「岩戸の景観」を訪れ鉄橋を背に散策する宇賀なつみさん
特集|涼を探して大分へ

大自然に涼を求めて。
宇賀なつみ、アウトドアサウナと
〈おおいた豊後大野ジオパーク〉を巡る | Page 3

Posted 2026.07.17
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〈おおいた豊後大野ジオパーク〉で巡る
夏の涼スポット

豊後大野市をドライブしていると、深緑の山々のなかに切り立った岩壁や渓谷、滝など、ダイナミックな景色が目に飛び込んできます。ここは、地球の歴史を体感できる貴重な地域として「日本ジオパーク」に認定されているまち。圧倒されるような絶景から最高の涼と癒しを求めて、次の目的地へと出かけました。

岩壁から列車が飛び出す!? 「岩戸の景観」

「岩戸の景観」の鉄橋

ドライブ途中に車窓から見かけて立ち寄った「岩戸(いわど)の景観」。鉄道ファンのあいだでも話題となっているスポットです。

絶壁のトンネルから伸びた鉄橋を走る赤い列車
むき出しになった岩肌に、大きな石の柱が連なっているように見えるのがジオパークの地形の特徴。実際にはこんなふうに列車が走っているそう。(写真提供:大分県観光情報公式サイト)

高さ50メートル、長さ500メートルの絶壁の真ん中にJR豊肥(ほうひ)本線のトンネルが掘られ、そこから列車が飛び出してくる、まるで映画のワンシーンのような場面に遭遇することができます。この絶壁は阿蘇火山の巨大噴火によってできたもの。

「岩戸の景観」の川辺を散策中の宇賀なつみさん

「ゴツゴツした岩場を川辺まで歩いていると、なんだか夏休みを思い出します。やっぱり川のそばはひんやりしますね」(宇賀さん)

絶好の撮影スポットでもあるので、列車の時刻表チェックをお忘れなく。今回は残念ながら列車が走る姿を見ることができず、次のスポットへと急ぎました。

Spot 03
Information
岩戸の景観
address:大分県豊後大野市清川町臼尾
access:東九州自動車道 大分米良ICから車で約45分、三重町駅と豊後清川駅の間 国道502号線沿い
web:大分県観光情報公式サイト 岩戸の景観(いわどのけいかん)

「原尻の滝」の滝つぼでクールダウン

〈おおいた豊後大野ジオパーク〉を代表するスポットといえば、「原尻の滝」。のどかな田園風景のなかに思いがけず姿を現し、車から降りるとすぐに見える非日常の絶景に、不思議な感覚を覚えます。

「原尻の滝」の遠景
雨が続いたあとは水量が増し、天候によって滝の表情は大きく変化。この日は水量が少なめでしたが、岩肌の様子までよく見渡せました。

幅120メートル、高さ20メートルの馬蹄型に広がる大パノラマの「原尻の滝」は、“東洋のナイアガラ”と呼ばれるにふさわしい、圧倒的なスケール感。

滝つぼをのぞく

原尻の滝のおもしろさは、いろいろな角度から滝を見ることができて、すぐそばから楽しめるところ。下流にかかるつり橋から全景を見渡せるほか、遊歩道から滝つぼの近くまで降りることもできます。

川辺から「原尻の滝」を見上げる
ボートに乗って滝つぼまで遊覧できるアクティビティも。水しぶきを浴びながら滝に近づいていくと、轟音と冷気に包まれ、思わず声が出てしまうほどの迫力。普段見ることができない、滝の裏からの景色が楽しめます。この夏、涼を全身で感じたい人にはぜひ試してほしいアクティビティです。

目の前に激しく流れ落ちる滝を眺め、ひと休み。風にのって届く滝のミストがひんやり潤してくれます。外にいるのに、まるで天然のミストシャワーを浴びているようで、汗がすっと引いていくのを感じられるはず。

