりお茶しながら読書するなら、カウンター席が集中できそう。

「店主の方の琴線に触れた本が並んでいるので、店主の頭の中をちょっと覗けた気がしておもしろかったです。ほっとひと息つけるような、生活や暮らしに寄り添った本が多い印象でした」(宇賀さん)

Spot 02
Information
Bareishoten(バレイショテン)
address:大分県大分市金池町2-13-13 リザータ金池102
tel:090-9484-4542
access:JR大分駅府内中央口(北口)から徒歩約8分
営業時間:12:00〜22:00(木〜日曜)、18:00〜24:00(水曜)
定休日:月・火曜
備考:駐車場なし
web:Bareishoten公式サイト

世界的建築家・坂 茂設計の“開かれた”美術館
〈大分県立美術館 OPAM〉

大分市にはもうひとつ、押さえておきたい美術館があります。

世界的建築家の坂 茂(ばん しげる)氏が手がけた〈大分県立美術館〉、通称・OPAM(オーパム)です。

「OPAM」の文字がモニュメントになっている
〈大分県立美術館〉の欧文表記「Oita Prefectural Art Museum」の頭文字を用いたシンボルマーク。

坂氏は、世界各地の地震などによる災害で、建物の倒壊により人命が失われることに責任を感じ、紙筒を使った紙の仮設住宅やシェルターを展開。

その功績が讃えられ、2014年、建築界のノーベル賞とも呼ばれる「プリツカー賞」を受賞しました。

〈大分県立美術館 OPAM〉の外観

OPAMにも、そんな紙筒を用いたスポットがあるんです。
さっそく行ってみましょう!

内側から見た外壁。竹工芸をモチーフにしたデザイン
2〜3階の外壁は、大分の伝統である竹工芸をモチーフにしたモダンなデザイン。

普段美術館に足を運ぶ機会がない人でも気軽に立ち寄ってもらえるよう、「まちに開かれた縁側としての美術館」を目指したというOPAM。

1階は全面ガラス張りで外から中の様子が見えるように設計されており、無料で触れられるアート作品が充実しているので、フォトスポットが目白押しです。

巨大な起き上がり小法師の展示作品
1階に点在する色とりどりの巨大な起き上がり小法師『ユーラシアン・ガーデン・スピリット』(マルセル・ワンダース/2015年)。
体験型作品の歩けるプール
水をテーマにしたインタラクティブな体験型の歩けるプール『水府 覆水難収・フクスイオサメガタシ』(ミヤマケイ/2015年)。

なかでも坂氏の特徴がよく表れているのは、3階のホワイエ。

3階のホワイエ。天井は竹工芸の「六つ目編み」をイメージしたデザイン
天窓から降り注ぐ光がアート作品にスポットライトを当てていて、見る者を釘づけに。

大分県産の杉材を用いてつくられた斜め格子に組まれた天井は、大分の伝統工芸である竹工芸の「六つ目編み」をイメージさせるデザイン。床は大分県産の「日田石」が採用されています。

3階ホワイエに展示された作品を鑑賞する宇賀さん
ホワイエ中央には現代工芸作家3名、徳丸鏡子、礒﨑真理子、高橋禎彦の作品を展示。

「建築のデザイン性もさることながら、空間演出がすてき。自然光の入り方も美しいですよね」と宇賀さんも思わずうっとり。

そして、お待ちかねの紙筒でできたスポットはというと……

ミュージアムカフェ〈café Charité(カフェ シャリテ)〉のカウンターに座る宇賀さん
壁だけでなく、よく見たらテーブルもイスも紙筒!

2階にある地産地消をコンセプトにしたミュージアムカフェ〈café Charité(カフェ シャリテ)〉。

ラップフィルムの芯のような強度のある紙筒で囲まれた店内。多数の紙筒の穴により外の風景が丸く切り取られ、不思議な世界が広がっています。

Spot 03
Information
大分県立美術館 OPAM
address:大分県大分市寿町2番1号
tel:097-533-4500
access:JR大分駅府内中央口(北口)から徒歩15分
開館時間:10:00〜19:00(入場は18:30まで) 金・土曜は10:00〜20:00(入場は19:30まで)
休館日:無休
備考:屋外駐車場143台、地下駐車場107台あり ※いずれも有料
web:OPAM公式サイト

お食事処〈母家〉のカウンターに座る宇賀さん
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