両子寺
連載|食卓で使いたい、大分の手仕事

国東だけで育つ「七島藺」の鍋敷き。
七島藺工芸作家・岩切千佳さん | Page 3

Posted 2021.04.26
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足を延ばして新緑の名勝へ。七島藺にも出会えます

「国東半島に来たら、ぜひ訪ねてほしい場所があるんです。もう、絶対のおすすめ! これからの季節は新緑が本当にきれいで、心が洗われます」

ニコニコしながらそう話す岩切さんと一緒に「両子寺(ふたごじ)」へ。たくさんの石仏や寺社が点在することから“仏の里”とも呼ばれる国東半島の、中央部に位置しています。岩切さんがさっそく案内してくれたのは、辺りに広がる「両子寺の森」。全国森林浴の森百選にも指定されている日本有数のパワースポットです。

両子寺の山門に続く石段
国東半島の中央部にある「両子寺」は718年の開創。山門に続く石段の両脇には、高さ2メートルを超える仁王像が立っている。秋は紅葉を楽しめる。
石造の仁王像
仁王像
江戸後期の作といわれる石造の仁王像(金剛力士像)。間近で見上げると大迫力!

清々しい新緑のなかを歩いた先に突然現れるのは、国東半島最大級の仁王像! 高さ2メートル45センチの力強い石像は、江戸時代後期、文化11(1814)年の作と伝えられています。彫りの深いお顔と、うっとりするほど見事な筋肉美。大迫力ではあるものの、キラキラした緑の光に包まれているためか、やさしさや温かさも感じられるのです。

両子寺の境内
両子寺の境内で。カエデの名所としても有名。

境内には、鎌倉期作と伝わる不動明王をご本尊とした護摩堂があり、その傍らには平和な世の中を願って「平和の鐘」と名づけられた梵鐘も。「今年の春、こちらの境内で七島藺の飾りをつくり、奉納させていただいたんです」と岩切さん。

奉納した七島藺の飾り
今年の4月、両子寺に奉納した七島藺の飾りを特別に拝見。

さらに、同じ国東市内にあり、国指定名勝・日本三文殊のひとつに数えられる「文殊仙寺」でも、表参道の入り口には岩切さんが手がけた注連縄が掛けられています。

「身近な日用品にも祈りのかたちにも、七島藺の美しさや強さはきっと宿っている。ひとりでも多くの方に、使って、見て、触れてほしいです」

文殊仙寺の注連縄
1300年の歴史を誇る古刹「文殊仙寺」の表参道に掛けられた七島藺の注連縄。岩切さんの作。
Information
七島藺工房 ななつむぎ
address:大分県国東市安岐町明治522
access:大分空港から車で約30分
web:Facebook
mail:nanatumugi710@gmail.com
*見学・訪問は事前に連絡を。
Information
足曳山 両子寺
address:大分県国東市安岐町両子1548
tel:0978-65-0253
access:大分空港から車で約30分
拝観時間:8:30~16:30(講堂は~16:00)
拝観料:300円
web:足曳山 両子寺
Information
文殊仙寺
address:大分県国東市国東町大恩寺2432
tel:0978-74-0820
access:大分空港から車で約30分
web:文殊仙寺
岩切千佳さん
Profile 岩切千佳

宮崎県生まれ。七島藺工芸作家/くにさき七島藺 認定工芸士。「くにさき七島藺振興会」職員を経て、2014年に七島藺工芸作家として独立。創作活動を続けている。ワークショップや講演も多数。作品の購入、オーダーはメールもしくはFacebookにて。

*価格はすべて税込です。

credit text:輪湖雅江 photo:白木世志一

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