ギフトにおすすめ! 湯布院の御三家宿〈山荘無量塔〉が手がけるチョコレート専門店〈テオムラタ〉
由布岳山麓の森のなかにひっそりと佇む宿〈山荘無量塔(さんそうむらた)〉。湯布院に数ある宿泊施設のなかで、“御三家”のひとつに数えられる有名旅館です。
また、宿泊業だけに留まらず、ミュージアムなどが入った複合施設〈由布院 空想の森artegio〉(以下、アルテジオ)や、由布院駅前にあるロールケーキ専門店〈B-speak〉を営むなど、多岐に渡る事業を展開していることでも知られます。
今回紹介する〈théomurata〉(以下、テオムラタ)も、そのひとつ。厳選された上質なクーベルチュールを使った手づくりショコラと、それらを彩る趣向を凝らしたパッケージが洗練された雰囲気を醸す商品は、ギフトにもぴったりと感度の高い人々の間で人気を集めています。
日本らしさを大切にした手づくりチョコレート
〈アルテジオ〉内で営業を行う〈テオムラタ〉は、テイクアウト専門店として2011年にリニューアルオープン。その隣には、白壁に囲まれた空間のなかでくつろぎの時間を過ごせる〈テオムラタ〉のカフェ〈thé théo〉(以下、テテオ)が並びます。
ショーケースの中で存在感を放つ、色とりどりの商品。広報を務める宮川真一さんは、「日本のショコラをテーマに、素材の組み合わせによって生まれる最初のひと口と、食べ終えたあとの余韻のバランスを重要視して、商品づくりを行っています」と話します。
なかでも目を引くのが、バトンのような形が珍しい「ビーンズショコラ」。掛け軸の筒をイメージしたというパッケージの中には、ナッツやドライフルーツなどをチョコレートでコーティングしたお菓子が入っています。開業当初から販売されている定番商品で、種類を少しずつ増やしながら、現在は13種類がラインアップしています。
同じく開業当初から並ぶ「茶葉ショコラ」は、玉露茶や煎茶といった日本茶の茶葉を組み合わせ、パッケージには茶道で使われる茶器の一種、棗(なつめ)を用いて、日本らしさを表現しています。
「murata」の文字が隠されているというロゴマークは、唐草がモチーフになっているなど、和の思想から汲み取られた〈山荘無量塔〉ならではの発想が、さまざまなところに息づいていることがわかります。
その哲学は、ビーンズショコラの新作〈バナナとキャラメルのショコラ〉を飾るバレンタイン・ホワイトデー限定パッケージにも表れています。デザインを手がけたグラフィックアーティストのカンタ・デロシュさんがインスピレーションを受けたのは、夏目漱石の代表作である『三四郎』。
主人公の三四郎が美穪子(みねこ)に恋に落ちたときの、夕陽が美しく照らす情景をヒントに、太陽の中心に影を落とす日食のシルエットが印象的なパッケージに仕上がっています。主役のチョコレートは、スイートオレンジの香りをまとわせたキャラメルショコラでドライバナナをコーティングした、まさに恋の甘さを感じられるような味わい。
〈テテオ〉では、そんな〈テオムラタ〉のチョコレートを使った、ここでしか味わえない特製スイーツやランチがいただけます。〈B-speak〉の看板商品〈Pロール〉も、こちらで味わうことができるとか。
チョコレートはオンラインショップでも購入できるので、ホワイトデーや進学・就職・退職のお祝いなど、何かと贈り物を渡す機会が増えるこの時期に、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか?
*価格はすべて税込です。
credit text:柿崎真英