滝の雄大な姿に癒されながら、ぜひ目を向けてほしいのは、滝の背後にそびえる岩肌です。壁面には縦の割れ目が規則正しく並びます。これは「岩戸の景観」と同様、約9万年前の阿蘇火山の巨大噴火による火砕流が堆積し、冷えて固まる際に収縮してできた「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」。悠久の時が生み出した、この場所だけの風景です。

「原尻の滝」の滝の上側からの眺め
滝の上側、うねるような岩の造形の中を水が流れている
滝の上の遊歩道を歩くと見える、火砕流によってつくられた岩の造形。うねるような岩に沿って、なめらかに流れ落ちる水のゆくえを、時間を忘れて見とれてしまいます。

平坦な土地にこれほどの落差がどのようにして生まれたのか、自然の偉大さと歴史に想いを馳せながら眺めると、豊後大野の旅のおもしろさがさらに深まっていきます。

Spot 04
Information
原尻の滝
address:大分県豊後大野市緒方町原尻
access:東九州自動車道 大分米良ICから国道502号を経由して車で約50分
web:大分県観光情報公式サイト 原尻(はらじり)の滝
〈道の駅原尻の滝〉の外観

滝しぶきを浴びて涼んだあとは、滝のすぐ隣にある〈道の駅原尻の滝〉へ。

〈道の駅原尻の滝〉の店内
かぼすの果汁やゆずドリンクなどが並ぶ
「大分の野菜畑」とうたわれるほど農業が盛んな豊後大野市。西日本有数の産地である夏秋(かしゅう)ピーマンを筆頭に、さつまいもやかぼすなど、季節の新鮮野菜や果物、加工品などがずらり。

ランチが楽しめる食事処やイートインコーナー、直売所が充実する店内。お土産に爽やかなかぼすの調味料やスイーツをゲットして、この夏を元気に乗り切るエネルギーを持ち帰りました。

Spot 05
Information
道の駅 原尻の滝
address:大分県豊後大野市緒方町原尻936-1
tel:0974-42-4140
access:東九州自動車道 大分米良ICから国道502号を経由して車で約50分
営業時間:(3月~11月)9:00~17:20、(12月~2月)9:00~16:30
定休日:12月31日、1月1日
web:道の駅原尻の滝 公式サイト

大地のダイナミズムを体感する
〈おおいた豊後大野ジオパーク〉

豊後大野市には、豊かな大地の恵みと先人の知恵が重なる景色が数多く残されています。実は、こうした自然の景観がまちじゅうに点在していることから、このエリア一帯は〈おおいた豊後大野ジオパーク〉として注目を浴びています。

この土地の自然と、人々の暮らしの共存を象徴するスポットを訪ねました。

アーチの幅が国内1・2位を誇る石橋「出会橋・轟橋」

川辺から見上げた「出会橋」と「轟橋」
〈土木学会〉の選奨土木遺産に認定された、「出会橋(であいばし)」と「轟橋(とどろばし)」。「轟橋」は森林鉄道トロッコ軌道として1934(昭和9)年に完成。今は道路橋として使用されています。

奥岳川の深い谷を人々が渡るためにつくられた、アーチ式の「出会橋」と、その奥に見える「轟橋」。広いほうの径間(アーチ幅)が32.1メートルある「轟橋」は、アーチの幅が石橋として国内最長、次いで「出会橋」が2位を誇っています。川辺から見上げると、想像以上の高さとアーチの美しさは感動的な景色。

垂直の岸壁が続く「出会橋・轟橋」周辺の地形

これほど大規模な石橋がこの場所に誕生した背景には、この土地ならではの地球の歴史が深く関わっています。

およそ9万年前に起こった阿蘇火山の巨大噴火による火砕流は、豊後大野の大地のほとんどを覆いつくしました。その火砕流が縦方向にひび割れて、川によって削られてできた垂直の渓谷は、かつてこの土地に暮らす人々の交通を阻む大きな壁となったのです。

