城下町を着物でゆったり巡る。
宇賀なつみ、臼杵の歴史タイムトリップ
豊後水道に面した臼杵湾に囲まれ、美しい山並みも望める大分県臼杵市。
戦国時代、キリシタン大名である大友宗麟(おおともそうりん)が臼杵城を築城し、周辺はキリスト教布教や南蛮貿易により城下町として栄えました。
当時の面影が残る歴史深いこのまち並みを、ひとり旅のベテランであるフリーアナウンサーの宇賀なつみさんが巡ります。
老舗〈赤穂屋〉の着物で、
城下町のしっとりした気分を装いにも。
臼杵の城下町は、石畳の道に武家屋敷や町屋、蔵元など、古き良き日本の風景が色濃く残っています。
まずは創業350年以上の歴史を誇る呉服店〈赤穂屋(あこうや)〉で、着物を着付けてもらいました。
艶やかなデザインから奥ゆかしいものまで50種類以上も着物が並びます。
「城下町散歩にぴったりな装いで、気分も上がりますね」としっとり微笑む宇賀さん。所作もバッチリ決まっています。
海城だった〈臼杵城〉から、城下町を一望。
赤穂屋から10分ほど歩き、城下町の拠点となる〈臼杵城跡〉へ。
キリシタン大名の大友宗麟が築城した臼杵城ですが、当時ここは丹生島と呼ばれる島でした。そう、臼杵城は島そのものを城にした孤島の海城だったのです。
標高約20メートル、四方を海に囲まれた天然の要害だった臼杵城ですが、明治に入った頃埋め立てられ、現在は陸続きになっています。
陸側に位置する三の丸と連結する古橋から、登城道・鐙坂(あぶみざか)を上り、二の丸を目指します。
二の丸櫓門をくぐり、振り返ると、臼杵市のまち並みを見渡すことができます。
「なだらかに広がる山の稜線が美しいですね。城下には住宅が広がっていますが、見渡す限りここが海だったなんて想像できませんね!」と感嘆の声を漏らす宇賀さん。
「そんなに高い場所に位置していないからこそ、臼杵のこじんまりとした城下町の全貌を見渡せます。観光地化されていない、ありのままの歴史や生活感を感じる、とても素敵なまちですね」(宇賀さん)