オレンジ、黄色、ピンク、紫のヒオウギ貝
ニュース&コラム

おしゃれな海鮮ギフトにいかが?
アレンジも自在! 目に鮮やかな
佐伯市名産「ヒオウギ貝」

Posted 2022.01.20
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その美しい見た目から「食べる宝石」の異名も持つ「ヒオウギ貝」。房総半島から南の暖かい海域に生息するホタテ貝の仲間です。養殖が始まったのは、今から約50年前。愛媛県愛南町で盛んな真珠養殖の副産物として身内で消費され、一般に出回るようになったのは2000年以降と言われています。

ホタテよりひと回り小さいサイズながらも、貝柱は肉厚で弾力があり、ホタテ以上の甘さと旨みを味わうことができます。水温が下がる晩秋から春にかけてが、最もおいしくなる旬の時期です。

そして、最大の特徴がカラフルな貝の色。オレンジ、黄、赤、紫といった鮮やかな発色は、すべて天然によるものです。

そんなヒオウギ貝は、大分県佐伯市の港町である蒲江(かまえ)でも多く養殖されています。今回紹介する〈後藤緋扇貝(ごとうひおうぎがい)〉の後藤さんも、その生産者のひとりです。

2024年9月26日情報更新

産地は理想的な生育条件がそろった蒲江湾

空から見た屋形島

大分県南部にある佐伯市蒲江湾。なかでも、港から船で約10分のところに浮かぶ離島・屋形島(やかたじま)は、ヒオウギ貝の産地として有名です。

海中でヒオウギ貝が養殖されている様子

ここは、黒潮による高い水温と、リアス式海岸がもたらす穏やかな波、山から流れ込む豊富な養分という3つの条件を備えた、良質なプランクトンが豊富な地。理想的な環境で育ったプランクトンをたくさん食べたヒオウギ貝は、成長スピードも早く、身入りも抜群です。

おいしさと美しさを支える丁寧な仕事

屋形島に住む後藤さん一家

手がけているのは、屋形島に住む後藤さん一家。親子2代、これまで何万個ものヒオウギ貝を育ててきました。

ヒオウギ貝の色味自体は天然のものですが、実はあの鮮やかな見た目はつくり手の努力の賜物。放っておくと貝殻の表面が小さなフジツボや海藻など海の付着物で覆われてしまうため、一枚一枚丁寧に磨くことで、ビビットなカラーをしっかり見えるようにしているのです。

貝の表面の付着物を専用の機械で削る様子
海の付着物はプランクトン豊かな証拠。でも、手入れを怠ると貝が変形したり身の質が悪くなったりすることもあるため、磨いて取り除きます(画像提供:さいきあまべ食べる通信)。

ちなみに屋形島では、出荷前だけでなく成長過程でも定期的に磨きを行っているそう。付着物を掃除することで、より多くのプランクトンを貝に摂取してもらえるからです。

海から引き揚げられたヒオウギ貝
栄養をたっぷり摂取したヒオウギ貝は、9か月から1年で出荷サイズに成長します(画像提供:さいきあまべ食べる通信)。

アレンジ自在! 
ヒオウギ貝のおいしい食べ方

プライパンで酒蒸しされるヒオウギ貝
貝柱が大きくなかなか火が通らないので、じっくり時間をかけて加熱するのがおいしく食べるコツ(画像提供:さいきあまべ食べる通信)。

旨みたっぷりでジューシーなヒオウギ貝の魅力を堪能するなら、酒蒸しがおすすめ!

調理法は簡単。貝殻のままフライパンに並べ、水とお酒を入れフタをして蒸し焼きにするだけです。10~15分ほどして火が通ればできあがり。何も味つけしなくても、貝の塩気と旨みでバッチリ味が決まります。

もちろん、醤油や大分特産のかぼす果汁をかければ一層おいしく食べられますし、バター焼きにすればさらに濃厚な味わいが楽しめます。

土鍋の炊き込みご飯
ヒオウギ貝の旨みがたっぷり詰まった炊き込みご飯(画像提供:さいきあまべ食べる通信)。

水揚げ後、1日ほどしか生きられないヒオウギ貝。出荷日から2日以内であれば、お刺身として食べることもできます。また、炊き込みご飯やお吸い物にしたり、パスタやシチュー、グラタンの具材にしたりと、さまざまな調理方法で楽しむことができます。

上から時計回りに、黄色、ピンク、紫、オレンジ、4色のヒオウギ貝

旨みたっぷりでどんな料理にも合い、カラフルな見た目が食卓を華やかにしてくれるヒオウギ貝。全国的に流通が少なく高級食材でもあるため、ギフトにも最適です。

後藤さんが育てた屋形島のヒオウギ貝は通販で購入できるほか、大分県佐伯市のふるさと納税返礼品として手に入れることも可能です。ぜひ、このおいしさ、楽しさを体験してみてはいかがでしょうか。

credit text:坂口ナオ、柿崎真英

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