そんな不便さを解消するために、困難を極める地形にあえて架けられたのが、このふたつの石橋。当時の石工たちの卓越した技術と、自然に挑む勇気に、思わず胸が熱くなります。

橋の下を流れる川の音と木陰の涼しさは、夏場の散策にもうれしいポイントです。

Spot 06
Information
出会橋・轟橋
address:大分県豊後大野市清川町平石
access:東九州自動車道 大分米良ICから車で約1時間
web:大分県観光情報公式サイト 出会橋・轟橋

エリア内には、このほかにも大地の歴史を肌で感じることができるスポットがあります。

名画の面影といまなお残る遺構「沈堕の滝」

「沈堕の滝」の遠景
写真提供:大分県観光情報公式サイト

阿蘇溶結凝灰岩の断崖から落ちる「沈堕(ちんだ)の滝」。室町時代に水墨画家の雪舟が訪れ、「鎮田瀑図」を描いたことで広く知られるようになった名瀑で、国の登録記念物にも登録されています。

隣には明治時代に建てられた「沈堕発電所跡」があり、稼働当時の石造りの壁面が残されています。

Information
沈堕の滝
address:大分県豊後大野市大野町矢田
access:東九州自動車道 大分米良ICから車で約50分
web:大分県観光情報公式サイト 沈堕の滝

高さ70メートルの絶壁が囲む「滞迫峡」

「滞迫峡」の川辺から絶壁を見上げる
写真提供:大分県観光情報公式サイト

奥岳川沿いの高さ70メートルにもおよぶ大絶壁の渓谷で、両側を柱状節理の発達した溶結凝灰岩で囲まれています。川底まで透き通って見えるエメラルドグリーンの水が真夏でもひんやりとして、暑さを忘れさせてくれます。夏はリバートレッキングなどの川遊びも人気。川に足を浸せば、一気に体が冷えてくるのがわかるはず。

Information
滞迫峡(たいざこきょう)
address:大分県豊後大野市大野町滞迫
access:東九州自動車道 大分米良ICから車で約1時間20分
web:大分県観光情報公式サイト 滞迫峡

日本最大級の巨大な不動明王「普光寺磨崖仏」

普光寺の絶壁に刻まれた不動明王像を中心とした磨崖仏
写真提供:大分県観光情報公式サイト

別名「あじさい寺」と呼ばれる普光寺(ふこうじ)の断崖絶壁に刻まれた磨崖仏(まがいぶつ)は、台座を含めた高さが約11メートルあり、その大きさは国内最大級。約12万年前の火砕流の溶結凝灰岩に彫られています。木々に覆われた境内を進み、磨崖仏が見えた瞬間の迫力は息をのむほど。

Information
普光寺磨崖仏
address:大分県豊後大野市朝地町上尾塚1225
access:東九州自動車道 大分米良ICから車で約1時間
web:大分県観光情報公式サイト 普光寺・普光寺磨崖仏
「岩戸の景観」で川辺を散策する宇賀なつみさん

豊後大野市の壮大なジオパークの世界で、清涼感あふれる夏を満喫した宇賀さん。

「同じ川といっても、藤河内(ふじがわち)渓谷と、ロッジきよかわの川では全然違って、いろんな眺めが楽しめました。今回入ったサウナの水風呂で、大分の川で初めて泳ぎ、すごく透き通っていて流れも穏やかで、温度もちょうどよく気持ちよくて。どこまでも泳げそうでした。こういうのって、久しぶりにやったなぁと。次はキャニオニングやラフティングなど、水で遊ぶアクティビティにも挑戦してみたいです」

続く第3弾では、今回の旅で出合った、さっぱりグルメ編をお届け。海のまち・佐伯ならではの新鮮な味わいや、のどを潤す爽快ドリンクをご案内します。

credit text:牧亜希子 photo:ただ(ゆかい) hair & make:久保冬実 styling:近藤和貴子

衣装クレジット Tシャツ13200円、サロペット39600円(yori)、ジャケット26400円(ノーク)
以上、価格はすべて税込み

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