大自然に涼を求めて。
宇賀なつみ、アウトドアサウナと
〈おおいた豊後大野ジオパーク〉を巡る | Page 3
〈おおいた豊後大野ジオパーク〉で巡る
夏の涼スポット
豊後大野市をドライブしていると、深緑の山々のなかに切り立った岩壁や渓谷、滝など、ダイナミックな景色が目に飛び込んできます。ここは、地球の歴史を体感できる貴重な地域として「日本ジオパーク」に認定されているまち。圧倒されるような絶景から最高の涼と癒しを求めて、次の目的地へと出かけました。
岩壁から列車が飛び出す!? 「岩戸の景観」

ドライブ途中に車窓から見かけて立ち寄った「岩戸(いわど)の景観」。鉄道ファンのあいだでも話題となっているスポットです。

高さ50メートル、長さ500メートルの絶壁の真ん中にJR豊肥(ほうひ)本線のトンネルが掘られ、そこから列車が飛び出してくる、まるで映画のワンシーンのような場面に遭遇することができます。この絶壁は阿蘇火山の巨大噴火によってできたもの。

「ゴツゴツした岩場を川辺まで歩いていると、なんだか夏休みを思い出します。やっぱり川のそばはひんやりしますね」(宇賀さん)
絶好の撮影スポットでもあるので、列車の時刻表チェックをお忘れなく。今回は残念ながら列車が走る姿を見ることができず、次のスポットへと急ぎました。
「原尻の滝」の滝つぼでクールダウン
〈おおいた豊後大野ジオパーク〉を代表するスポットといえば、「原尻の滝」。のどかな田園風景のなかに思いがけず姿を現し、車から降りるとすぐに見える非日常の絶景に、不思議な感覚を覚えます。

幅120メートル、高さ20メートルの馬蹄型に広がる大パノラマの「原尻の滝」は、“東洋のナイアガラ”と呼ばれるにふさわしい、圧倒的なスケール感。

原尻の滝のおもしろさは、いろいろな角度から滝を見ることができて、すぐそばから楽しめるところ。下流にかかるつり橋から全景を見渡せるほか、遊歩道から滝つぼの近くまで降りることもできます。

目の前に激しく流れ落ちる滝を眺め、ひと休み。風にのって届く滝のミストがひんやり潤してくれます。外にいるのに、まるで天然のミストシャワーを浴びているようで、汗がすっと引いていくのを感じられるはず。
滝の雄大な姿に癒されながら、ぜひ目を向けてほしいのは、滝の背後にそびえる岩肌です。壁面には縦の割れ目が規則正しく並びます。これは「岩戸の景観」と同様、約9万年前の阿蘇火山の巨大噴火による火砕流が堆積し、冷えて固まる際に収縮してできた「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」。悠久の時が生み出した、この場所だけの風景です。


平坦な土地にこれほどの落差がどのようにして生まれたのか、自然の偉大さと歴史に想いを馳せながら眺めると、豊後大野の旅のおもしろさがさらに深まっていきます。

滝しぶきを浴びて涼んだあとは、滝のすぐ隣にある〈道の駅原尻の滝〉へ。


ランチが楽しめる食事処やイートインコーナー、直売所が充実する店内。お土産に爽やかなかぼすの調味料やスイーツをゲットして、この夏を元気に乗り切るエネルギーを持ち帰りました。
大地のダイナミズムを体感する
〈おおいた豊後大野ジオパーク〉
豊後大野市には、豊かな大地の恵みと先人の知恵が重なる景色が数多く残されています。実は、こうした自然の景観がまちじゅうに点在していることから、このエリア一帯は〈おおいた豊後大野ジオパーク〉として注目を浴びています。
この土地の自然と、人々の暮らしの共存を象徴するスポットを訪ねました。
アーチの幅が国内1・2位を誇る石橋「出会橋・轟橋」

奥岳川の深い谷を人々が渡るためにつくられた、アーチ式の「出会橋」と、その奥に見える「轟橋」。広いほうの径間(アーチ幅)が32.1メートルある「轟橋」は、アーチの幅が石橋として国内最長、次いで「出会橋」が2位を誇っています。川辺から見上げると、想像以上の高さとアーチの美しさは感動的な景色。

これほど大規模な石橋がこの場所に誕生した背景には、この土地ならではの地球の歴史が深く関わっています。
およそ9万年前に起こった阿蘇火山の巨大噴火による火砕流は、豊後大野の大地のほとんどを覆いつくしました。その火砕流が縦方向にひび割れて、川によって削られてできた垂直の渓谷は、かつてこの土地に暮らす人々の交通を阻む大きな壁となったのです。
そんな不便さを解消するために、困難を極める地形にあえて架けられたのが、このふたつの石橋。当時の石工たちの卓越した技術と、自然に挑む勇気に、思わず胸が熱くなります。
橋の下を流れる川の音と木陰の涼しさは、夏場の散策にもうれしいポイントです。
エリア内には、このほかにも大地の歴史を肌で感じることができるスポットがあります。
名画の面影といまなお残る遺構「沈堕の滝」

阿蘇溶結凝灰岩の断崖から落ちる「沈堕(ちんだ)の滝」。室町時代に水墨画家の雪舟が訪れ、「鎮田瀑図」を描いたことで広く知られるようになった名瀑で、国の登録記念物にも登録されています。
隣には明治時代に建てられた「沈堕発電所跡」があり、稼働当時の石造りの壁面が残されています。
高さ70メートルの絶壁が囲む「滞迫峡」

奥岳川沿いの高さ70メートルにもおよぶ大絶壁の渓谷で、両側を柱状節理の発達した溶結凝灰岩で囲まれています。川底まで透き通って見えるエメラルドグリーンの水が真夏でもひんやりとして、暑さを忘れさせてくれます。夏はリバートレッキングなどの川遊びも人気。川に足を浸せば、一気に体が冷えてくるのがわかるはず。
日本最大級の巨大な不動明王「普光寺磨崖仏」

別名「あじさい寺」と呼ばれる普光寺(ふこうじ)の断崖絶壁に刻まれた磨崖仏(まがいぶつ)は、台座を含めた高さが約11メートルあり、その大きさは国内最大級。約12万年前の火砕流の溶結凝灰岩に彫られています。木々に覆われた境内を進み、磨崖仏が見えた瞬間の迫力は息をのむほど。

豊後大野市の壮大なジオパークの世界で、清涼感あふれる夏を満喫した宇賀さん。
「同じ川といっても、藤河内(ふじがわち)渓谷と、ロッジきよかわの川では全然違って、いろんな眺めが楽しめました。今回入ったサウナの水風呂で、大分の川で初めて泳ぎ、すごく透き通っていて流れも穏やかで、温度もちょうどよく気持ちよくて。どこまでも泳げそうでした。こういうのって、久しぶりにやったなぁと。次はキャニオニングやラフティングなど、水で遊ぶアクティビティにも挑戦してみたいです」
続く第3弾では、今回の旅で出合った、さっぱりグルメ編をお届け。海のまち・佐伯ならではの新鮮な味わいや、のどを潤す爽快ドリンクをご案内します。
credit text:牧亜希子 photo:ただ(ゆかい) hair & make:久保冬実 styling:近藤和貴子
衣装クレジット Tシャツ13200円、サロペット39600円(yori)、ジャケット26400円(ノーク)
以上、価格はすべて税込み